Trademark Appeal Case
文字の変形と商標の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2016−17041(T2016−17041/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第29類、第30類及び第43類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成27年10月16日に登録出願されたものであり、指定商品及び指定役務については、当審における同28年11月15日付け手続補正書により、第30類「茶,コーヒー,ココア,菓子,パン,調味料,香辛料,コーヒー豆」と補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5273388号商標(以下「引用商標」という。)は、「蜂の家」の文字を標準文字で表してなり、平成21年3月9日に登録出願、第30類「菓子及びパン」及び第35類「菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定商品及び指定役務として、同年10月16日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)商標の類否について
ア 本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、上段に「蜂の家」の文字(「蜂」の文字の虫偏の「、」部分が省かれている。)を図案化して表し、その下段に「はちのや」の平仮名を書してなるところ、その下段に表された平仮名は、上段の文字の読みを特定したものと無理なく理解させるものであるから、その構成文字に応じて「ハチノヤ」の称呼を生じるものであり、また、上段の文字のうち、「家」の文字は、「家屋。居住用の建物。」等(株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)の意味を有することから、全体として「蜂の住む建物」程の意味合いを理解させるものとみるのが相当である。
イ 引用商標について
引用商標は、前記2のとおり、「蜂の家」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「家」の文字は、訓読みで「イエ」、「ウチ」、「ヤ」と一般に読まれるもの(株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)であって、「○○の家」(○○は任意の文字。以下同じ。)と表記される飲食店などが「○○のや」と呼ばれている実情もあることは原審においても認定しているところであり、例を挙げれば、別掲2のとおりである。よって、引用商標は、これより「ハチノイエ」、「ハチノウチ」とともに、「ハチノヤ」の称呼をも生じるというのが自然であり、また、前記アと同様に、全体として「蜂の住む建物」程の意味合いを理解させるものとみるのが相当である。
ウ 両商標の類否について
本願商標と引用商標について比較すると、両商標は、外観については、上記ア及びイのとおりの構成からなり、その全体の外観は相違するものの、本願商標の上段の文字部分と引用商標は、図案化の点での差異はあるとしても、「蜂の家」という同一の文字で構成されているものといえるものである。
また、両商標は、「ハチノヤ」の称呼及び「蜂の住む建物」の観念において同一である。
そうすると、本願商標と引用商標の外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、全体の外観において相違するとしても、「蜂の家」という同一の文字で構成され、称呼及び観念を同一にする両者は、相紛らわしい類似する商標というべきである。
(2)商品及び役務の類否について
本願商標の指定商品と引用商標の指定商品及び指定役務は、前記1及び2のとおりであるところ、本願商標の指定商品中「菓子,パン」は、引用商標の指定商品に含まれている。
また、本願商標の指定商品中「菓子,パン」と引用商標の指定役務とは、商品の販売場所と役務の提供の場所、需要者の範囲等が一致するものであるから、互いに類似する商品と役務であると認められる。
そうすると、本願商標の指定商品中「菓子,パン」と引用商標の指定商品及び指定役務とは、互いに同一又は類似する商品及び役務というのが相当である。
(3)商標法第4条第1項第11号該当性について
前記(1)及び(2)のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品及び指定役務とは同一又は類似するものといえるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(4)請求人の主張について
請求人は、本願商標の上段部分が、「蜂」の文字の虫偏の部分から棒を一つ削除した記号と「の家」からなる文字を連結したものであるとして、第30類の商品との関係では、「虫」という文字が見て取れるか否かは、需要者が感じるイメージにおいて大いに影響を与えるから、その「蜂」の文字の虫偏の部分から棒を一つ削除した記号は、引用商標の構成中の「蜂」の文字とは、需要者が混同を起こすことはない旨主張している。
しかしながら、本願商標の上段は、「蜂」の文字とともに、「の」の文字及び「家」の文字にもそれぞれ図案化が施され、まとまりよく表されているものであり、これに接する取引者、需要者が「蜂」の文字の「虫」偏の部分に着目し、取引に資するというよりは、その上段の文字部分全体をもって一体不可分のものと認識し、把握するとみるのが自然であり、ことさら「蜂」の文字の「虫」偏の部分を抽出し、引用商標と比較して類否を判断するべき特段の事情も見いだせない。
また、請求人は、引用商標は、「蜂の家」の文字を標準文字で表したものであり、「○○の家」とは、一般に「○○ノイエ」又は「○○ノウチ」と称呼されるものであるから、「ハチノイエ」又は「ハチノウチ」の称呼のみが生じると主張している。
しかしながら、引用商標は、「ハチノイエ」、「ハチノウチ」の称呼とともに、前記(1)イのとおり、「家」の文字の一般的な読み及び「○○の家」と表記される飲食店などが「○○のや」と呼ばれている実情からすれば、「ハチノヤ」の称呼も自然に生じるというべきである。
したがって、請求人の主張はいずれも採用することができない。
(5)以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。