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Trademark Appeal Case

周知商標との混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2015−900358(T2015−900358/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5786395号商標の指定商品及び指定役務中、第12類「自動車並びにその部品及び附属品」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品及び指定役務についての商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5786395号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,平成27年2月5日に登録出願,同年7月23日に登録査定,第9類「サングラス,運動用ゴーグル,コンピュータプログラム(記録されたもの又はダウンロード可能なもの),ナビゲーション装置,運動用保護ヘルメット」,第11類「加熱調理器具,家庭用電熱用品類,ガスこんろ,電気こんろ,石油こんろ,アイスボックス」,第12類「自動車並びにその部品及び附属品」,第14類「宝飾品,身飾品,時計,キーホルダー」,第16類「印刷物,文房具類」,第18類「かばん類」,第20類「椅子類」,第21類「食器類,携帯用クーラーボックス」,第22類「テント」,第24類「タオル,布地,ブランケット」,第25類「マフラー,被服,履物,帽子」,第27類「敷物」,第28類「おもちゃ,運動用具,人形,釣り具」,第35類「商品の販売に関する情報の提供」及び第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授」を指定商品及び指定役務として,同年8月14日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件異議の申立てに引用する商標は,以下のとおりである。

(1)登録第1231859号商標(以下「引用商標1」という。)は,「Golf」の欧文字を書してなり,1973年5月29日にドイツ連邦共和国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,昭和48年11月29日に登録出願,第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同51年11月4日に設定登録され,その後,同62年2月24日,平成9年2月27日及び同18年9月26日に商標権の存続期間の更新登録がされ,さらに,同19年4月4日に指定商品を第12類「船舶並びにその部品及び附属品,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにその部品及び附属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,タイヤ又はチューブの修繕用ゴム貼り付け片」とする指定商品の書換登録がされたものであり,現に有効に存続しているものである。

(2)登録第5661158号商標(以下「引用商標2」という。)は,「HONMAGOLF」の欧文字を標準文字で表してなり,平成25年8月6日に登録出願,第28類「ゴルフ用具」を指定商品として,同26年4月4日に設定登録されたである。

(3)申立人が,商品「自動車」に使用する「GOLF」の欧文字からなる商標(以下「引用商標3」という。),及び「ゴルフ」の片仮名からなる商標(以下「引用商標4」という。)。

(4)株式会社本間ゴルフ(以下「本間ゴルフ」という。)が店舗やウェブサイト,定期刊行物に使用している「HONMA GOLF」の欧文字からなる商標(以下「引用商標5」という。)。

3 登録異議の申立ての理由

申立人は,本件商標は,商標法第4条第1項第11号,同第15号,同第10号に違反して登録されたものであるから,商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである旨申し立て,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第25号証を提出した。

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は,引用商標1及び2と類似する商標であり,本件商標の指定商品及び指定役務中には,引用商標1及び2と同一又類似する商品を含んでいる。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第15号について

引用商標1,3及び4は,申立人が商品「自動車」について長年使用し,本件商標の登録出願前には,需要者・取引者間において,申立人の取扱いに係る商品「自動車」を表示する商標として広く認識され周知著名となっていたものである(甲3〜甲15)。

申立人は,自動車の製造販売のみならず,自転車やアウトドア用品,スーツケース,ゴルフ用品,衣類,事務用品などの商品をも製造・販売しており,その事業は自動車に限るものでなく広範囲にわたっている(甲21)。

本件商標は,申立人の周知著名な引用商標3が,本件商標全体の中に埋没せず独立して看取される構成であるので,本件商標に接する需要者・取引者は,申立人の周知著名な引用商標1,3及び4を容易に連想又は想起し,本件商標に係る商品及び役務が申立人又は同人と経済的または組織的に何らかの関係を有する者の業務にかかわる商品及び役務であると捉えるから,その商品の出所及び役務の提供について混同を生じさせるおそれがあるといえるものである。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。

(3)商標法第4条第1項第10号について

引用商標5は,本間ゴルフが店舗やウェブサイト,定期刊行物に使用しているものである。そして,本間ゴルフは,国内外で活躍する多くの契約プロゴルファーを抱え,また,日本各地でアマチュアを対象とする試打会・オープンコンペを開催するなど,積極的にイベントを展開している(甲23)。

