Trademark Appeal Case
地名と著名性の結合商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2000−90395(T2000−90395/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4347680号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成10年11月2日に登録出願され、「狗留孫山 重兵衛茶屋」の文字を横書きしてなり、第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成11年12月24日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、「宗教法人狗留孫山修禅寺」(以下、「申立人」という。)を表示する著名な標章「狗留孫山」と類似する商標であるから、商標法第4条第1項第6号に該当する。
また、本件商標は、その構成中に「狗留孫山」の文字が分離した態様で認識され、「狗留孫山」は、申立人を表すものとして、少なくとも山口県、九州北部では著名であるから、本件商標をその指定役務に使用する場合、申立人、あるいは同人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるとの誤認を生じるおそれがあるので、同法第4条第1項第15号に該当する。
さらに、本件商標は、著名な「狗留孫山」の名前を利用して利益をあげようとの不正の目的により出願されたことは明らかであるから、同法第4条第1項第19号に該当する。
したがって、本件商標の登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
申立人の提出に係る証拠によれば、実際の取引において申立人が「狗留孫山」と略称されている事実は認められるとしても、同時に「狗留孫山」が地理的名称として山口県豊浦郡に位置する山(標高616m)の名を表すものであることも、申立人の提出に係る甲第1号証によって認められるところ、本件商標の構成は上記のとおり「狗留孫山 重兵衛茶屋」よりなるものであって、本件商標は、地理的名称としての山の名「狗留孫山」と茶屋の名称と認められる「重兵衛茶屋」とを結合したものとみるのが相当である。
そして、申立人の提出に係る証拠を検討したが、「狗留孫山」が本件商標の登録出願時、その地理的名称の意を離れて、申立人を表すものとして取引者・需要者の間に広く認識されていたものとするに充分な証拠とは認められず、本件商標は、それを指定役務に使用する場合、その構成中に「狗留孫山」の文字を含むものであるとしても、直ちに申立人を連想又は想起するとは認められないから、その役務が申立人又は申立人と関係のある者の業務に係るものであるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれのないものであり、かつ、本件商標は、不正の目的をもって使用をするものとはいえない。
また、上記のとおり「狗留孫山」が宗教法人である申立人を表すものとして取引者・需要者の間に広く認識されているものとは認められず、「狗留孫山」自体が、国若しくは地方公共団体若しくはこれらの機関、公益に関する団体であって営利を目的としないもの又は公益に関する事業であって営利を目的としないものを表示する標章であって著名なものに該当するというべきではないから、本件商標はこれと同一又は類似の商標ということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第6号、同第15号及び同第19号の規定に違反して登録されたものではない。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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