sokuhyo

Trademark Appeal Case

「宅配トランク」の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2016−12534(T2016−12534/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「宅配トランク」の文字を横書きしてなり、第20類「通信手段を備えた宅配ボックス,その他の宅配ボックス,通信手段を備えた宅配自動管理ロッカー,その他の宅配自動管理ロッカー,錠(電気式又は金属製のものを除く。)」及び第39類「荷物の保管,家具の保管,物品の保管,鉄道による輸送,車両による輸送,航空機による輸送,船舶による輸送,配達物の一時預かり,倉庫の提供,荷物の宅配並びにこれに関する媒介又は取次ぎ」を指定商品及び指定役務として、平成27年2月20日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『宅配トランク』の文字を普通に用いられる態様により表してなるところ、その構成中、『宅配』の文字部分は、『自宅配達の略。商品や新聞・雑誌・荷物などを家まで配達すること。』を表す語であり、『トランク』の文字部分は、『乗用車の後尾にある荷物入れ。』を表す語であることから、本願商標全体として『商品や新聞・雑誌・荷物などを家まで配達する際に用いられる荷物入れ』程の意味合いが容易に認識されるものである。そして、商品や新聞・雑誌・荷物などの配達に用いられる原動機付自転車等の車両の後尾にある荷物入れを『宅配トランク』と称している例が見受けられることを考慮すると、本願商標を、本願の指定役務中、第39類「車両による輸送」及び「荷物の宅配」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、該役務がそれぞれ『車両による輸送に用いられる荷物入れ』及び『荷物の宅配に用いられる荷物入れ』であると認識、理解するにとどまり、単に、役務の提供の用に供する物を、普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認められる。したがって、この本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における審尋(要旨)

当審において、請求人に対し、平成28年10月12日付けで通知した審尋により、別掲の実情を示し、本願商標は、本願の指定商品に使用したときは、これに接する取引者、需要者は、該商品が、「宅配されたものを収納しておくための収納庫」であることを認識するにすぎず、また、本願の指定役務中、「荷物の保管,家具の保管,物品の保管,配達物の一時預かり,倉庫の提供,荷物の宅配並びにこれに関する媒介又は取次ぎ」に使用したときは、該役務が、「宅配便を利用して荷物を集荷し、保管、収納する役務」であることを認識するにすぎず、自他商品役務の識別標識としての機能を果たし得ないものであるから、本願商標は、その商品の品質及び役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるとして、請求人に対し、意見を求めた。

4 審尋に対する請求人の意見(要旨)

審尋において、提示された使用例から理解できることは、「宅配便を利用して荷物を集荷し、保管、収納する役務」に関する記述的表示は、「宅配トランクルーム」、「宅配トランクルームサービス」又は「宅配型トランクルーム」が現実の取引においては一般的であるということであり、「宅配トランク」の語が自他商品・役務の識別標識として機能する語であることを明らかにするものである。

そして、本願商標は、請求人の創出に係る造語として理解、把握することが自然であることは、「宅配トランクルーム」、「宅配トランクルームサービス」又は「宅配型トランクルーム」の語が記述的表示に該当するものであり、さらに、「宅配トランク」の語に関する使用例が実質的に存在しない事実からも明らかである。

したがって、本願商標は、これを本願指定商品及び指定役務に使用したとしても、自他商品、役務の識別標識としての機能を十二分に発揮するものである。

5 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は、「宅配トランク」の文字を横書きしてなるところ、その構成中の「宅配」の文字は、「商品や新聞・雑誌・荷物などを家まで配達すること。」の意味を有する語であり、「宅配便」の略称としても使用されている語である。

また、「トランク」の文字は、「家具・美術品などを保管しておく収納庫。」の意味を有する語であり、「トランクルーム」の略称(いずれも、株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)としても使用されている語であって、両語は、共にごく親しまれている語といえるから、全体として、「宅配便用の収納庫」程の意味合いを容易に理解させるものである。

そして、「不在時に宅配されたものを収納しておくための収納庫」や、「宅配便を利用して荷物を集荷し、保管、収納する役務」が、それぞれ、「宅配トランク」、「宅配型トランクルーム」等と称され、「宅配」及び「トランク」の文字と共に使用又は説明されている実情があることは、別掲に示すとおりである。

そうとすれば、「宅配トランク」の文字は、「不在時に宅配されたものを収納しておくための収納庫」や、「宅配便を利用して荷物を集荷し、保管、収納する役務」を認識させるものというのが相当である。

してみれば、本願商標を、その指定商品中、「宅配ボックス,宅配自動管理ロッカー」に使用したときは、これに接する取引者、需要者は、該商品が、「不在時に宅配されたものを収納しておくための収納庫」であることを認識するにすぎず、また、本願の指定役務中、「荷物の保管,家具の保管,物品の保管,配達物の一時預かり,倉庫の提供,荷物の宅配並びにこれに関する媒介又は取次ぎ」に使用したときは、該役務が、「宅配便を利用して荷物を集荷し、保管、収納する役務」であることを認識するにすぎないから、本願商標は、自他商品役務の識別標識としての機能を果たし得ないものであって、その商品の品質及び役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と判断するのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。

(2)請求人の主張について

請求人は、「『宅配トランク』の語は、構成上一体不可分の商標であることから、一種の造語として認識、把握するのが自然といわなければならない。そして、当審において通知した審尋で引用した使用例は、いずれも本願商標を構成する『宅配トランク』の語に関する使用例ではなく、この事実がまさに、本願商標は請求人の創出に係る造語であるという事実を裏付けているものである。」旨、主張する。

しかしながら、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それゆえに登録を受けることができないとしたものであって、その表示態様が商品の品質等を表すものとして必ず使用されているものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきであり、過去の判決例(東京高等裁判所平成12年(行ケ)第76号 同年9月4日判決、東京高等裁判所平成13年(行ケ)第208号 同年12月26日判決参照)においても、同号の適用が指定商品の品質等を表すものとして、普通に使用されているものであることを要件とはしていないものである。

そして、「宅配」及び「トランク」の文字が、一般的にごく親しまれている語であることからすると、請求人の創作した造語として、認識されるとはいい難いものであって、また、「宅配」及び「トランク」の文字が、本願の指定商品及び指定役務との関係において、それぞれ「宅配便」及び「トランクルーム」を意味する語として、普通に使用されていることが、別掲に示す事実よりうかがえるものであるから、これらを組合せた本願商標からは、「不在時に宅配されたものを収納しておくための収納庫」及び「宅配便を利用して荷物を集荷し、保管、収納する役務」の意味合いを理解、認識されることは、上記(1)で認定、判断したとおりである。

してみれば、「宅配トランク」の文字からなる本願商標は、これを造語として認識するというよりは、「宅配」、「トランク」のそれぞれの意味合い及び別掲に示す商品又は役務の存在、並びに、それらの商品又は役務の内容を説明する際の「宅配」及び「トランク」の語の使用例からすれば、上記のとおり容易に「不在時に宅配されたものを収納しておくための収納庫」及び「宅配便を利用して荷物を集荷し、保管、収納する役務」の意味合いを認識するものとみるのが相当であり、「宅配トランク」の文字は、本願の指定商品中、「宅配ボックス,宅配自動管理ロッカー」及び指定役務中、「荷物の保管,家具の保管,物品の保管,配達物の一時預かり,倉庫の提供,荷物の宅配並びにこれに関する媒介又は取次ぎ」の特徴、質等を表すにとどまるものといわなければならない。

また、請求人は、本願商標は造語として認識されるとする主張のみで、なんら証拠の提出がない。

よって、請求人の上記主張は、採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。