また,日本全国に店舗を有しているので,例え店内に足を踏み入れなくとも建物の外観は目にするし,本間ゴルフ製品を取り扱う店も全国に多数あり,大きなプロゴルフ大会はテレビで中継され,ニュースでもダイジェストが放映される。テレビコマーシャルで本間ゴルフ製品を目にし「本間ゴルフ」の名を耳にする機会も多いから(甲24),需要者・取引者のみならず一般人も目にする馴染みのものとなっている。

よって,引用商標5は,本件商標の登録出願日前に,本間ゴルフが提供する役務を表す商標として,需要者・取引者間において,広く認識され周知著名となっていたといえる。

そして,本件商標は,引用商標5と外観,称呼,観念を共通にする類似の商標であり,また,その指定商品及び指定役務の中に,第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授」を含んでいるところ,本間ゴルフは,店舗において,ゴルフスクールを開講して「ゴルフの教授」を行っている(甲25)から,本件商標の指定商品及び指定役務のうち,第41類の役務は,引用商標5の役務と同一又は類似する。

上記のとおり,引用商標5は,本件商標の登録出願日前に広く周知されていたものであるところ,本件商標は,引用商標5と類似し,その指定商品及び指定役務も同一又は類似の役務を含むものである。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当する。

4 取消理由通知

当審において,商標権者に対し,平成28年7月12日付けで,本件商標は,その指定商品及び指定役務中,第12類「自動車並びにその部品及び附属品」について,商標法第4条第1項第11号に該当するとして通知した取消理由は,要旨以下のとおりである。

(1)引用商標1の周知性について

ア 申立人の提出に係る甲各号証によれば,以下の事実が認められる。

(ア)申立人は,1974年に,「Golf」「ゴルフ」を車種名とする自動車(以下「使用商品」という。)の生産を開始し,2013年6月には累計の生産台数が3000万台に達した(甲3)。

(イ)使用商品は,申立人の主力車種であり,欧州メーカー車において累計生産台数が3000万台に到達した車種は,使用商品が初めてである(甲4)。

(ウ)使用商品は,日本では,1975年2月に輸入販売が開始されて以来,現在まで,継続的に販売されている(甲3,甲5,甲6)。

(エ)日本での使用商品の販売実績は,「外国メーカー車モデル別新車販売台数」において27年連続第1位であって(甲6),中古車市場においても根強い人気があり全国的に流通している(甲7)。

(オ)使用商品は,申立人の子会社「フォルクスワーゲン グループ ジャパン 株式会社」が全国に展開するディーラー(甲8)を始めとして,自動車を取り扱う販売店(中古車販売店を含む)にて販売されている。

(カ)使用商品は,年間を通じて最も優秀な車を選定する「日本カー・オブ・ザ・イヤー」において,第25回(2004−2005年)のインポート・カー・オブ・ザ・イヤーに,第28回(2007−2008年)の特別賞に,第30回(2009−2010年)のインポート・カー・オブ・ザ・イヤーに,第34回(2013−2014年)の日本カー・オブ・ザ・イヤーに選定(甲9)されている。

(キ)「英和商品名辞典」及び「新英和大辞典」において,「Golf(ゴルフ)」は,申立人の製造する乗用車として記載されている(甲13,甲14)。

イ 以上を総合すると,「Golf」「ゴルフ」の文字は,本件商標の登録出願時には,既に申立人の業務に係る商品「自動車」を表示する商標として,自動車関連業界の取引者,需要者の間に広く認識されるに至っており,その周知性は,本件商標の登録査定時(平成27年7月23日)においても継続していたものと認められる。また,「Golf」の文字からなる引用商標1は,申立人の業務に係る商品「自動車」を表示する商標「Golf」と実質的に同一といえるから,引用商標1も,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品「自動車」を表示する商標として,自動車関連業界の取引者,需要者の間に広く認識されていたものといえる。

