結論テキスト
本願商標は、登録すべきものとする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 不服2016−650020(T2016−650020/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第9類及び第38類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品及び役務を指定商品及び指定役務として、2014年(平成26年)4月9日にSingaporeにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、同年5月14日に国際商標登録出願されたものである。
その後、指定商品及び指定役務については、原審における平成27年7月23日付け手続補正書により、第9類及び第38類に属する別掲2のとおりの商品及び役務と補正された。
原査定は、以下のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。
(1)本願商標は、登録第5359994号商標(以下「引用商標1」という。)、登録第5371377号商標(以下「引用商標2」という。)及び登録第5406167号商標(以下「引用商標3」といい、引用商標1ないし3をまとめて「引用商標」という場合がある。)と同一又は類似の商標であって、同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
なお、引用商標1ないし3の詳細は、それぞれ以下のとおりである。
ア 引用商標1は、「iPad」の欧文字を標準文字で表してなり、平成22年1月15日に登録出願、第16類及び第38類に属する別掲3に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年10月8日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
イ 引用商標2は、「iPad」の欧文字を標準文字で表してなり、平成22年8月2日に登録出願、第35類に属する別掲4のとおりの役務を指定役務として同年11月26日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
ウ 引用商標3は、「iPad」の欧文字を標準文字で表してなり、平成21年7月31日に登録出願、第9類に属する別掲5のとおりの商品を指定商品として同23年4月15日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(2)本願商標は、米国カリフォルニア州に本社を有するApple Inc.が、タブレット型コンピュータについて使用し、世界的に広く知られている「iPad」の欧文字に類似する「I PAD」の欧文字を含むものであるから、本願商標がその指定商品及び指定役務に使用された場合には、その商品及び役務があたかも前記会社又は前記会社と密接な営業上の関係等を有する者の業務に係る商品又は役務であるかのように、その商品及び役務の出所について混同を生じさせるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、「MI」の欧文字と「PAD」の欧文字とを半角分の空白を介して普通に用いられる書体により横一連に書してなるところ、かかる構成より、視覚上、「MI」と「PAD」とが結合してなるものと容易に認識、理解するものである。
そして、それらの文字構成は、それぞれ同じ書体、同じ大きさで、横一連に表されており、その構成文字全体に相応して生じる「エムアイパッド」又は「ミパッド」の称呼も6音又は4音と比較的短い音構成からなり、かつ、よどみなく一連に称呼し得るものである。
また、本願商標は、その構成中、後半の「PAD」の文字部分が、「当て物、クッション、詰め物」等の意味合いを有する我が国でもよく親しまれた英語であるものの、本願商標の構成全体として、観念上特定の意味合いを生じさせるものではない。
そうすると、本願商標は、その構成全体を一体不可分のものと認識し、把握するとみるのが自然であるから、本願商標から、「エムアイパッド」又は「ミパッド」の称呼のみが生じ、また、特定の観念は生じないというのが相当である。
(2)引用商標について
ア 引用商標の周知性について
本願に対して提出された平成27年2月19日付け刊行物等提出書によれば、「iPad」の欧文字は、米国カリフォルニア州に本社を有するApple Inc.(以下「Apple社」という。)が2010年(平成22年)4月から販売しているタブレット型コンピュータの名称として使用されており、我が国においても同年5月から販売が開始され、該製品の取引においては、「iPad」の欧文字は「アイパッド」の称呼が生じるものとして取り扱われている。そして、2010年第3四半期には、該製品がタブレット型コンピュータにおける市場シェアの約90%を占めるに至り、2013年10月においては、累計販売台数は1億7000万台、全タブレットに占める該製品のシャアは約81%となっている。
そうとすると、引用商標は、本願商標の出願時には既に、Apple社の業務に係る商品であるタブレット型コンピュータの出所を表示するものとして、我が国においてもコンピュータに関する取引者、需要者の間に広く認識されていたと認め得るものである。
イ 引用商標の外観、称呼、観念について
引用商標は、「iPad」の欧文字を標準文字で表してなるところ、上記アのとおり、該欧文字は、我が国において、Apple社が製造・販売するタブレット型コンピュータの名称「アイパッド」としてコンピュータに関する取引者、需要者の間に親しまれているものであるから、引用商標からはその構成文字に相応して「アイパッド」の称呼及び「Apple社が製造・販売するタブレット型コンピュータのブランド名」の観念を生じるものである。
(3)商標法第4条第1項第11号該当性について
本願商標と引用商標とを対比するに、本願商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観においては、語頭における「M」の欧文字の有無、中間における半角分の空白の有無及び本願商標はすべて大文字で表されているのに対し、引用商標は2文字目の「P」のみ大文字で、その他の欧文字部分は小文字で表されている点から、両商標は外観上判然と区別し得る差異を有するものである。
次に、称呼においては、本願商標から生じる「エムアイパッド」及び「ミパッド」の称呼と引用商標から生じる「アイパッド」の称呼とは、語頭の「エムアイ」又は「ミ」と「アイ」という顕著な差異により、それぞれを一連に称呼するときは、全体の語調、語感が著しく相違し、また、その音数及び音構成が明らかに相違するものであるから、両称呼は、明瞭に区別することができるものである。
さらに、観念においては、本願商標は、親しまれた既成の観念を有しないものであるから、本願商標と引用商標とを比較することはできず、相紛れるおそれはない。
してみれば、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
また、引用商標の周知性を考慮しても上記判断は左右されない。
以上のとおり、本願商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、商標法第4条第1項第11号に該当するということはできない。
(4)商標法第4条第1項第15号該当性について
前記(2)アのとおり、「iPad」の欧文字は、我が国において、本願商標の出願時にはすでにApple社の業務に係る商品の出所を表示するものとして、コンピュータに関する取引者、需要者の間に広く認識されていたと認め得るものであるとしても、上記(3)のとおり、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標である。
そうとすれば、本願商標をその指定商品について使用した場合に、これに接する取引者、需要者が引用商標ないしは申立人を連想、想起するようなことはないというべきである。
したがって、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、Apple社又はApple社と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生じるおそれはないものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(5)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものではないから、これを理由として本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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