Trademark Appeal Case
共通語尾の商標類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2016−900338(T2016−900338/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5866579号商標(以下「本件商標」という。)は,「CRYSTALDUST」の文字を標準文字で表してなり,2015年11月13日にリヒテンシュタイン公国にした商標登録出願に基づきパリ条約第4条の規定による優先権を主張して,平成28年4月21日に登録出願,第14類「貴金属,宝飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,キーホルダー,宝石箱,身飾品,時計」を指定商品として,同年6月29日に登録査定,同年7月15日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由として引用する商標は,以下の登録商標(以下,これらを総称する場合は「引用商標」という。)であって,いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)国際登録第837164号商標(以下「引用商標1」という。)は,「GOLDUST」の文字を横書きしてなり,2004年10月15日にスイス連邦においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張し,2004年(平成16年)11月3日に国際商標登録出願,第14類「Jewellery articles, watch cases, buckles of precious metal, bracelets (jewellery), watchstraps, dials (clock and watchmaking), watch chains, chronographs (watches), chronometers, chronometric instruments, watches, wristwatches, all the aforesaid goods not gold plated or lined, nor made of gilded metal or imitation gold.」を指定商品として,平成17年8月19日に設定登録されたものである。
(2)国際登録第1190273号商標(以下「引用商標2」という。)は,「SUNDUST」の文字を横書きしてなり,2013年6月11日にスイス連邦においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張し,2013年(平成25年)11月1日に国際商標登録出願,第14類「Timepieces, namely watches, wristwatches, components of timepieces and accessories for timepieces not included in other classes, clocks and other chronometric instruments, chronometers, chronographs (timepieces), apparatus for timing sports events, time measuring and marking apparatus and instruments not included in other classes; dials (for timepieces), hands (for timepieces), boxes for timepieces; cases and presentation cases for timepieces and jewelry.」を指定商品として,平成27年1月16日に設定登録されたものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標について,商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
(1)商品の抵触について
本件商標は,その指定商品中,第14類「宝飾品,身飾品,時計」が引用商標1の指定商品と同一又は類似であり,また,第14類「宝石箱,時計」が引用商標2の指定商品と同一又は類似である。
(2)商標の類似について
ア 本件商標と引用商標の外観の類似
本件商標は,「CRYSTALDUST」の欧文字を標準文字で表してなる。
引用商標1は,標準的な書体の欧文字で「GOLDUST」と書し,引用商標2は,標準的な書体の欧文字で「SUNDUST」と書してなる。
本件商標と引用商標は,同一文字種からなり,後方で「DUST」の4文字が共通するから,一見すると紛らわしい外観上類似の商標である。
イ 本件商標と引用商標の称呼の類似
本件商標は,平易な英単語である「CRYSTAL」と「DUST」を字間を空けずに結合したものと容易に認識できるところ,それぞれの単語に相応した発音から,全体として「クリスタルダスト」の称呼を生じる。
引用商標1は,広く一般に親しまれている単語である「GOLF」や「MONGOL」に含まれる3文字「GOL」と,平易な英単語である「DUST」を,字間を空けずに表記してなるので,それぞれの単語に相応する発音から全体として「ゴルダスト」の称呼を生じる。
引用商標2は,平易な英単語である「SUN」と「DUST」を字間を空けずに表記してなるので,それぞれの単語に相応する発音から全体として「サンダスト」の称呼を生じる。
そうすると,本件商標と引用商標は,称呼全体の中でも特に記憶や印象に残りやすい後方における「ダスト」の3音が一致しているために全体として近似した印象があり,時と場所を異にした場合には,混同を生ずるおそれのある相紛らわしい称呼上類似の商標である。
ウ まとめ
以上のとおり,本件商標と引用商標は,その外観及び称呼において類似の商標であるから,両商標は相紛らわしい類似の商標とするのが相当である。
3 当審の判断
(1)本件商標について
本件商標は,前記1のとおり,「CRYSTALDUST」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中「CRYSTAL」の語は「水晶」の意味を,「DUST」の語は「ちり」の意味を有する英語であるが,両語を結合した「CRYSTALDUST」の文字は,成語として親しまれている語ではなく,また,同一の書体,同一の文字の大きさで結合してなることから,全体として特定の意味合いを有しない一種の造語であると認識されるというのが相当であり,その構成文字に相応して「クリスタルダスト」の称呼が生じる。
(2)引用商標について
引用商標1は,「GOLDUST」の文字を表してなるところ,同一の書体,同一の文字の大きさ,同間隔でまとまりよく一体的に表されているものであり,親しまれた成語とも認められないことから,特定の意味合いを生じない一種の造語であると理解され,その構成文字に相応して「ゴルダスト」の称呼が生じる。
また,引用商標2は,「SUNDUST」の文字を表してなるところ,その構成中「SUN」の語は「太陽」の意味を,「DUST」の語は「ちり」の意味を有する英語であるが,両語を結合した「SUNDUST」の文字は,成語として親しまれている語ではなく,また,両語は間隔なく,同一の書体,同一の文字の大きさで結合してなることから,全体として特定の意味合いを有しない一種の造語であると認識されるというのが相当であり,その構成文字に相応して「サンダスト」の称呼が生じる。
(3)本件商標と引用商標の類否について
前記を踏まえて本件商標と引用商標を比較すると,本件商標と引用商標とは,それぞれの構成後半において「DUST」の文字を共通にするが,構成前半における「CRYSTAL」と「GOL」及び「SUN」の各文字及び全体の構成文字数の相違により,外観においては明瞭に区別し得る。
次に,それぞれの称呼を比較すると,本件商標の「クリスタルダスト」の称呼と引用商標の「ゴルダスト」又は「サンダスト」の称呼とは,語尾3音における「ダスト」の音を共通にするとしても,語頭の「クリスタル」と「ゴル」及び「サン」の音が相違し,その文字全体の構成音や構成音数が明らかに相違するため,本件商標と引用商標とは,称呼において聞き誤るおそれはない。さらに,両商標は,いずれも造語であり,特定の観念を生じるものではないから,観念において比較することはできない。
したがって,本件商標と引用商標は,外観及び称呼において明らかに相違し,観念においては比較できないものであるところ,これらを総合的に考察すると,互いに相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(4)まとめ
以上のとおり,本件商標は,引用商標とは同一又は類似する商標ではなく,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。