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Trademark Appeal Case

品質表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2016−900276(T2016−900276/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5854696号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5854696号商標(以下「本件商標」という。)は、「生コンディショナー」の文字を標準文字で表してなり、平成27年7月6日に登録出願、同28年4月6日に登録査定がされ、第3類「ヘアーコンディショナー」を指定商品として、同年6月3日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第23号証を提出した。

(1)本件商標とその指定商品との関連を鑑みると、本件商標の指定商品を取扱う美容業界等において「生」の語と一般的な名称を結合した語からなる標章が数多く使用されており、例えば「生シャンプー」の語は、「業界初の石油系防腐剤完全無添加シャンプー 新・蘇・生シャンプー 米ぬか発酵100%天然原料【優美シリーズ】」(甲1)、「生の成分から生まれた【生シャンプー】」(甲2)、「生シャンプーとは? ・100%天然由来洗浄成分から出来ており、髪やお肌の主成分であるタンパク質はアミノ酸で構成されているので低刺激。・一般のシャンプーによく見られる、石油系界面活性剤などの成分は含まれていないので、肌が敏感な赤ちゃんにもご使用いただけます。・また多くご質問を頂きますが、防腐剤無添加の為、衛生面より詰め替え用はできません。・そんなピュアなシャンプーだからこそ、私たちはあえで“生シャンプー”と呼ばせて頂いています。」(甲3)、「従来の防腐剤を使用していない生シャンプーですから注意して頂きたい事です」(甲4)、「生シャンプーとは。。原料にしてから4か月以内の新鮮な植物エキスを使用しています」(甲4)等のように使用されていることからも明らかなように、「防腐剤を使用していないシャンプー」、「生の成分からなるシャンプー」、「天然由来洗浄成分からなる防腐剤無添加のシャンプー」等の意味をもって、シャンプーに広く使用されているものである(甲1〜甲11)。

(2)「生洗顔」の語は、「サボデサボ 生洗顔せっけん 生クリームのような泡立ちが新触感。保湿成分を多く含んだ′′生′′タイプのサボテンせっけん。」(甲12)、「まるで美容液のような生洗顔石鹸『大阪セシボン』厳選した植物油を昔ながらの冷製炊き込み法で、じっくり仕上げた素肌に優しい石鹸」(甲13)、「クリスタルノエ生洗顔せっけん まるで生クリームのようなホイップで上質な洗顔タイムを体感ください。」(甲14)、「スティック状の生洗顔せっけんRuamRuam(ルアンルアン) 弾力のある、生クリーム的なモコモコ泡がクッションとなって、やさしく洗える。 非加熱で抽出した生ハーブエキスを配合。」(甲15)等のように使用されていることからも明らかなように、「保湿成分を多く含んだ生タイプの洗顔用商品」、「加熱しない製法の洗顔用商品」、「生クリームのような泡となる洗顔用商品」、「生の原材料を配合した商品」等の意味をもって、洗顔せっけん、洗顔料に普通に使用されているものである(甲12〜甲21)。

(3)「生石鹸」及び「生石けん」の語が、「キメ細かく生クリームのような泡で肌を優しく包み込み、必要な水分や油分は保ちながら、しっかり汚れを除去。」(甲22)、「香料、色素、防腐剤を含まない無添加石けんですので、・・・。」(甲23)等のように使用されていることからも明らかなように、「生クリームのような泡となるせっけん」、「香料、色素、防腐剤を含まない無添加石けん」等の意味をもって、せっけんに普通に使用されているものであり、前述の「生シャンプー」及び「生洗顔」の使用例と合わせて考えると、本件商標「生コンディショナー」の語からは、「防腐剤を使用していないコンディショナー」、「生クリームのような泡となるコンディショナー」、「加熱しない製法のコンディショナー」等の意味をもって理解されることは容易に想定できるものである。

(4)以上のことからすると、本件商標「生コンディショナー」は、これをその指定商品に使用するときは、商品の品質を表す語として理解されるものであって、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であるから、商標法第3条第1項第6号に該当するものである。