(2)商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 本件商標について

本件商標は,別掲のとおり,ゴルフ場のグリーン上に旗,カップ及び小さな白抜きの円形が配置された図形の右側に「Honda GOLF」の欧文字を表した構成よりなるものであるところ,その構成中の「Honda GOLF」の文字部分は,「Honda」の文字と「GOLF」の文字との間に半角程度のスペースをもって表されていること,及び「Honda」の文字部分は「H」のみを大文字で,続く「onda」の文字部分は小文字で表され,一方,「GOLF」の文字部分は全て大文字で表されていることから,「Honda」と「GOLF」の各語を組み合わせてなるものと看取,把握されものである。

そして,本件商標の構成中,「GOLF」の文字は,「球技の一つであるゴルフ」の意味合いを有する語であるが,本件商標の指定商品及び指定役務中に含まれると認められる「自動車」の分野においては,上記(1)のとおり,申立人の業務に係る商品「自動車」を表示する商標として,本件商標の登録出願時には,既に,我が国の自動車関連の取引者,需要者の間に広く認識されていた「Golf」の文字と,同じ綴りであることからすれば,本件商標に接する前記取引者,需要者は,当該「GOLF」の文字部分から,申立人の自動車「Golf(ゴルフ)」を連想,想起するといえる。

してみれば,本件商標は,その指定商品中の「自動車並びにその部品及び附属品」との関係においては,「GOLF」の文字部分を要部として取り出し,これと引用商標1とを比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。

したがって,本件商標は,その構成中の「GOLF」の文字部分から,「ゴルフ」の称呼を生じ,また,「申立人の業務に係る自動車としてのGolf(ゴルフ)」の観念を生じるものである。

イ 引用商標1ついて

引用商標1は,「Golf」の欧文字を表してなるものであるから,該文字から「ゴルフ」の称呼を生じ,その指定商品中の「自動車並びにその部品及び附属品」との関係においては,「申立人の業務に係る自動車としてのGolf(ゴルフ)」の観念を生じるものである。

ウ 本件商標と引用商標1との類否について

本件商標と引用商標1の類否について検討するに,外観については,本件商標はその構成中に,独立して自他商品の識別機能を果たす「GOLF」の欧文字を有するものであり,引用商標は「Golf」の欧文字からなるものであるから,両商標は,大文字と小文字の違いがあるものの,その綴りを同じくすることから,近似した印象を与えるものである

次に,称呼については,本件商標と引用商標1からは,いずれも「ゴルフ」の称呼を生ずるものである。

また,観念については,本件商標と引用商標1からは,いずれも「申立人の業務に係る自動車としてのGolf(ゴルフ)」の観念を生ずるものである。

そうとすれば,本件商標と引用商標1とは,外観において近似した印象を有し,称呼及び観念を同じくする類似の商標というのが相当である。

エ 本件商標の指定商品と引用商標1の指定商品との類否について

本件商標の指定商品と引用商標1の指定商品とは,第12類「自動車並びにその部品及び附属品」を共通にするものである。

オ まとめ

したがって,本件商標は,引用商標1に類似する商標であり,かつ,引用商標1の指定商品と同一又は類似する商品である「自動車並びにその部品及び附属品」について使用をするものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する

5 商標権者の意見

商標権者は,前記4の取消理由に対し,何ら意見を述べるところがない。

6 当審の判断

(1)本件商標についてした本件商標が引用商標1に類似する旨の前記4の取消理由は妥当なものであって,本件商標の登録は,その指定商品及び指定役務中,第12類「自動車並びにその部品及び附属品」について,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものといわざるを得ない。

また,本件商標は,その指定商品及び指定役務中,上記以外の指定商品及び指定役務については,申立人の申立て理由を検討するも,商標法第4条第1項第10号,同第11号及び同第15号に該当するということはできない。

(2)まとめ

以上のとおり,本件商標の登録は,その指定商品及び指定役務中,第12類「自動車並びにその部品及び附属品」について,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから,同法第43条の3第2項の規定により取り消すべきものとし,本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品及び指定役務については,取り消すべき理由はないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録は維持すべきものとする。

よって,結論のとおり決定する。

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