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Trademark Appeal Case

地名「白山」の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2016−8719(T2016−8719/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,「白山」の文字を標準文字で表してなり,第29類「肉製品」を指定商品として,平成27年5月12日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定においては,本願商標は「白山」の文字を標準文字で表してなるところ,該文字より「石川県白山市」を理解させるものであり,これをその指定商品に使用するときは,需要者,取引者をして「石川県白山市産の肉製品」であろうと認識,理解させるというのが相当であり,単に商品の産地,販売地又は品質を普通に用いられる方法で表示してなるにすぎないから,商標法第3条第1項第3号に該当する旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

3 当審における審尋

当審において,別掲1ないし15に係る証拠を示して,本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当する旨審尋し,請求人に対し回答を求めた。

4 審尋に対する請求人の回答

請求人は,上記3の審尋に対して,所定の期間内に何ら応答するところがない。

5 当審の判断

(1)本願商標の商標法第3条第1項第3号の該当性

本願商標は,「白山」の文字を標準文字で表してなるものであるところ,「白山」の語は,別掲1から3に掲げる国語辞典や地名辞典の記載を参照すれば,それらに共通して掲載されている「石川・岐阜両県にまたがる火山で,富士山,立山と共に日本三名山の一つであり,白山国立公園の中心」又は「南部に白山国立公園の一部を抱える,石川県南東部にある白山市」を示すことが一般的であるといえる。

そして,白山市及び日本三名山の一つの白山に隣接する周辺地域は,まとめて「白山エリア」とも称され,日本三名山の一つである白山を目当てに,その周辺に豊富に広がる自然を利用した登山,釣り,散策,虫遊びなど様々な活動を楽しむことのできる観光地又は観光拠点として知られている(別掲4〜7)。

加えて,インターネット記事情報(別掲8〜15)によれば,日本三名山の一つである白山の周辺地域において,その地域の豊富な自然環境の中で育つ猪や熊,鹿を捕獲し,その肉を野生鳥獣(ジビエ)として食肉加工,販売している実情や,白山市において,猪や豚肉などを調理した味噌焼きや煮豚,ベーコンなどの加工食品が製造,販売され,白山市の特産品としても売り出されている実情が認められる。

上記の実情,つまり,「白山」の文字は,白山市及び日本三名山の一つの白山に隣接する周辺地域を想起させ,その地域で捕獲,加工又は販売される肉製品が実際に流通しており,当該地域の特産品ともなっているような実情を踏まえると,本願商標をその指定商品「肉製品」に使用しても,これに接する取引者,需要者は,その商品が白山市及び日本三名山の一つの白山に隣接する周辺地域において生産又は販売されていると理解するにとどまるものであるから,本願商標は,商品の産地又は販売地を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものいうべきである。

(2)請求人の主張

請求人は,本願商標「白山」からは「白い山,すなわち一年中雪に覆われた白い山」,「日本の北陸地方,白山国立公園内の石川県白山市と岐阜県大野郡白川村にまたがる,標高2,702mの山」,「石川県白山市」等様々な意味合いが想起され,地名としても,例えば「東京都文京区白山」,「神奈川県横浜市緑区白山」,「茨城県取手市白山」等のように,「白山」が付く地名は全国各地に多数存在することから,原査定で言及する「石川県白山市」のみを認識させない旨主張するが,上記(1)で記載したとおり,一般的に「白山」の文字は,白山市及び日本三名山の一つの白山に隣接する周辺地域を想起させ,また,その地域が指定商品との関係において,産地,販売地を表示するような実情が認められることよりすれば,その主張を採用することはできない。

また,請求人は,過去の登録例を挙げ,本願商標も登録されるべき旨主張しているが,商標が識別力を有するか否かの判断は,査定時又は審決時において,取引の実情を勘案し,その指定商品の需要者の認識を基準として,商標ごとに個別具体的に判断すべきであるところ,請求人が挙げた登録例は,いずれも本願商標とはその構成や指定商品等を異にし,かつ,本件の審決時における我が国における取引の実情は上記(1)のとおりであるから,その主張は採用できない。

(3)まとめ

以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,登録することができない。

よって,結論のとおり審決する。

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