Trademark Appeal Case
周知商標との類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2016−900247(T2016−900247/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第5850299号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,平成27年8月7日に登録出願され,第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,キャミソール,ティーシャツ,和服,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ナイトキャップ,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,仮装用衣服,運動用特殊衣服(「水上スポーツ用特殊衣服」を除く。),水上スポーツ用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」及び「ウインドサーフィン用シューズ」を除く。),乗馬靴,ウインドサーフィン用シューズ」,第35類「織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,おむつの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,建具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,畳類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,手動利器・手動工具及び金具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,台所用品・清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,印刷物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,キャンドルの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第45類「衣服の貸与,装身具の貸与」を指定商品及び指定役務として,同28年3月30日に登録査定,同年5月13日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第1025363号商標は,「RENT THE RUNWAY」の欧文字を横書きしてなり,2009年8月6日に「United States of America」においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して,2009年12月31日に国際商標登録出願,第35類「Retail services for clothing via online.」及び第45類「Rental of clothing via online.」を指定役務として,平成22年12月17日に設定登録されたものである。
また,申立人が引用する標章は,「Rent the Runway」の欧文字からなる商標及び「レント・ザ・ランウェイ」の片仮名からなる商標である。
以下,上記の「RENT THE RUNWAY」商標と「Rent the Runway」商標及び「レント・ザ・ランウェイ」商標をまとめて,「引用商標」という。
第3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第10号,同項第11号,同項第15号又は同項第19号に該当するものであるから,同第43条の2第1号によって商標登録が取り消されるべきものである旨申し立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第13号証を提出した。
1 申立人の業務内容及びその周知性
(1)申立人は,2009年に米国ニューヨーク州に設立された企業であり,引用商標を使用して,ドレス及びアクセサリーをレンタルするオンラインサービスを世界に先駆けて提供したことで著名である(甲3〜10)。
申立人が提供するレンタルドレスサービスは,これまでにない画期的なものであったため,設立してすぐに,TIME誌の「2010年度ベストウェブサイト」に選ばれた(甲3)。
さらに,申立人は,2011年には,ファスト・カンパニー誌の「ファッション分野における2011年度最も革新的な企業トップ10」において,第3位に選出された(甲4)。
その後も,申立人は,ニューヨーク州人的資源管理協会によって,ニューヨーク州で働く2014年最優秀企業(中小企業部門)の一つに選ばれている(甲5)。
また,甲第6号証には,申立人がアクセサリー関係として,「ハンドバッグ,サングラス,スカーフ,上着,帽子,ジュエリー」を提供していたこと,2014年時点において「500万人近くの会員」がいたこと,「レンタルしたアイテムを購入するオプションを顧客に提供して,小売業を行っていたこと」が明らかとされている。
(2)申立人のレンタルドレスサービスは,世界中で注目され,日本においても,複数の記事で紹介されている。
甲第7号証は,2014年10月30日の「Forbes JAPAN」のオンライン記事であるが,「レンタルドレス界の『アマゾン』全米席巻の秘訣」との見出しで,申立人の「レント・ザ・ランウェイ」がレンタルドレスサービスにおいて「アマゾン」と同等の著名性であることを示唆している。同号証には,「レント・ザ・ランウェイが保有するのは,6万5,000着を越えるドレスと,2万5,000個を越えるブレスレットなどのアクセサリーだ。」及び「同社は『アンリミテッド』という,1カ月75ドルで顧客がサングラスなどの服飾品を3点まで無期限で借りられる会員登録サービスも始めた」と記載し,ドレス及びブレスレット,サングラスなどのアクセサリーをレンタルしていることを明らかにしている。
