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Trademark Appeal Case

飲むと素材名の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2016−1778(T2016−1778/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「飲む黒生姜」の文字を標準文字で表してなり、第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成27年3月31日に登録出願され、その指定商品については、原審における同年9月25日付け手続補正書により、第5類「黒生姜を配合してなる薬剤(農薬に当たるものを除く。),黒生姜を配合してなる医薬用化学剤,黒生姜を配合してなる医療用食品添加剤,黒生姜を配合してなる医療用栄養添加剤,黒生姜を配合してなる栄養補給剤,黒生姜を配合してなる栄養補給用ドリンク剤,黒生姜を配合してなる栄養補強剤,黒生姜を配合してなる化学的製剤,黒生姜を配合してなる滋養強壮変質剤,黒生姜を配合してなる食餌療法用の食品調製剤,黒生姜を配合してなる食品強化剤,黒生姜を配合してなる動物用薬剤,黒生姜を配合してなるアミノ酸剤,黒生姜を配合してなるカルシウム剤,黒生姜を配合してなるビタミン剤,黒生姜を配合してなる乳幼児用粉乳,黒生姜を配合してなるサプリメント,黒生姜・黒生姜エキス又は黒生姜発酵エキスを主原料とするサプリメント,黒生姜・黒生姜エキス又は黒生姜発酵エキスを主原料とする粉末状・粒状・顆粒状・液状・ペースト状・クリーム状・タブレット状・カプセル状・カプレット状・ソフトカプセル状・錠剤状・棒状・板状・ブロック状・丸薬状・固形状・ゲル状・ゼリー状・グミ状・ウエハース状・ビスケット状・飴状・チュアブル状・シロップ状・スティック状の加工食品,黒生姜を配合してなる栄養補助食品,黒生姜を配合してなる食餌療法用飲料,黒生姜を配合してなる食餌療法用食品,黒生姜を配合してなる乳幼児用飲料,黒生姜を配合してなる乳幼児用食品,黒生姜を配合してなる栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。)」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『飲む黒生姜』の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、指定商品を含む食品を取り扱う業界において、『飲むヒアルロン酸』、『飲むコラーゲン』等のごとく、『飲む○○(原材料名)』と称して、飲むことで食物を摂取できること謳った商品が販売され、また、『飲む黒生姜』と謳った商品が販売されている実情もみられる。そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、『飲むことで黒生姜(の成分)を摂取できる商品』等の意味合いを認識させるにとどまり、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における証拠調べ通知

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項に基づき、請求人に対し、平成28年10月3日付けで証拠調べ通知によってこれを開示し、期限を指定して、意見を求めた。

4 証拠調べ通知に対する請求人の意見(要旨)

別掲1の「黒生姜」に係る各種ウェブサイトについて、意見はない。

「飲む」の語の有する意味から、固形物については「食べる」の語を、そうでない液体などについては「飲む」の語を使用するのが両語の一般的な用法といえる。

別掲2(1)及び(6)は、固形物を「カプセルタイプ」にしたために「飲む」ことができると表しており、「飲む」の語と「食べる」ものの組み合わせという通常では考えにくい状態を、補足説明を付加することによって「噛まずに、食道の方に送り込むことができる商品」と需要者に認識・理解させており、それ単独で商品の品質を直接的・具体的に認識・理解させているとはいえない。別掲2(2)ないし(5)は、それ単独では「飲む」の語の一般的な用法に沿っていないが、補足説明によって「飲む」ことを意図したものと示唆しており、商品の具体的・直接的な品質を認識・理解できるようになっている。

「飲む○○」の語単独であって、「飲む」ことを示唆する補足説明を伴わない本願商標は、それ単独で使用した場合、「飲む」の語の一般的な用法から逸れた表し方であるといえ、本願商標に接した需要者・取引者は一種の違和感を覚えるとともに、別掲2の各種ウェブサイトにおける「飲む○○」に接した場合とは異なる印象を受ける。

以上のとおり、本願商標はそれ単独でその指定商品の品質を直接的・具体的に表示するものではなく、商品のイメージを何となく伝える程度の間接表示にすぎないため、自他商品識別力を有し、商標法第3条第1項第3号に該当しない。

5 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は、前記1のとおり、「飲む黒生姜」の文字を標準文字で表してなるものである。

そして、本願商標の構成中、「飲む」の文字は、「口に入れて噛まずに食道の方に送りこむ」(株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)の意味を有する語であるところ、本願の指定商品には、通常噛まずに飲む商品である、経口剤、ドリンク剤、サプリメント、液状・ペースト状・クリーム状・タブレット状・カプセル状・錠剤状・丸薬状・シロップ状等の加工食品等を含んでいることからすれば、本願の指定商品との関係において、「(噛まずに)飲む」商品であることを表すものと理解させるものである。

また、その構成中、「黒生姜」の文字は、別掲1のとおり、「黒しょうが(ショウガ)」、「黒ウコン」、「クラチャイダム」とも称されることがあり、アントシアニンやアルギニンなどの成分を含有する、タイなどで栽培されるショウガ科の植物であり、「黒生姜」が滋養強壮等の効果を有するため、サプリメント等の栄養補助食品や栄養補給飲料(以下「いわゆる健康食品」という。)の原材料として使用されている事実が認められるから、その指定商品との関係において、商品の原材料を表すものと理解させるものである。

さらに、いわゆる健康食品を取り扱う業界においては、別掲2のとおり、「飲む生姜」、「飲む野菜」、「飲むにがうり」のように、「飲む○○」(「○○」の文字は原材料の名称)の文字が、「飲むことで原材料(の成分)を摂取できる商品」であることを表すものとして使用されている事実が認められる。

そうすると、「飲む黒生姜」の文字からなる本願商標は、黒生姜を配合又は主原料とする本願の指定商品に使用された場合には、これに接する取引者、需要者において、この商品が「(噛まずに)飲むことで黒生姜(の成分)を摂取できる商品」であると理解、認識するにとどまるといえるから、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標とみるのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)請求人の主張について

請求人は、審判請求書及び前記4の意見において、「黒生姜」は固形物であるため噛まずに食道の方に送り込むことができないから、「黒生姜」を食道の方に送り込む動作を表す語は「食べる」であること、また、本願商標は、「飲む○○」の語単独であって、「飲む」ことを示唆する補足説明を伴わないことから、本願商標は、それ単独でその指定商品の品質を直接的・具体的に表示するものではなく、商品のイメージを何となく伝える程度の間接表示にすぎず、自他商品識別力を有する旨主張している。

しかしながら、本願商標が「飲む」の文字と「黒生姜」の文字を結合したものであるから、上記(1)のとおり、本願商標の構成中の「飲む」の文字は、その指定商品との関係において、「(噛まずに)飲む」商品であることを表すものと理解させるものであり、いわゆる健康食品を取り扱う業界における「飲む○○」の語の使用及び黒生姜が原材料として使用されている実情からすれば、「飲む黒生姜」の文字は、「(噛まずに)飲むことで黒生姜(の成分)を摂取できる商品」であるものと認識させるにとどまるというべきである。

したがって、請求人の主張は、採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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