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Trademark Appeal Case

地名商標の産地誤認

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2016−900158(T2016−900158/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5834601号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5834601号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成26年10月9日に登録出願、第30類「プディング,ホットチョコレートのもと,棒状のファッジ,アイスクリームバー」を指定商品として、同28年2月15日に登録審決、同年3月18日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第16号に該当するものであるから、同法第43条の3第2項により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

本件商標は、その構成中に目立つ態様で「SWISS mISS」と表しており、このうち「SWISS」の文字部分が一般に「スイス国」を示すものであることは容易に認識される。

英単語の「miss」の語は、「(何かを)し損なう、(誰かが)いないのを寂しく思う」、また、「失敗、お嬢さん、少女」などを意味する英単語である。しかし、「mISS」を「SWISS」と連続して表されたこの態様にあっては、「miss」の語が多様な意味合いを持つこともあって、全体としての意味は多義的ないし不明であり、格別特定の観念が生じるともいえない。

また、その文字の上には、連なった積雪の山岳を白色で表すことによって、特に、ユングフラウ、マッターホルン、モンブランの三山で知られるアルプス山脈を想起させ、スイス国のイメージと重なる。

したがって、このような文字及び図形が組み合わされた商標を、指定商品中、スイス国産のもの以外について使用するときは、それらがあたかもスイス国において製造又は販売されたものであるかのごとく、産地、販売地について誤認を生ずるおそれがある。

なお、本件商標の文字部分とほぼ同一の登録第4122766号商標(以下「別件登録商標」という。)は、異議平10−91417として審理された結果、商標法第4条第1項第16号に該当するとして取り消され、当該商標権者は、取消理由通知を受けた直後、自ら放棄した(甲1及び甲2)。

本件商標の商標権者名義は異なるが、当該業務を継承した者によってなされたのであれば、過去に原産地について誤認を生ずるおそれがあるとして商標登録を取り消されたにもかかわらず、当該商品の販売を継続していたかのように拒絶査定不服審判において主張し、商標登録に至ったものであり、行政手続きにおける信義則に反する。

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。

第3 当審の判断

1 商標法第4条第1項第16号該当性について

本件商標は、別掲1のとおり、装飾的な茶色い外枠を有した図形内の青地の部分に白抜きで「SWISS mISS」の文字を、中央部は小さく、両端へいくほど大きく表し、該文字部分の上部には白い山脈と思しき図形が表されてなるものである。

そして、本件商標の構成中の「SWISS」の文字は、「スイスの、スイス人の、スイス風の」を意味する語であり、「mISS」の文字は、「打ち損なう、見損なう、欠席する、乗り遅れる」等を意味する語であるが(いずれも「ジーニアス英和辞典」第5版)、これらを組み合わせた「SWISS mISS」の文字は、これより特定の意味合いを生じるとはいい難く、一種の造語を表したものとして理解されるというのが相当である。

また、該「SWISS mISS」の文字に相応して生じる「スイスミス」の称呼は、5音という短い音構成からなり、語呂が良く、よどみなく一連に称呼し得るものである。

また、「SWISS」の文字が、本件商標に係る指定商品の分野において、「スイス国産」を表す語として一般的に使用されている事実や、同商品分野において、スイス国産の商品が一定程度の商品価値を有するといった事情を見いだすこともできないし、申立人も、これを裏付ける証拠を提出していない。

そうすると、本件商標に接する取引者、需要者が、殊更、その構成中の「SWISS」の文字部分に着目し、本件商標を使用した商品がスイス国産の商品であるかの如く、商品の産地について誤認を生じるおそれはないものとみるのが相当である。

してみれば、本件商標は、これをその指定商品に使用しても、商品の品質について誤認を生ずるおそれはないというべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当しない。

2 申立人の主張について

申立人は、本件商標の文字部分とほぼ同一の別件登録商標が商標法第4条第1項第16号に該当するとして取り消された旨を主張する。

しかしながら、別件登録商標における商標法第4条第1項第16号についての判断時期は、その査定時及び審決時であって、本件とはその判断時期が相違し、その時期における取引の実情を同じくするとはいえないものであり、かつ、本件商標と別件登録商標とは、商標の構成及び指定商品において相違するものである。

よって、申立人の主張は、採用することができない。

3 むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第16号に違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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