Trademark Appeal Case
著名人名の承継と他人性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2000−90401(T2000−90401/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4348413号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成10年3月16日に登録出願され、「藤蔭静枝」の文字を縦書きしてなり、第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成11年12月24日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、日本舞踊における登録異議申立人(以下、「申立人という。」)の流派「藤蔭流」の創始者として著名な「藤蔭静枝」(以下、「引用標章」という。)と同一であって、申立人の役務と同一又は類似の役務を含むものであり、かつ、本件商標がその指定役務に使用された場合、あたかも申立人及び申立人の会「藤蔭流藤蔭会」の役務であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当する。
また、商標権者が本件商標の登録出願を行うのは、信義則又は社会の一般道徳観念に反し、かつ、不正の目的をもって使用するものであるから、同法第4条第1項第7号及び同第19号に該当する。
したがって、本件商標の登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
申立人の提出に係る証拠を検討したが、引用標章が本件商標の登録出願時には申立人及び申立人の会「藤蔭流藤蔭会」の業務に係る役務の標章として取引者・需要者の間に広く認識されていたものとするに充分なものとはいえない。
ところで、申立人の提出に係る証拠によれば、本件商標の商標権者である岩井瑠美子こと藤蔭静枝は、二世藤蔭静枝(本名野沢美代子)より継承・襲名し、その二世藤蔭静枝は、初代藤蔭静枝(本名内田ヤイ)より継承・襲名したものと推認されるから、商標権者は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号にいういわゆる他人には該当しないとみるのが相当である。
そうとすれば、本件商標は、これをその指定役務に使用しても、申立人及び申立人の会「藤蔭流藤蔭会」の業務に係る役務との間に出所の混同を生じさせるおそれはないものといわざるを得ない。
また、本件商標は、上記に示すとおりの構成よりなるところ、その構成自体が矯激、卑猥、差別的な印象を与えるような文字又は図形からなるものでなく、また、本件商標を指定役務について使用することが社会公共の利益・一般道徳観念に反するものとすべき事実は認められず、他の法律によってその使用が禁止されているものとも認められない。そして、上記で認定したとおり、商標権者は本件商標に少なからず関係を有する者といい得るから、本件商標は、これを商標権者がその指定役務に使用しても、不正の目的をもって使用をするものとはいえない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第15号及び同第19号の規定に違反して登録されたものでない。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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