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Trademark Appeal Case

称呼・観念の同一性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2015−900384(T2015−900384/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5791782号商標の指定商品中、第9類「電気磁気測定器,導通テスター」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5791782号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成27年4月16日に登録出願、第9類「電気磁気測定器,導通テスター,磁石を用いた高所作業用の落下予防救命用具,電気通信機械器具,電子計算機用プログラム,電子タグ」を指定商品として、同年8月6日登録査定、同年9月11日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由として引用する国際登録第828000号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、2003年10月27日にItalyにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、2004年(平成16年)4月7日に国際商標登録出願、第9類「indicators (understood with reference to electricity),indicators of leakage of electricity」を含む、第9類、第38類、第41類及び第42類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成17年8月19日に設定登録され、その後、2014年(平成26年)4月7日に商標権の存続期間の更新登録がされたものであり、現に有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同項第10号及び同項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号によって取り消されるべきものである旨申し立て、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。

1 具体的理由

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は別掲1のとおり、幾何学図形と「TEXA」の欧文字とを組み合わせてなるが、本件商標からはその文字部分より「テクサ」の称呼が生じる。

引用商標は、別掲2のとおり正方形の図形および「TEXA」の文字を組み合わせてなり、その文字部分より「テクサ」の称呼が生じる。

また、本件商標、引用商標ともに、文字部分である「TEXA」は、第9類指定商品においては、申立人を想起させる。

さらに、本件商標と引用商標の図形要素は異なるものの「TEXA」の文字要素を共通にすることから、本件商標と引用商標は外観において類似している。したがって、引用商標と本件商標は称呼・観念において同一であり、外観において類似している。

また、引用商標の指定商品のうち、第9類「indicators (understood with reference to electricity)」は訳すと「指示計器(電気と関連して理解されるもの)」であり、つまりは「電気磁気測定器」に該当するものであり、類似群コード「11A04」に分類される。なお、「導電テスター」も同様に類似群コード「11A04」に分類される。

したがって、本件商標の指定商品「indicators (understood with reference to electricity)」と引用商標の指定商品「電気磁気測定器、導通テスター」は互いに類似するものである。

(2)商標法第4条第1項第10号について

申立人は1992年にイタリアで設立された企業であり、自動車、オートバイ、トラック、ボート、農業機械の整備や故障診断に用いられる機器の設計、製造、販売を行っている。「TEXA」は“Tecnologie Elettroniche X l’Automotive”(自動車電子テクノロジー)というイタリア語の頭文字を取って命名された(甲3)。「TEXA」の名は世界に広く知られており、21もの国と地域において、商標登録を有している(甲4)。

日本においては、2004年より、東京都及び千葉県所在の4つのディーラーにより商品が販売されている。

申立人が製造販売している商品は、車載コンピュータの診断装置である(甲5、甲6)。自動車や二輪自動車の電子系統を診断するという用途・目的より、当該商品は診断装置ではあるが、電子応用機械器具としても機能するものである。また申立人は、当該装置専用のコンピュータソフトウエアも製造販売している。

2004年からの日本における売上は、総額で2,393,258ユーロにも上る(甲7)。

さらに、2010年には東京ビッグサイトで行われた「国際オートアフターマーケットEXPO」にも展示され、紹介された(甲8)。

すなわち、日本において「TEXA」は申立人の商品である電子応用機械器具やコンピュータソフトウエアを示すものとして広く知られているといえる。

したがって、本件商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標と類似する商標であって、類似する商品について使用するものである。

(3)商標法第4条第1項第15号について

先述のように「TEXA」は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものである。また、「テクサ」は申立人の会社名の一部であるから、本件商標を商品に使用した場合、あたかも申立人の日本販売代理店であるかのように、その出所について申立人と何らかの関係があるかの如き印象を需要者に与え、出所について混同を生ずるおそれがある。

2 むすび

したがって、本件商標登録は商標法第4条第1項第11号、同項第10号及び同項第15号に違反してなされたものである。

第4 本件商標の取消理由

審判長は、平成28年10月25日付けで商標権者に対し、理由を示して本件商標を取り消すべき旨の通知をした。その理由は、次のとおりである。

1 本件商標について

(1)本願商標は、別掲1のとおり、3つの楕円と小さな円形とを組み合わせた図形(以下「図形部分」という。)の右側に「TEXA」の欧文字を青色で横書きしたもの(以下「文字部分」という。)を配した構成からなる、図形と文字との結合商標である。

そして、構成中の図形部分は、直ちに特定の事物を想起させない図形であるから、これからは特定の称呼及び観念が生じないものである。

一方、構成中の文字部分はその構成文字に相応して「テキサ」及び「テクサ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

(2)本願商標は、上記(1)のとおり、図形部分と文字部分とは視覚上明確に分離されており、構成上からは図形部分と文字部分とが、それを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合されているような事情は見出せない。

また、図形部分からは、特定の称呼及び観念が生じないものである一方、文字部分からは、「テキサ」及び「テクサ」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものであるから、両者は、称呼及び観念的にも密接な関連を見いだせない。