甲第8号証は,2014年12月23日の日経ウーマンオンラインの記事であるが,「ドレスもバッグも・・・・特別な日のファッションは『借りる』が米国の新トレンド」との見出しで,レンタルドレスサービスが米国の新トレンドであるとし,そのサービス提供会社の最初に「Rent the Runway」を紹介している。
甲第9号証は,2015年3月18日のTHE BRIDGE誌のオンライン記事であるが,「21歳で予算数百万ドルで社内起業し,評価額4億ドル超の「Rent the Runway」を立ち上げた女性の話」との見出しで,申立人の「Rent the Runway」が評価額4億ドル超の資産価値を有することを記載している。また,同号証には,今では500万人を越えるユーザーがいることも開示されている。
甲第10号証は,2015年11月9日のDiFa誌のオンライン記事であるが,同号証には,「日本では,2015年11月10日現在,まだRENT THE RUNWAYのサービスは展開されていませんが,ドレスの送り先と返却元がアメリカであれば日本からでもオーダー可能。送り先にはホテルを指定することもできるので,日本で事前にドレスを選び,滞在先に送っておけば,スーツケースに押し込んだドレスのシワをきにすることも無く,むしろ手ぶらで(!)スペシャルなイベントに参加することができるんです!」という記載があり,日本国内でのサービスは提供されていないが,送り先と返却先元がアメリカであれば日本からでもオーダー可能であり,日本で事前にドレスを選びサービスを受けることができることが明らかとされている。
甲第11号証は,2015年12月14日のSTYLER MAG誌のオンライン記事であるが,ファッションレンタルサービスに関して,「Clothing Subscription発祥の地である米国の代表的サービス『Rent the Runway』をご紹介します」,「Rent the Runwayは,2009年にハーバードビジネススクールの女性2人が米国で立ち上げたハイファッションレンタルサービス。Clothing Subscriptionの先駆け的存在として,このサイトから瞬く間に世界中にファッションレンタルサービスが広まって行きました。」,「Clothing Subscriptionの先駆者『Rent the Runway』,いかがだったでしょうか?」と記載し,申立人の「Rent the Runway」がファッションレンタルサービスの先駆けであることが明らかとされている。
以上から,申立人の引用商標を使用したレンタルドレスサービス及び小売業は,ファッション業界において新たな市場を築き上げた革新的なものであり,引用商標は,本件商標の出願前において,ファッションに関心を持つ需要者の間でレンタルドレスサービスのパイオニアとして周知著名なものである。日本では,日本国内を送り先としたサービス自体は提供されていないが,すでに引用商標に係る権利として日本での商標権を確保しており,甲第10号証のように,送り先と返却元がアメリカであれば日本からでもオーダー可能であり,オンラインシステムが既に構築されていることから,日本国内でもサービス提供が予定されていること,可能であることが把握できるものである。
なお,申立人の業務は,日本以外の世界各地においても紹介されており,世界的に周知なものであった。
2 商標の類似
本件商標は「HAUTE rent to runway」と「オート レントトゥランウェイ」とを2段表記したものであり,引用商標と対比すると,「rent(レント)」と「runway(ランウェイ)」が共通している。
「RENT THE RUNWAY」という引用商標は,特別な機会にしか身に着けない高価なドレスを表すものとして「RUNWAY」という文字を選択し,サービス内容を示す「RENT」と組み合わせて,レンタルドレスサービスを端的にかつ的確に表現したものである。
引用商標は「RENT」と「RUNWAY」の間に「THE」が存在するが,「THE」は単なる定冠詞であり,引用商標に接した需要者は,「RENT」と「RUNWAY」との組合せが強く記憶に残るのである。
本件商標の最初の「HAUTE」という文字は,フランス語で「高級」を意味するものであり,日本においても「オートクチュール」(高級衣装店)等として使用されており,単に品質が高級であることを意味するものである。特に,ファッション業界においては,フランス語は多用されており,「HAUTE」という文字の識別力は相対的に小さなものである。また,本件商標は「rent」と「runway」との間に「to」が存在するが,「to」は前置詞であり識別力に与える影響は非常に小さい。
結局,本件商標においても,「rent(レント)」と「runway(ランウェイ)」という組合せが需要者に特徴的に看取されるものであり,本件商標は,この点において引用商標と共通しており,引用商標と類似する。実際,インターネットの検索サイト「Goole」において,「RENT THE RUNWAY」と検索したところ,1番目には申立人のホームページが抽出されており,本件商標と引用商標との間に混同が生じる状況である(甲12)。
3 商品又は役務の同一又は類似
本件商標の指定商品及び指定役務は,前記第1に記載のとおりである。
引用商標の指定役務は,「オンライン経由での被服の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び「オンライン経由での被服の貸与」であり,また,申立人の業務に係る商品若しくは役務は,ドレス及びアクセサリーのレンタル及び小売業であり,申立人が築き上げた実績及び信頼からすれば,ファッション・ブランド関係の指定商品及び指定役務に関して類似するものといえる。
本件商標の指定商品及び指定役務は,服飾関係を含め,ファッション・ブランド関係のものを含むものであり,引用商標の指定役務及び申立人の業務に係る商品若しくは役務と同一又は類似のものである。
