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Trademark Appeal Case

要部抽出と称呼の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2017−2016(T2017−2016/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は,登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,別掲のとおりの構成よりなり,第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として,平成27年7月27日に登録出願されたものである。

その後,原審における平成28年3月22日受付の手続補正書により,その指定商品は,第5類「酵素を主原料とする粉末状・顆粒状・粒状・錠剤状・液状・カプセル状・ゼリー状・飴状又は練り状の加工食品,酵素を含んでなる栄養補助食品,酵素を含んでなる食餌療法用飲料,酵素を含んでなる食餌療法用食品,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。),ばんそうこう」と補正された。

2 原査定の拒絶の理由

原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして,本願の拒絶の理由に引用した登録第5807228号商標(以下「引用商標」という。)は,「新日本酵素」の文字を標準文字で表したものであり,平成27年5月21日登録出願,第5類「酵素を主原料としたサプリメント」を指定商品として,同年11月20日に設定登録されたものである。

3 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は,別掲のとおり,上部に,黒塗りの正方形に重なるように「KENKO」(「O」には長音を示す横線が上部に配されている。)及び「FOODS」の文字を上下二段に表してなり,その下部に,十字で区切った正方形の枠内に「日本」及び「酵素」の文字を上下二段に表してなる。

本願商標の構成中,上部と下部は,それぞれ異なる正方形上にまとまり良く文字を表し,かつ,文字種,書体,文字の大きさを異にするから,両者は,間隔を空けていることもあいまって,視覚上分離して認識されるものである。そして,上部の「KENKO」及び「FOODS」の文字部分,並びに下部の「日本」及び「酵素」の文字部分は,それぞれ全体として特定の観念を想起させるものでもないため,相互に観念上のつながりを持たず,それぞれ分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではない。さらに,下部の文字部分は,十字で区切った正方形の枠内にまとまりよく「日本酵素」の漢字4文字が配置され,本願商標の構成の中でも特に大きく太字で目立つように表されており,需要者,取引者に対し,一見して強い印象を与えるものであるため,独立して商品の出所識別標識として機能し得るものと認められる。そうすると,本願商標は,その構成中の下部を要部として抽出し,これと引用商標とを比較して商標そのものの類否を判断することも許されるものといえる。

したがって,本願商標は,その下部の構成文字に相応して,「ニホンコウソ」又は「ニッポンコウソ」の称呼をも生じ,特定の観念を生じるものではない。

(2)引用商標について

引用商標は,「新日本酵素」の文字を表してなるところ,漢字5文字を,同書体,同大で,間隔なく連結してなるため,全体としてまとまりのよい構成よりなるものである。その構成中,語頭の「新」の文字部分は,「あたらしいこと」を意味する語であり(「広辞苑 第六版」岩波書店),語頭に配することで新しい製品であることを表示するために用いられることがあり得るとしても,「新」,「日本」及び「酵素」の各語を順に組み合わせたものと容易に理解できる引用商標の文字構成において,その指定商品との関係から見て,各語は単独では識別力を欠くものであって,殊更,「日本酵素」の文字部分が取引者,需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与え,かつ,「新」の文字部分のみが出所識別標識としての称呼,観念が生じないとみるべき理由はないから,引用商標のかかる構成においては,需要者,取引者をして,商標全体としてまとまりよく一連一体の商標を表してなるものと認識されるというのが相当である。そうすると,引用商標は,その構成文字に相応して「シンニホンコウソ」又は「シンニッポンコウソ」の称呼を生じ,特定の観念を生じるものではない。

(3)本願商標と引用商標の比較

本願商標の要部と引用商標とを比較すると,本願商標の要部から生じる「ニホンコウソ」又は「ニッポンコウソ」の称呼は,引用商標から生じる「シンニホンコウソ」又は「シンニッポンコウソ」の称呼とは,音数や音構成の差異から明らかに聞き分けることができるものである。観念については,それぞれ特定の意味合いを有する語ではないため,比較することはできない。外観については,それぞれの「日本酵素」という一部構成文字を共通にするものの,全体の文字の構成や配置の相違から全体としては異なる印象を与えるものである。そのため,本願商標の要部と引用商標とは,非類似の商標である。

また,本願商標のその余の構成部分と引用商標とにおいて,共通ないし類似する点は見いだせない。

したがって,本願商標と引用商標は,称呼,観念及び外観のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標である。

(4)まとめ

以上のとおり,本願商標は,引用商標に類似する商標ではないから,商標法第4条第1項第11号に該当しない。

その他,本願について拒絶の理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。

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