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Trademark Appeal Case

要部抽出と称呼の類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2016−19077(T2016−19077/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「和菓 紫をん」の文字を標準文字で表してなり、第16類、第30類及び第43類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成27年11月16日に登録出願され、その後、指定商品及び指定役務については、当審における同28年12月20日付け手続補正書により、第30類「和菓子」と補正されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第5393260号(以下「引用商標1」という。)は、「しおん」の文字と「紫苑」の文字とを上下二段に横書きしてなり、平成22年8月30日に登録出願、第35類に属する別掲に記載のとおりの役務を指定役務として、同23年2月25日に設定登録されたものである。

(2)登録第5724182号(以下「引用商標2」という。)は、「Sion」の欧文字を標準文字で表してなり、平成25年10月29日に登録出願、第43類「飲食物の提供」を指定役務として、同26年12月5日に設定登録されたものである。

3 当審の判断

(1)本願商標と引用商標2について

本願の指定商品及び指定役務は、前記1のとおり補正された結果、引用商標2の指定役務と同一又は類似の役務がすべて削除されたものである。

したがって、本願商標と引用商標2とは、その指定役務において互いに抵触しないものとなったから、本願商標が引用商標2との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当するとした拒絶の理由は、解消した。

(2)本願商標と引用商標1について

ア 本願商標について

本願商標は、「和菓 紫をん」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「和菓」の文字部分は、本願の指定商品である「和菓子」との関係において、該商品である「和菓子」程の意味合いを理解させる語であり、自他商品の識別標識として機能し得ないか、又は極めて弱いものといえる。

そして、「紫をん」の文字は、辞書等に載録のないものであって、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として認識されるものである。

そうすると、本願商標において、自他商品の識別標識として機能するのは、「紫をん」の文字部分にあるというのが相当である。

してみれば、本願商標は、その構成文字全体から生じる「ワカシオン」の称呼のほかに、要部として認識される「紫をん」の文字部分に相応して、「シオン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

イ 引用商標1について

引用商標1は、「しおん」の文字と「紫苑」の文字とを上下二段に書してなるところ、その構成中の「紫苑」の文字は、「キク科の多年草」(株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)等の意味を有する語であり、また、上段に書された「しおん」の文字部分は、下段の「紫苑」の文字部分の読みを特定しているものと理解されるものである。

してみれば、引用商標1は、「シオン」の称呼を生じ、「キク科の多年草」の観念を生じるものである。

ウ 本願商標と引用商標1との類否について

本願商標と引用商標1の類否について検討するに、本願商標と引用商標1とは、外観においては、上記ア及びイのとおりの構成からなるところ、その全体の文字の構成において、明らかな差異を有するものであるから、両商標は、外観上、明確に区別できるものである。

次に、称呼においては、本願商標から生じる「ワカシオン」の称呼と引用商標1から生じる「シオン」の称呼を比較すると、その音構成及び音数において明らかな差異を有するものであって、明確に聴別されるものである。

また、本願商標から生じる「シオン」の称呼と引用商標1から生じる「シオン」の称呼とは、称呼上、同一である。

そして、観念においては、本願商標は、特定の観念を有しない造語であり、引用商標1からは「キク科の多年草」の観念を生じることから、両商標は、観念上、類似しないものである。

してみれば、本願商標と引用商標1とは、「シオン」の称呼において共通する場合があるとしても、外観において明らかな差異を有し、観念において類似しないものであるから、これらを総合して観察すれば、本願商標をその指定商品に使用しても、両商標は、商品及び役務の出所について誤認混同を生じるおそれのない、互いに非類似の商標というのが相当である。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。

その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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