また,商標権者は,「HAUTE rent to runway」というホームページを開設しており(甲13),「特別な日に着る,お洋服とアクセサリー。HAUTE rent to runwayは,そんな物だけを集めたクローゼットです。デイリーに着れるお洋服をご購入いただけたり憧れのランウェイのドレスをレンタルして頂くことも可能です。」(甲13)と記載し,洋服及びアクセサリーの販売及びレンタルを業とし,Locationとして表参道に実店舗も展開している。このように,商標権者が提供するサービスは,申立人のレンタルドレスサービスを模倣したものである。
上記のとおり,引用商標は,本件商標の出願前において,ファッションに関心を持つ需要者の間でレンタルドレスサービスのパイオニアとして周知著名なものであったところ,かかるレンタルドレスサービスについて,「rent(レント)」と「runway(ランウェイ)」との組み合わせを含む本件商標を使用した場合,需要者にとって,当該サービスのパイオニアである申立人のサービスに関連しているものと誤解する蓋然性が高く,出所の混同が生じるおそれのあるものである。
さらに,商標権者による取引の実状を鑑みれば,本件商標は,引用商標に化体した信用を不正に利用する目的をもって「rent(レント)」と「runway(ランウェイ)」との組み合わせを構成要素としたものと推測される。また,本件商標の使用は,いずれの指定商品又は指定役務に使用するものであれ,引用商標の出所表示機能を希釈するものであり,引用商標に化体した信用を毀損するものである。
4 結び
以上のとおり,本件商標は,引用商標と類似するものであり,その指定商品及び指定役務も,引用商標が使用される商品又は役務と同一又は類似するものであるから,その登録は,商標法第4条第1項第11号に違反してなされたものである。
そして,本件商標は,申立人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして周知の引用商標と類似するものであり,引用商標が使用される商品又は役務と同一又は類似するものであるから,その登録は,商標法第4条第1項第10号に違反してなされたものである。
また,本件商標がその指定商品及び指定役務に使用された場合,申立人の業務に係る商品若しくは役務と出所を混同するおそれがあるから,その登録は,商標法第4条第1項第15号に違反してなされたものである。
さらに,本件商標は,申立人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして周知の引用商標と類似するものであって,不正の目的をもって使用をするものであるから,その登録は,商標法第4条第1項第19号に違反してなされたものである。
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は,別掲のとおり,上段に「HAUTE rent to runway」の欧文字及び下段に「オート レントトゥランウェイ」の片仮名を二段に横書きしてなるところ,下段の「オート レントトゥランウェイ」の片仮名は,上段の欧文字の読みを特定したものと看取,把握されるものというべきである。
してみれば,本件商標は,その構成文字に相応して「オートレントトゥランウェイ」の称呼を生じるものである。
また,上段の「HAUTE rent to runway」の文字部分のそれぞれの単語の意味は,「HAUTE」の文字は,「高級な」等の意味を有するフランス語であり,「rent」,「to」及び「runway」のそれぞれの文字は,「賃貸する」,「へ,に」及び「走路,滑走路,舞台から客席へ細長くつき出ている部分」等の意味を有する英語であり,これらの語はフランス語と英語からなっているため,これらの文字を合わせた全体構成からは,具体的な意味合いを認識させるものとはいい難いことから,本件商標は,特定の意味合いを生じない一種の造語というべきである。
そして,本件商標の片仮名部分は,同書,同大で一連に表されており,上段の欧文字の読みを特定しているものであり,欧文字部分も,その構成全体から一体のものと看取されるものであって,その他,本件商標の構成にあって,ことさら,「rent(レント)」及び「runway(ランウェイ)」の文字を抽出すべき特段の事情は見当たらない。
してみると,本件商標は,その構成文字に相応して,「オートレントトゥランウェイ」の称呼のみを生じるというべきであり,また,特定の観念は生じないものといわなければならない。
(2)引用商標について
引用商標は,「RENT THE RUNWAY」,「Rent the Runway」及び「レント・ザ・ランウェイ」の文字を横書きしてなるところ,それぞれ,同書,同大で一連に表示された構成態様からすれば,該文字より「レントザランウェイ」の称呼が生じるものである。
また,引用商標を構成する各単語は,それぞれ,「賃貸する」,「その,あの」及び「走路,滑走路,舞台から客席へ細長くつき出ている部分」等の意味を有する英語であり,これらの文字を合わせた全体の構成文字から,具体的な意味合いを認識させるものとはいい難いものであり,引用商標は,特定の意味合いを生じない一種の造語というべきであるから,引用商標からは,特定の観念は生じないものである。
(3)本件商標と引用商標の類否について
ア 外観について
本件商標及び引用商標は,その構成がそれぞれ上記(1)及び(2)のとおりであり,「HAUTE」の欧文字及び「オート レントトゥランウェイ」の片仮名の有無により,外観上,判然と区別できるものである。また,本件商標の構成中の欧文字部分と引用商標との比較においても,「HAUTE」の欧文字及び「to」の欧文字と「THE(the)」の欧文字との相違により,判然と区別できるものである。
イ 称呼について
本件商標からは,上記(1)のとおり,「オートレントトゥランウェイ」の称呼が生じるのに対し,引用商標からは,上記(2)のとおり,「レントザランウェイ」の称呼が生じるものである。
そこで,本件商標から生じる「オートレントトゥランウェイ」の称呼と,引用商標から生じる「レントザランウェイ」の称呼とを比較すると,両称呼は,構成音数,語頭における「オート」の有無及び中間における「トゥ」と「ザ」の顕著な差異を有し,語感,語調が相違するから,称呼上,十分聴別できるものである。
