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Trademark Appeal Case

結合商標の要部と称呼類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2016−890039(T2016−890039/J3)
審判種別無効
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第5679588号の指定商品中の第9類「理化学機械器具」についての登録を無効とする。
審判費用は,被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5679588号商標(以下「本件商標」という。)は,「SPEXNEO」の文字を標準文字により表してなり,平成26年2月3日に登録出願され,第9類「理化学機械器具,測定機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,乗物運転技能訓練用シミュレーター」及び第39類「鉄道による輸送,車両による輸送,船舶による輸送,航空機による輸送,貨物のこん包,貨物の積卸し,貨物の輸送の媒介,主催旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ,寄託を受けた物品の倉庫における保管,他人の携帯品の一時預かり,倉庫の提供,駐車場の提供,航空機の貸与,コンテナの貸与,パレットの貸与,自動車の貸与,船舶の貸与,輸送情報の提供,電子計算機端末の通信による貨物の動静情報の提供,保管情報の提供」を指定商品及び指定役務として,同年6月9日に登録査定,同年6月20日に設定登録され,その後,同27年11月27日に,指定商品及び指定役務中,第9類「測定機械器具」についての商標登録を取り消す旨の異議申立の確定登録がされたものである。

第2 引用商標

請求人の引用する登録第5812703号商標(以下「引用商標」という。)は,「SPEX」の文字を標準文字で表してなり,平成24年8月22日に登録出願,第9類「理化学機械器具」を含む第1類,第5類,第7類,第9類及び第10類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同27年12月11日に設定登録されたものであり,その商標権は現に有効に存続している。

第3 請求人の主張(要旨)

請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を要旨,次のように述べ,証拠方法として,甲第1号証から甲第3号証を提出した。

本件商標「SPEXNEO」の構成中,「NEO」の文字部分は,商品の品質を表示するものであるから,本件商標の要部は,「SPEX」の文字部分にあり,これより「スペックス」の称呼をも生ずる。

これに対し,本件商標より先の出願に係る引用商標「SPEX」は,その構成文字に相応して「スペックス」の称呼を生ずる。

本件商標と引用商標は,「スペックス」の称呼を共通にする商標であって,その構成文字中の「SPEX」の文字を同一にするものであるから,外観上も類似する商標であり,また,いずれも特定の観念を生ずるものではないから,観念においては比較することができない。

そうすると,本件商標と引用商標とは,観念において比較することができないものの,その外観及び称呼において類似する商標であるから,その外観,称呼及び観念によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察してみれば,互いに紛れるおそれのある類似の商標というのが相当であり,ほかにこれを左右する取引の実情はない。

そして,本件商標の指定商品中には,引用商標の指定商品である「理化学機械器具」が含まれる。

したがって,本件商標の登録は,その指定商品中の「理化学機械器具」について,商標法第8条第1項に違反してされたものである。

第4 被請求人の主張

審判長は,請求書の副本を被請求人に送達し,相当の期間を指定して答弁書を提出する機会を与えたが,被請求人は何ら応答していない。

第5 当審の判断

1 本件商標の商標法第8条第1項該当性について

(1)本件商標について

本件商標は,前記第1のとおり,「SPEXNEO」の文字を標準文字で表してなり,平成26年2月3日に登録出願され,第9類「理化学機械器具」を含む第9類及び第39類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同年6月9日に登録査定,同年6月20日に設定登録されたものである。

本件商標は,その構成全体をもって成語であるとはいえないところ,該文字は,我が国において比較的親しまれて使用されている英語の綴りにおいて,「X」の文字の後に「N」の文字が続く単語を一般的に想起し難いものであり,また,そのことにより,その構成全体から生ずると認められる「スペックスネオ」の称呼において,「スペックス」の音と「ネオ」の音との間に,称呼上の段落が自然に生ずるといえることから,これに接する取引者,需要者をして,「SPEX」と「NEO」の2語を結合したものと理解させるとみるのが相当である。

そして,本件商標中の「SPEX」の文字が,一般的な辞書等への載録が認められないものであるから,特定の意味合いを有しない一種の造語と認識されるものであるのに対し,同じく,「NEO」の文字は,「新しい」の意味を有する英語として親しまれており,本件商標の指定商品を取り扱う分野にとどまらず,各種商品を取り扱う分野において,新商品又は最新の商品という意味を表すものとして普通に採択,使用されているものである。

そうすると,本件商標は,その構成中の「NEO」の文字部分が,商品の品質を表示する部分であると理解され,商品の出所識別標識としての機能が極めて弱いのに対し,その前半の造語と認められる「SPEX」の文字部分が,需要者に対し,商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるというべきであるから,この部分を要部として抽出し,他人の商標(引用商標)と比較して商標の類否を判断することができるといえる。

したがって,本件商標は,その構成文字全体から生ずる「スペックスネオ」の称呼のほか,「SPEX」の文字部分に相応して「スペックス」の称呼をも生じ,特定の観念を生じないというのが相当である。

(2)引用商標について

引用商標は,前記第2のとおり,「SPEX」の文字を標準文字で表してなり,平成24年8月22日に登録出願,第9類「理化学機械器具」を含む第1類,第5類,第7類,第9類及び第10類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同27年12月11日に設定登録されたものである。

そして,引用商標は,その構成文字に相応して,「スペックス」の称呼を生じ,特定の観念を生じないというのが相当である。

(3)本件商標と引用商標との類否について

本件商標の要部と引用商標とを比較すると,両者は,観念において比較することができないとしても,綴り字を共通とすることから外観において同一であり,また,「スペックス」の称呼を共通にするから,これらを総合勘案すれば,互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。

また,本件商標の指定商品中の「理化学機械器具」は,引用商標の指定商品中の「理化学機械器具」と同一である。

(4)小括

以上によれば,本件商標は引用商標より後の日に出願されたものであって,本件商標と引用商標とは,互いに紛れるおそれのある類似の商標であり,また,本件商標の指定商品中には,引用商標の指定商品である「理化学機械器具」が含まれるものである。

したがって,本件商標の登録は,その指定商品中の「理化学機械器具」について,商標法第8条第1項に違反してされたものである。

2 まとめ

以上のとおり,本件商標は,第9類「理化学機械器具」について,商標法第8条第1項に違反して登録されたものであるから,同法第46条第1項の規定により,その登録を無効とすべきである。

よって,結論のとおり審決する。

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