3 当審の判断

(1)本件商標について

本件商標は、上記1のとおり、「生コンディショナー」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「生」の文字が、「動植物を採取したままで、煮たり、焼いたり、乾かしたりしないもの。材料に手を加えないこと。」の意味を、「コンディショナー」の文字が、「髪等の状態をととのえるもの。ヘアーコンディショナー。」の意味を有するとしても、これらの語を連結した本件商標全体としては、特定の意味合いを認識させるとはいい難い。

また、当審において職権をもって調査したが、本件商標の登録査定の日前において、その指定商品を取り扱う業界において、「生コンディショナー」の文字が、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないというべき事情は発見できなかった。

そうすると、本件商標は、特定の観念を生じない一種の造語を表したといえるものであって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものである。

したがって、本件商標は、これをその指定商品に使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であるとはいえないから、商標法第3条第1項第6号に該当しない。

(2)申立人の主張について

申立人は、次のアないしウの使用例を挙げて、本件商標がその指定商品の品質を表す語として理解されるものであって、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標である旨主張している。

ア 申立人は、「生シャンプー」の語は、「防腐剤を使用していないシャンプー」、「生の成分からなるシャンプー」、「天然由来洗浄成分からなる防腐剤無添加のシャンプー」等の意味をもって、シャンプーに広く使用されている旨主張し、甲第1号証ないし甲第11号証を提出している。

しかしながら、上記甲各号証中に「生シャンプー」の文字が記載されているとしても、それらの記載は、「生シャンプー」の文字が単独で記載されているものではなく、「新・蘇・生シャンプー」、「潤生シャンプー」、「天然生シャンプー」及び「ハーブ生シャンプー」と表示されているものであり、また、上記甲各号証からは、「生シャンプー」の文字単独で自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないというべき事実は見いだせないから、「生シャンプー」の文字が、本件商標の指定商品を取扱う業界において、申立人のいう意味で取引上普通に使用されていると認めることはできない。

イ 申立人は、「生洗顔」の語は、「保湿成分を多く含んだ生タイプの洗顔用商品」、「加熱しない製法の洗顔用商品」、「生クリームのような泡となる洗顔用商品」、「生の原材料を配合した商品」等の意味をもって、洗顔せっけん、洗顔料に普通に使用されている旨主張し、甲第12号証ないし甲第21号証を提出している。

しかしながら、上記甲各号証中に「生洗顔」の文字が記載されているとしても、それらの記載は、「生洗顔」の文字が単独で記載されているものではなく、「生洗顔せっけん」、「生洗顔石鹸」、「生洗顔PWソープ」及び「生洗顔石けん」と表示されているものであり、また、甲各号証からは、「生洗顔」の文字単独で自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないというべき事実は見いだせないから、「生洗顔」の文字が、本件商標の指定商品を取扱う業界において、申立人のいう意味で取引上普通に使用されていると認めることはできない。

ウ 申立人は、「生石鹸」及び「生せっけん」の語は、「生クリームのような泡となるせっけん」、「香料、色素、防腐剤を含まない無添加石けん」等の意味をもって、せっけんに普通に使用されている旨主張し、甲第22号証及び甲第23号証を提出している。

しかしながら、上記甲各号証中に「生石鹸」又は「生せっけん」の文字が記載されているとしても、それらの記載は、「生石鹸」又は「生せっけん」の文字が単独で記載されているものではなく、「こく生石鹸」及び「無添加生せっけん」と表示されているものであり、また、上記甲各号証からは、「生石鹸」又は「生せっけん」の文字単独で自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないというべき事実は見いだせないから、「生石鹸」及び「生せっけん」の文字が、本件商標の指定商品を取扱う業界において、申立人のいう意味で取引上普通に使用されていると認めることはできない。

エ 上記アないしウのとおり、申立人提出の証拠によっては、「生シャンプー」、「生洗顔」、「生石鹸」及び「生せっけん」の文字は、いずれも申立人のいう意味で取引上普通に使用されていると認めることはできないから、上記使用例をもって、本件商標は需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であるという申立人の主張は、採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第6号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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