Trademark Appeal Case
シトラスフローラルの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2015−16020(T2015−16020/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「シトラスフローラル」の文字を標準文字で表してなり、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,口臭用消臭剤,動物用防臭剤,つや出し剤,歯磨き,香料,芳香剤(身体用のものを除く。),消臭芳香剤(身体用のものを除く。),その他の薫料,つけづめ,つけまつ毛」及び第5類「芳香消臭剤(身体用・動物用及び工業用の芳香消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。),その他の消臭剤(身体用・動物用及び工業用の消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。),防臭剤(身体用・動物用及び工業用のものを除く。),脱臭剤(工業用のものを除く。),その他の薬剤,医療用試験紙,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,おりものシート,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料,おむつ,おむつカバー,はえ取り紙,防虫紙,サプリメント」を指定商品として、平成26年6月20日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『シトラスフローラル』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の『シトラス』の文字は、『柑橘類』の意味を、『フローラル』の文字は、『花の。花のような』等を意味する語であり、いずれの語も一般に広く親しまれている語であるから、これよりは、構成全体として『柑橘類の花の香りを有する商品』ほどの意味合いを容易に認識させるものである。また、香りの総称的表現において、『フローラル』と『シトラス』の語は最も多く使用される語であり、調合香料の香りを表現するには、二つの言葉を組み合わせて香りを表現していること及び入浴剤や衣料用粉末洗剤に香料のタイプを表す語として使用されていることが確認できる。さらに、その指定商品を取り扱う業界において、『シトラスフローラル』の語が、香りのタイプを表わす語として、普通に使用されている実情を窺い知ることができる。そうすると、これを本願指定商品中、柑橘類の花の香りを有する商品、例えば『洗濯用漂白剤,口臭用消臭剤,動物用防臭剤,つや出し剤,歯磨き,香料,芳香剤(身体用のものを除く。),消臭芳香剤(身体用のものを除く。),その他の薫料,芳香消臭剤(身体用・動物用及び工業用の芳香消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。),その他の消臭剤(身体用・動物用及び工業用の消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。),防臭剤(身体用・動物用及び工業用のものを除く。),脱臭剤(工業用のものを除く。),その他の薬剤』などに使用するときには、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審における審尋
当審において、平成28年7月27日付けで、別掲のとおりの書籍の記載及びウェブサイト情報を示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当する旨の審尋を発し、期間を指定して、これに対する回答を求めた。
4 請求人の回答
請求人は、上記3の審尋に対し、平成28年9月6日付けで、以下を要旨とする回答書を提出した。
審尋に挙げられた辞書や書籍には、「シトラス」、「フローラル」の語の掲載があるとしても、これらを組合せた「シトラスフローラル」の語の掲載はない。
本願商標は、香りの良いものを暗示させ、リラックス効果、美容効果等があることをイメージさせる語であるが、具体的な香りを想起させるものではないため、自他識別力を発揮しうるものである。また、消臭剤、柔軟剤は通常香りを発する商品とはいえず、「シトラスフローラル」が香りの種類を表す語句として識別力が無いとはいえない。「シトラスフローラル」の語の使用がされているとしても、その使用例は一部分でありこれをもって一般的に使用されているとまではいえないものである。
よって、本願商標は、商標法第3条第1項6号に該当するものではない。
5 当審の判断
本願商標は、上記1のとおり、「シトラスフローラル」の文字を標準文字で表してなるところ、別掲1のとおり、その構成中、「シトラス」の文字は、「柑橘類」の意味を有する語として、「フローラル」の文字は、「花の、花のような」の意味を有する語として、いずれも親しまれているものである。
そして、香料の分野においては、別掲2のとおり、「シトラス」の文字は、「柑橘様の香り」、「フローラル」の文字は、「花様の香り」を表す香りの表現用語であり、いずれも香りを分類したりするときにも多く用いられる語であること、香りを表現する場合には、「○○フローラル」「○○シトラス」のように、2つの語を組み合わせて表現する方法があることの記載が認められるとともに、別掲3のとおり、「シトラスフローラル」、「シトラス・フローラル」の文字が、商品が発する香りの種類を表す語句として、広告等に一般に使用されている事実が認められる。
また、薫料(線香、芳香剤を含む。以下同じ。)、消臭剤及び洗濯用柔軟剤の分野においても、別掲4のとおり、「シトラス」の文字及び「フローラル」の文字が、それぞれ商品が発する香りの種類を表す語として、商品の広告等に一般に使用されている事実が認められるとともに、別掲5のとおり、「シトラス」の文字及び「フローラル」の文字を組み合わせた「シトラスフローラル」、「シトラス/フローラル」、「シトラス×フローラル」の文字や、それらを英語で表した「CITRUS FLORAL」の文字が、商品が発する香りの種類を表す語句として、広告等に一般に使用されている事実が認められる。
そうすると、「シトラスフローラル」の文字からなる本願商標は、その指定商品中、第3類「洗濯用柔軟剤,香料,芳香剤(身体用のものを除く。),消臭芳香剤(身体用のものを除く。),その他の薫料」及び第5類「芳香消臭剤(身体用・動物用及び工業用の芳香消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。),その他の消臭剤(身体用・動物用及び工業用の消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。)」に使用された場合には、これに接する取引者、需要者に、商品が発する香りの種類を表す語句の一つであると理解させるにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を有するものとはいえず、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標といわざるを得ないものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するから、登録することができない。
なお、原査定は、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして、本願を拒絶したものであるが、本願商標は、上記のとおり自他商品の識別標識としての機能を有しないとするものであるから、この当審の認定、判断の内容は、原査定と実質的に相違するものではない。
よって、結論のとおり審決する。
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