ウ 観念について
上記(1)及び(2)のとおり,本件商標と引用商標からは,いずれも特定の観念は生じないものであるから,本件商標と引用商標とは,観念において比較することはできないものである。
エ 小括
以上のとおり,本件商標と引用商標は,観念においては比較できないとしても,外観において判然と区別でき,称呼においても十分に聴別できるものであるから,両商標は,類似する商標ということはできないものである。
したがって,本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第10号該当性について
(1)引用商標の周知性について
申立人は,引用商標は,本件商標の出願前において,ファッションに関心を持つ需要者の間でレンタルドレスサービスのパイオニアとして周知著名なものであった旨主張しているので,以下,検討する。
ア 申立人の提出に係る証拠及び主張によれば,以下のことが認められる。
(ア)申立人は,2009年に米国ニューヨーク州に設立された企業であり,引用商標を使用してドレス及びアクセサリーをレンタルするオンラインサービスを提供したこと(甲3ないし甲11)。同サービスは,日本国内を送り先としたサービス自体は提供されていないが,送り先と返却元がアメリカであれば日本からでもオーダー可能であること(甲10)。
(イ)申立人は,TIME誌の「2010年度ベストウェブサイト50」に選ばれたこと(甲3),また,ファスト・カンパニー誌の「ファッション分野における2011年度最も革新的な企業トップ10」に選出されたこと(甲4),ニューヨーク州人的資源管理協会によって,ニューヨーク州で働く2014年最優秀企業(中小企業部門)に選ばれたこと(甲5)。
(ウ)申立人がアクセサリー関係として,「ハンドバッグ,サングラス,スカーフ,上着,帽子,ジュエリー」を提供していたこと,2014年時点において「500万人近くの会員」がいたこと(甲6ないし甲9)。
(エ)しかし,上記のうち,甲第3号証ないし甲第6号証は,日本語によるものではないことから,それらに示されている内容が我が国の需要者間で周知されていると認めることはできず,その記載内容を裏付ける証拠の提出もないものである。また,その他の甲各号証によっても,引用商標が,我が国において,どの程度の期間,どの地域で,どのような内容で使用されたのか等を把握することができないばかりか,その宣伝広告の程度や宣伝広告費なども把握することができないものである。
イ そして,当審が職権をもって調査したところ,本件商標の登録査定時以前の,主な全国紙(朝日新聞,毎日新聞,読売新聞,日本経済新聞等)において「レント・ザ・ランウエイ」の語に関する記事は,僅か1件(2014年10月3日付け日経産業新聞)のみであり,その他に情報を把握することはできず,また,インターネット検索によっても,引用商標が我が国において周知性を獲得していると認められるような取引の実情を見いだすことはできなかった。
ウ してみると,我が国において,引用商標が,申立人の業務に係るレンタルドレスサービス等の商品又は役務について使用され,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,我が国の取引者,需要者の間で広く認識されて周知になっていたということはできない。
エ したがって,引用商標は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして我が国の取引者,需要者の間で広く知られている商標と認めることはできないものである。
(2)本件商標と引用商標の類否について
本件商標と引用商標は,上記1のとおり,非類似の商標である。
(3)小活
上記(1)及び(2)のとおり,引用商標は,申立人の業務に係るレンタルドレスサービス等の商品又は役務を表示するものとして我が国の取引者,需要者の間に広く認識されているとはいえず,かつ,本件商標と引用商標は,類似する商標とはいえない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第15号該当性について
上記2(1)及び(2)のとおり,引用商標は,申立人の業務に係るレンタルドレスサービス等の商品又は役務を表示するものとして我が国の取引者,需要者の間に広く認識されているとはいえず,かつ,本件商標と引用商標とは,類似するものとはいえないから,本件商標をその指定商品又は役務に使用しても,これに接する取引者,需要者が,該商品又は役務が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品又は役務であるかのように連想,想起することはなく,その出所について混同を生じるおそれはないというべきである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
4 商標法第4条第1項第19号該当性について
上記2(1)及び(2)のとおり,引用商標は,申立人の業務に係るレンタルドレスサービス等の商品又は役務を表示するものとして,外国における需要者の間に広く認識されているか否かはさておき,我が国の取引者,需要者の間に広く認識されているとはいえず,かつ,本件商標と引用商標とは,類似するものとはいえず,さらに申立人提出の全証拠からは,不正の目的をもって使用をするものとの事実も発見できなかった。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当しない。
5 まとめ
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第10号,同項第11号,同項第15号及び同項第19号のいずれにも違反して登録されたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
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