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Trademark Appeal Case

不使用取消の使用事実

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2016−300038(T2016−300038/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。
審判費用は,請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5532429号商標(以下「本件商標」という。)は,「SIMS」の欧文字を書してなり,平成24年5月24日に登録出願,第18類「かばん類,袋物,かばん金具,がま口口金,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」を指定商品として,同年11月2日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。

そして,本件審判の請求の登録日は,平成28年2月4日である。

第2 請求人の主張

請求人は,本件商標の登録を取り消す,審判費用は,被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由として,本件商標は,その指定商品について継続して3年以上日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって使用された事実が存在しないから,商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである旨述べ,証拠方法として,甲第1号証を提出した。

なお,請求人は,被請求人の答弁に対し,何ら弁駁していない。

第3 被請求人の主張

被請求人は,結論同旨の審決を求めると答弁し,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第11号証を提出した。

1 本件商標の使用事実を示す証拠

(1)乙第1号証は,本件商標権者が「パスポートケース」の製作に当たり,平成27年9月上旬頃に,取引先の山形県西村山郡西川町海味に所在の株式会社ニシタニ(以下「ニシタニ社」という。)の担当者と打ち合わせを行って共同で作成した「パスポートケース」の仕様書であり,本件商標を表示したラベルの取り付け位置等が示されている。

乙第2号証は,乙第1号証の仕様書に基づいて中国で製作された「パスポートケース」の完成品を示す写真であり,本件商標を表示したラベルが「パスポートケース」の指定箇所に取り付けられている。

なお,乙第2号証は,本件審判の請求書副本が特許庁から送達された日以後に本件商標権者の担当者によって作成されたものである。

(2)乙第3号証は,ニシタニ社が2015年(平成27年)12月11日に,本件商標権者に宛てて発行した納品書であり,品名「PASSPORT CASE SIMS」を169個,本件商標権者に納品したことが証明される。

乙第4号証は,乙第3号証に係る納品書と同日付けの請求明細書である。

(3)乙第5号証は,本件商標権者が平成27年12月16日に,取引先である東京都千代田区神田小川町に所在の有限会社JUICE(以下「ジュース社」という。)に宛てて発行した納品書であり,「SIMS PASSPORT CASE」を10個,本件商標権者がジュース社に譲渡ないし引き渡したことが証明される。

乙第6号証は,乙第5号証に係る納品書と同日付けの請求書である。

(4)乙第7号証は,本件商標権者が平成28年1月5日に,取引先である千葉県船橋市本町に所在する有限会社スノーマン(以下「スノーマン社」という。)に宛てて発行した納品書であり,「SIMS PASSPORT CASE」を8個,本件商標権者がスノーマン社に譲渡ないし引き渡したことが証明される。

乙第8号証は,乙第7号証に係る納品書と同日付けの請求書である。

(5)乙第9号証は,ニシタニ社の代表取締役の陳述書であり,これにより本件商標を表示したパスポートケースが遅くとも平成27年12月13日には本件商標権者に納品されたことが明らかである。

また,当該パスポートケースに本件商標が用いられていたこと並びに当該パスポートケースが乙第2号証に示されているとおりのものであることが証明される。

(6)乙第10号証は,本件商標権者の取引先であるジュース社の代表取締役の陳述書であり,これにより本件商標を表示したパスポートケースが遅くとも平成27年12月18日には取引先に引き渡しないし譲渡されていたことが明らかである。

また,当該パスポートケースに本件商標が用いられていたこと並びに当該パスポートケースが乙第2号証に示されているとおりのものであることが明らかである。

(7)乙第11号証は,本件商標権者の取引先であるスノーマン社の代表取締役の陳述書であり,これにより本件商標を表示したパスポートケースが遅くとも平成28年1月7日には取引先のスノーマン社に引き渡しないし譲渡されていたことが明らかである。

また,当該パスポートケースに本件商標が用いられていたことが証明される。

2 結論

上記のとおり,本件商標を使用したパスポートケースは,平成27年12月18日には本件商標権者から取引先に宛てて譲渡ないし引き渡されている。

これは,商標法第2条第3項第2号所定の商品に標章を付したものを譲渡し,引き渡し等する使用行為に該当するのが明らかである。

したがって,本件商標は,その指定商品について,審判請求の予告登録前3年以内に日本国内において使用されていたものであるから,商標法第50条第1項の規定により取り消される理由はない。

第4 当審の判断

1 被請求人の主張及び提出した証拠によれば,以下のとおりである。

(1)乙第7号証は,本件商標権者からスノーマン社に宛てた平成28年1月5日付けの納品書であり,品名の欄に「SIMS PASSPORT CASE」,数量の欄に「8」の記載がある。

乙第8号証は,乙第7号証と同日付けの同一内容の請求書である。

(2)乙第9号証は,平成28年3月18日付けのニシタニ社の代表取締役から本件商標権者に宛てた陳述書であり,2015年12月11日付けで納品した「PASSPORT CASE SIMS」に関し,「1 当社が,貴社ご担当者との打合せに基づき,2015年9月上旬頃,添付の別紙1に示すパスポートケース(PASSPORT CASE SIMS)の仕様書を貴社と共同で作成したこと。」,「2 当社が,貴社からの依頼により,前記仕様書に基づき中国においてパスポートケース(PASSPORT CASE SIMS)を製造し,これを2015年10月25日頃に日本国内に輸入したこと。」,「3 当社が,添付の別紙2及び別紙3に示す2015年12月11日付けの納品書と請求書を添付して,同日付けで貴社宛てに,当該パスポートケース(PASSPORT CASE SIMS)を運送業者の佐川グローバルロジスティクス株式会社を介して送ったこと。」及び「4 当該パスポートケースは添付の別紙4に示す写真に表されているとおりのものであること。」の記載がある。

そして,乙第9号証に添付の別紙1は,「客人 TRIANGLE」の記載があって,パスポートケースのサイズや「SIMS」の表示のあるラベルの取り付け位置が示されているから,パスポートケースの仕様書といえる。

また,同別紙2は,ニシタニ社から本件商標権者に宛てた2015年12月11日付けの納品書であり,品名の欄に「PASSPORT CASE SIMS」,数量の欄に「169」と記載され,別紙3は,別紙2と同日付けの同一内容の請求明細書である。さらに,別紙4は,「SIMS」と表示されたラベルが付されたパスポートケースの写真(3葉)である。

2 上記1によれば,次のように認めることができる。

本件商標権者は,ニシタニ社に「SIMS」の表示のあるパスポートケースの製造を依頼し(乙9,別紙1),2015年12月11日付けで169個の納品を受けたものである(乙9,別紙2ないし4)。

そして,本件商標権者は,本件審判の請求の登録前3年以内である平成28年1月5日に,本件商標と社会通念上同一と認められる「SIMS」の文字を表示した,取消請求に係る指定商品に含まれる「パスポートケース」を8個,スノーマン社に譲渡したものである(乙7)。

本件商標権者による上記行為は,本件審判の請求に係る指定商品に含まれる「パスポートケース」についての商標法第2条第3項第2号にいう「商品に標章を付したものを譲渡し,引き渡す行為」に該当するものと認められる。

3 まとめ

以上のとおり,被請求人は,本件審判の請求の登録前3年以内に,日本国内において,本件商標権者が,その請求に係る指定商品中,「パスポートケース」について,本件商標と社会通念上同一の商標を使用したことを証明したと認められる。

したがって,本件商標の登録は,商標法第50条の規定により,取り消すことはできない。

よって,結論のとおり審決する。

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