そうすると、本願商標は、その構成中、図形部分と文字部分とがそれぞれ独立して取引者、需要者に対し商品の出所識別標識としての機能を果たし得るものといえる。

したがって、本願商標を構成する「TEXA」の文字部分を要部として抽出し、この部分のみを他人の商標(引用商標)と比較して商標の類否を判断することができるものである。

2 引用商標について

引用商標は、別掲2のとおり黒塗りした四角形内の上部に、「TEXA」の欧文字を白抜きした構成からなるものであるから、該文字に相応し、「テキサ」及び「テクサ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

3 本件商標と引用商標との類否について

本件商標の要部といえる「TEXA」の文字部分と引用商標の構成文字とを比較すると、外観においては、両者は同一の綴りからなることから、外観上、類似しているといえる。

また、称呼及び観念においては、両商標からは、いずれも「テキサ」及び「テクサ」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。

そうすると、本件商標と引用商標とは、観念においては比較することができないとしても、外観が類似し、称呼を共通とするものであるから、これらを総合勘案すれば、本願商標と引用商標とは、互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。

4 本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について

本件商標の指定商品中、「電気磁気測定器」は、本件商標の出願の際に採択されていた「商品及び役務の区分解説[国際分類第10版対応]特許庁商標課編」によれば、「この商品は、電圧計、磁気測定用器等、電気の単位又は磁気の単位を測定するものが該当します。」とされ、特許庁商標課編「類似商品・役務審査基準」(国際分類第10−2015版対応)においては、「電気磁気測定器」には「回路計」「検漏計」「磁気測定器」「電圧計」「電流計」等の商品が含まれるとして例示されている。また、「導通テスター」については、電流が通じていることを測定する計器であることから、該商品は電気の単位を測定するものであって、前記「電気磁気測定器」の範疇に含まれる商品といえる。

次に、引用商標の指定商品中の第9類「indicators (understood with reference to electricity)」は、「指示計器(電気に関するものとして理解される)」と理解されるものであって、該商品の表示は、「電気の単位を測定するもの」も含むものと解される。

そうとすれば、当該「indicators (understood with reference to electricity)」は、本件商標の指定商品中の「電気磁気測定器,導通テスター」を含むものといえる。

また、引用商標の指定商品中の第9類「indicators of leakage of electricity」は、「電気の漏洩用指示計器」と理解されるところから、該商品は、上記のとおり、「電気磁気測定器」の範疇に含まれる商品として例示されている「検漏計」に該当する。

したがって、本件商標の指定商品中、「電気磁気測定器,導通テスター」と、引用商標の指定商品中の第9類「indicators (understood with reference to electricity),indicators of leakage of electricity」とは、同一又は類似の商品といわざるをえない。

5 むすび

以上によれば、本願商標と引用商標とは、互いに類似する商標であり、その指定商品も同一又は類似するものである。

したがって、本件商標の登録は、その指定商品中、第9類「電気磁気測定器,導通テスター」について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものといわなければならない。

第5 商標権者の意見

審判長は、上記第4の取消理由に対して、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者は、何ら意見を述べていない。

第6 当審の判断

1 引用商標の周知性について

申立人は、引用商標は、申立人の商品である電子応用機械器具やコンピュータソフトウエアを示すものとして広く知られている旨主張する。

しかしながら、申立人の提出に係る証拠からは、申立人が1992年に設立されたアメリカの法人であること(甲3)、引用商標が申立人の業務に係る乗用車用の各種診断用の商品等について使用されていること(甲5、甲6)、2010年に、東京ビッグサイトで開催された国際オートアフターマーケットEXPOに申立人の業務に係る全自動フロンガス交換機が展示されたこと(甲8)は認め得るものの、引用商標の周知・著名性の判断に使用できる程度の客観的な証拠は見当たらない。さらに、甲第7号証(申立人の売上)は、外国語により記載されたものであって、その記載内容を裏付ける証拠の提出もなく、売り上げ商品の内訳、我が国における業界のシェア等についての証拠の提出もない。

以上より、申立人の提出に係る証拠によっては、引用商標が、我が国において、本件商標の登録出願時及び査定時に、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。

2 商標法第4条第1項第11号について

本件商標についてした上記第4の取消理由は、妥当なものと認められるものである。

したがって、本件商標は、その指定商品中、第9類「電気磁気測定器,導通テスター」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項により、取り消すべきものである。

3 商標法第4条第1項第10号の該当性について

申立人は、本件商標は申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標と類似する商標であって、類似する商品について使用するものである旨主張するが、引用商標が、我が国において、本件商標の登録出願時及び査定時に、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていると認めることはできないことは上記1のとおりである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものとはいえない。

4 商標法第4条第1項第15号の該当性について

申立人は、本件商標が本件指定商品に使用された場合、その商品の需要者が申立人の業務に係る商品と出所について混同するおそれがある旨主張するが、引用商標が、我が国において、本件商標の登録出願時及び査定時に、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできないことは上記1のとおりであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないというべきである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものとはいえない。

5 むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品中、第9類「電気磁気測定器,導通テスター」について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから商標法第43条の3第2項の規定によって、取り消すべきものとする。

そして、本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については、その登録を取り消す理由がないから、同第43条の3第4項の規定により、その登録は維持すべきものとする。

よって,結論のとおり決定する。

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