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Trademark Appeal Case

「農家のたね」の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2016−900209(T2016−900209/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5848848号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5848848号商標(以下「本件商標」という。)は,「農家のたね」の文字を標準文字で表してなり,平成27年9月15日に登録出願され,第31類「種子類」を指定商品として,同28年4月6日に登録査定,同年5月13日に設定登録されたものである。

第2 登録異議申立の理由

1 登録異議申立A

登録異議申立人「株式会社トーホク」(以下「申立人A」という。)は,本件商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し,商標登録を受けることができないものであるから,本件商標は同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである旨申し立て,証拠方法として甲第1号証から甲第6号証を提出した(注:申立人Aの提出に係る甲第1号証を「甲1(A)」と表し,以下,各号証を順次同様に表記する。)。

2 登録異議申立B

登録異議申立人「有限会社上野園芸社」(以下「申立人B」という。)は,本件商標は,商標法第3条第1項第3号,同項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当し,商標登録を受けることができないものであるから,本件商標は同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである旨申し立て,証拠方法として甲第1号証から甲第6号証を提出した(注:申立人Bの提出に係る甲第1号証を「甲1(B)」と表し,以下,各号証を順次同様に表記する。)。

なお,以下,申立人A及び申立人Bを併せていう場合は「申立人」という。

3 申立ての理由の要旨

(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号(申立人)

本件商標は,「農家のたね」を普通に用いられる方法(標準文字)で横書きしてなるところ,「農家(の)」とは,その後に続く商品に係る文言との関係において,単に生産者や販売者,程度,製法等といった内容を表示するにとどまるものである。

そして,農家では実際に種から野菜等作物の栽培が行われていること,また,現に(採種)農家で種が生産されている実態等が認められることから(甲5(A),甲6(A),甲4(B),甲5(B)),本件商標全体として,「農家で使用される種」,「農家で生産された種」程度の意味合いを容易に認識させるものである。

そうすると,本件商標をその指定商品中「農家で使用される種(と同等の種)」又は「農家で生産された種」に使用しても,単に商品の産地,品質,原材料を表示するものであって,自他商品識別標識としての機能を果たし得ず,かつ,これら商品以外の商品に使用するときは,商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。

したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

(2)商標法第3条第1項第6号(申立人B)

本件商標は,全体として観察した場合,「農家で使用される種」又は「農家で生産された種」という意味を明確に想起させ,いかなる使用態様で使用したとしても,また,いかなる宣伝方法で宣伝したとしても,さらなる格別な意味を獲得できない。

したがって,本件商標は,出所表示機能等を発揮し得ないものであり,仮に商標法第3条第1項第3号に該当しないとしても,同項第6号に該当する。

第3 当審の判断

1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について

本件商標は,前記第1のとおり,「農家のたね」の文字を標準文字で表してなるところ,「農家」の文字と「種」を意味する「たね」の文字を,助詞「の」を介して結合させた平易な構成からなるものであるから,全体として「農家で使用される種」,「農家で生産された種」等の意味合いを想起する場合もあり得るということができる。

しかしながら,本件商標からかかる意味合いを想起した場合であっても,これが,本件商標の指定商品との関係において,特定の商品の品質(内容)を直接的かつ具体的に表示したものとはいい難いというのが相当である。

また,職権により調査するも,本件商標の指定商品を扱う分野において,「農家のたね」が商品の品質等を表示するものとして,取引上,一般に使用されている事実は見当たらない。

してみれば,本件商標は,これをその指定商品について使用しても,商品の品質(内容)を表示するものとはいえず,商品の出所識別標識としての機能を果たし得るものであり,また,商品の品質について誤認を生じさせるおそれもないといわざるを得ない。

したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。

2 商標法第3条第1項第6号該当性について

本件商標は,上記1のとおり,「農家で使用される種」,「農家で生産された種」等の意味合いを想起する場合もあり得るものであるが,職権をもって調査するも,本件商標の指定商品を取り扱う業界において,「農家のたね」の文字がかかる意味合いを表すものとして普通に使用されている事実を見いだすことはできない。

そうすると,本件商標は,これをその指定商品について使用しても,商品の出所識別標識としての機能を果たし得るものというべきであるから,需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であるとはいえない。

したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第6号に該当しない。

3 申立人の主張について

申立人は,「農家の」の文字と「たまご」等の商品名との組合せからなる商標が,商品の品質等表示に該当する旨認定,判断された過去の審査例を挙げ,本件も同様に判断されるべきである旨主張する。

しかしながら,申立人の挙げた事例は,いずれも本件商標とは,使用する商品が異なるものであるばかりか,商標の構成態様においても異なるものであるから,事案を異にするというべきであり,また,そもそも,他の事例の存在によって,本件の判断が左右されるものではない。

したがって,申立人の主張は,採用することができない。

4 結論

以上のとおり,本件商標は,商標法第3条第1項第3号,同項第6号及び同法第4条第1項第16号の規定に違反して登録されたものではないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録は維持すべきである。

よって,結論のとおり決定する。

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