Trademark Appeal Case
「発育」の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2016−1244(T2016−1244/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「発育」の文字を標準文字で表してなり、第31類「ペットフード,食餌療法用の動物飼料,その他の飼料」を指定商品として、平成26年5月23日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『発育』の文字を標準文字で表してなるところ、近年、飼料に関連する分野においてペットの発育や健康に配慮した商品が製造・販売されている実情がある。そして、『発育をサポートする飼料』が製造・販売されていることをうかがい知ることができる。そうすると、これをその指定商品『ペットフード,食餌療法用の動物飼料,その他の飼料』に使用しても、これに接する需要者等は、該商品が『発育用のペットフード,発育に配慮した飼料』のように『発育用の商品,発育に配慮した商品』であると認識するにとどまり、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎず、自他商品の識別標識としては認識しないとみるのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審における審尋
当審において、請求人に対し、平成28年7月14日付けで、別掲の実情を示した上で、要旨以下のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものである旨の審尋をし、期間を指定して、これに対する回答を求めた。
本願商標は、「発育」の文字を標準文字で表してなるところ、ペットフードや飼料の分野においては、ペットや家畜の成長段階に応じて必要な栄養を配合した商品が多数取引されており、「発育」の文字は、たとえば「健康的な発育のために」、「発育速度の速い大型犬の幼犬の健康な発育に配慮」、「離乳子豚の発育のために」のように、それらの商品がペットや家畜等の発育のための商品であることを表すために使用されているものといえる。
そうすると、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者において、「ペットや家畜等の発育のために必要な栄養を配合した商品」であることを表したものと理解するにとどまるものといえるから、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであり、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
なお、この審尋と原審における拒絶査定の理由とは、いずれも本願商標が自他商品の識別標識としての機能を有しないとするものであるから、両者の内容は実質的に相違するものではない。
4 審尋に対する請求人の回答の要点
請求人は、前記3の審尋に対して、要旨以下のとおり、意見を述べている。
審尋に挙げられたサイトでは、「発育」の文字が単独で使用されているのではなく、「健康な発育のために」、「健康な骨格と歯の発育」、「体内機能の健康な発育」のように、他の語と結合されて使用されている。「発育」の文字が単独で使用されている例がない以上、本願商標に識別力がないということを立証したことにはならないから、本願商標は、出所識別力のある商標である。
また、審判請求書で述べたように、「発育」の英語「GROWTH DEVELOPMENT」は、既に第31類「ペットフード」について登録になっている。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「発育」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、「育って大きくなること。成育。」(株式会社三省堂「大辞林第三版」)」の意味を有する語である。
そして、本願の指定商品であるペットフードや飼料の分野においては、ペットや家畜の成長段階に応じて必要な栄養を配合した商品が多数取引されており、これらの商品の特徴や効果等の説明に、たとえば「健康的な発育のために」、「発育速度の速い大型犬の幼犬の健康な発育に配慮」、「離乳子豚の発育のために」のように、「発育」の文字が一般的に使用されている実情がある。
そうすると、「発育」の文字からなる本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、ペットや家畜等の発育のために必要な栄養を配合した商品であるという、商品の特徴や効果を説明するための語であると理解、認識するにすぎないものであるから、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであり、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、前記4の回答において、審尋に挙げられたサイトには、「発育」の文字が単独で使用されている例がなく、本願商標に識別力がないということを立証したことにはならないから、本願商標は、出所識別力のある商標である旨の主張をしている。
しかしながら、「発育」の文字が単独で使用されている事実がないとしても、「発育」の語の意味、及び、ペットや家畜の成長段階に応じて必要な栄養を配合した商品が多数取引され、これらの商品の特徴や効果等の説明に「発育」の文字が一般的に使用されている実情を考慮すれば、これに接する取引者、需要者において、「発育」の文字からなる本願商標は、商品の特徴や効果を説明するための語であると理解、認識されるにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものである。
また、請求人は、本願商標の登録適格性を主張するために、英語の登録例を挙げているが、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、その指定商品又は役務との関係において、個別具体的に判断されるものであって、他の登録例の存在によって、上記判断が左右されるものではない。
したがって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。