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Trademark Appeal Case

アソートパックの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2015−900149(T2015−900149/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第5742943号商標の指定商品中,第3類「全指定商品」についての商標登録を取り消す。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5742943号商標(以下「本件商標」という。)は,「アソートパック」の片仮名を標準文字で表してなり,平成26年10月9日に登録出願,第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,つや出し剤,芳香洗浄剤,その他のせっけん類,歯磨き,化粧品,香料,芳香剤(身体用のものを除く。),消臭芳香剤(身体用のものを除く。),その他の薫料」並びに第1類及び第5類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,平成27年1月14日に登録査定,同年2月20日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由(要旨)

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,本件商標はその指定商品中の第3類「全指定商品」について商標法第3条第1項第3号及び同法第4第1項第16号に該当するものであるから,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第19号証を提出した。

1 本件商標について

本件商標は,片仮名で「アソートパック」と横書きしてなる。

本件商標を構成する「アソート」の語は,「各種詰め合わせ」,「詰め合わせになっていること」等の意味を有する語であり,「パック」の語は,「いくつかのものをひとまとめにすること。また,一つにまとめたもの。」等の意味を有する語であるから,これらの語を結合してなる「アソートパック」の語は,「いくつかの種類のものを詰め合わせてひとまとめにしたもの」を意味する語として理解されるものである。

2 「アソートパック」の語について

「アソートパック」の語は,例えば,食品業界においては,「メロン味チョコが入ったクッキーと,いちご味チョコが入ったクッキーの2つの味を楽しめるアソートパックです。」及び「4種類の味が楽しめるアソートパック!」のように,「いくつかの種類のものを詰め合わせてひとまとめにしたもの」すなわち「いくつかの種類のものを詰め合わせてパックにした商品」を表す語として使用され,認識されている。

さらに,包帯,メイクスポンジ,歯間ブラシ等の商品,そして本件指定商品においても入浴剤等において,「リラックスする『洋風』の4種類の香りとお湯が日替わりで楽しめるアソートパックです。」,「4種類のアソートパック(秋田乳頭の湯,長野五色の湯,青森猿倉の湯,群馬桜山の湯)」及び「ローズセレクト炭酸入浴剤アソートパック」のように,「いくつかの種類のものを詰め合わせてパックにした商品」を表す語として普通に使用されている。

3 商標法第3条第1項第3号及び同法第4第1項第16号該当性

以上によれば,本件商標は,これを本件申立てに係る指定商品に使用するときは,「いくつかの種類のものを詰め合わせてパックにした商品」であることを直感させ,単に商品の品質を表す標章にすぎないから,商標法第3条第1項第3号に該当する。

また,本件商標を「いくつかの種類のものを詰め合わせてパックにした商品」以外の本件申立てに係る指定商品に使用するときは,あたかもその商品が「いくつかの種類のものを詰め合わせてパックにした商品」であるかのように直感させ,その商品の品質について誤認を生ずるおそれがあることは明白であるから,商標法第4条第1項第16号に該当する。

第3 本件商標に対する取消理由

本件商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして,平成28年11月11日付けで通知した取消理由は,別掲のとおりである。

第4 商標権者の意見

商標権者は,上記第3の取消理由(別掲参照)に対して,要旨以下のとおり意見を述べた。

1 「アソートパック」の意味合いについて

本件商標の構成中「アソート」の片仮名は,英単語の「assort」の表音の片仮名表記であると解されるが,英単語の「assort」は,「分類する」,「つり合う」及び「交際する」との意味合いを有する動詞であり,かかる動詞に名詞の「pack」をつなげた「assort pack」との表現は,英語的に意味をなさない誤った表現であるから,本件商標から「同種商品において,いくつかの種類を詰め合わせてひとまとめにした商品」との意味合いを一義的に抽出することは妥当でない。

したがって,本件商標から,かかる意味合いが生じることを前提にした本件取消理由は,その前提において誤りがある。

2 「アソートパック」の使用例について

本件取消理由で挙示された「アソートパック」の使用例は,異議申立てに係る第3類の指定商品に関するものは,「入浴剤,リップクリーム,洗濯用柔軟仕上げ剤,固形せっけん,デンタルペースト,ジェルマスク,トイレ用芳香洗浄剤」のみであり,その他のものは,第3類の指定商品とは無関係な食品及び文房具の分野での使用例にすぎないし,第3類の指定商品に関する使用例にしても,各商品に関し,1つ,2つ程度の使用例を挙げたものにすぎず,一般的に使用されていることを立証する証拠としては不十分なものである。ましてや,「アソートパック」との語が第3類の指定商品全般に関して,一般的に使用されていることを立証する証拠としては明らかに不十分なものである。

したがって,本件取消理由で挙示された使用例は,本件商標の自他商品識別力を否定する根拠にはならない。

3 過去の登録例

過去の登録例をみると,第3類において「アソート」ないし「パック」等の文字を構成中に有する登録商標(乙3,乙4の8・9)があり,また,他の分類(区分)でも「アソート」ないし「ASSORT」の文字からなる登録商標(乙4の1〜7)があるから,これらとの対比で考えても,本件商標は十分に自他商品識別力を有する。

第5 当審の判断

1 本件商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について

本件商標は,上記第1のとおり,「アソートパック」の片仮名を標準文字で表してなるところ,本件商標についてした上記第3の取消理由は,商標権者の意見を踏まえてもなお,妥当なものと認められるから,本件商標の登録は,その指定商品中の第3類「全指定商品」について,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたというべきである。

2 商標権者の意見に対して

(1)「アソートパック」の意味合いについて

商標権者は,上記第4の1のとおり,英単語の「assort」は,「分類する」,「つり合う」及び「交際する」との意味合いを有する動詞であり,かかる動詞に名詞の「pack」をつなげた「assort pack」との表現は,英語的に意味をなさない誤った表現であるから,本件商標から「同種商品において,いくつかの種類を詰め合わせてひとまとめにした商品」との意味合いを一義的に抽出することは妥当でない旨主張する。

しかしながら,本件商標を構成する「アソートパック」の語は,別掲の1のとおり,本件商標の登録査定前から,「同種商品において,いくつかの種類を詰め合わせてひとまとめにした商品」程度の意味合いを表す複合語として,食品を始め,文房具及び本件商標の指定商品である化粧品,せっけん類,歯磨き,洗濯用柔軟仕上げ剤など日常使用する商品を取り扱う業界において広く使用されていたことが認められるところ,本件異議申立てに係る第3類「全指定商品」も,日用品であって,その需要者は広く一般消費者を対象としているのであるから,遅くとも本件商標の登録査定時において,「アソートパック」の語は,その需要者に「同種商品において,いくつかの種類を詰め合わせてひとまとめにした商品」程度の意味合いを表す語として認識されるものであったと認めるのが相当である。

したがって,商標権者の上記主張は,採用することができない。

(2)「アソートパック」の使用例について

商標権者は,上記第4の2のとおり,「アソートパック」の使用例は,第3類の指定商品に関しては,「入浴剤,リップクリーム,洗濯用柔軟仕上げ剤,固形せっけん,デンタルペースト,ジェルマスク,トイレ用芳香洗浄剤」のみであり,しかも,各商品に関し,わずか1,2例程度しかないこと,ましてや,「アソートパック」との語が第3類の指定商品全般に関して,一般的に使用されていることを立証する証拠としては明らかに不十分であるから,本件商標の自他商品識別力を否定する根拠にはならない旨主張する。

しかしながら,商標法第3条第1項第3号は,取引者,需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき,それ故に登録を受けることができないとしたものであって,当該商標が取引上現実に使用されている事実は,同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきであるところ,別掲のとおり,本件商標は,その登録査定時において,本件異議申立てに係る指定商品との関係では,「同種商品において,いくつかの種類を詰め合わせてひとまとめにした商品」程度の意味合いを表示するものとして,取引者,需要者によって一般に認識されるものであり,かつ,取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであったと認められるものであるから,特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに,自他商品の識別力を欠くものというべきである。

したがって,商標権者の上記主張は,採用することができない。

(3)過去の登録例

商標権者は,上記第4の3のとおり,過去の登録例(乙3,乙4の1〜9)を挙げ,これらとの対比で考えても,本件商標は十分に自他商品識別力を有する旨主張する。

しかしながら,商標権者が挙示する過去の商標登録例は,いずれも商標が「アソートパック」に関するものではなく,本件商標とは構成態様を異にするものであるところ,本件商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるかどうかの判断は,その登録査定時において,本件商標の構成態様と指定商品とに基づいて,個別具体的に検討・判断されるべきものであるから,本件商標についての上記各号該当性の判断が,これらの各商標登録例によって左右されるものではない。

したがって,商標権者の上記主張は,採用することができない。

3 まとめ

以上のとおり,本件商標は,その指定商品中の第3類「全指定商品」については,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたというべきであるから,同法第43条の3第2項の規定により,その登録を取り消すべきものである。

よって,結論のとおり決定する。

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