結論テキスト
本願商標は,登録すべきものとする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 不服2016−15915(T2016−15915/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本願商標は,「戦国BASARA 真田幸村伝」の文字を標準文字で表してなり,第9類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として,平成27年7月10日に登録出願され,その後,指定商品については,原審における同28年4月4日付け手続補正書及び当審における同年12月1日付け手続補正書により,最終的に,第9類「真田幸村を主人公とした携帯用液晶画面ゲーム機用プログラムを記憶させた読出し専用のカートリッジ式電子回路・磁気ディスク・光磁気ディスク・光ディスクその他の記憶媒体,真田幸村を主人公としたダウンロード可能な携帯用液晶画面ゲーム機用ゲームプログラム,真田幸村を主人公としたその他の携帯用液晶画面ゲーム機用プログラム,真田幸村を主人公とした家庭用テレビゲーム機用プログラムを記憶させた読出し専用のカートリッジ式電子回路・磁気ディスク・光磁気ディスク・光ディスクその他の記憶媒体,真田幸村を主人公としたダウンロード可能な家庭用テレビゲーム機用ゲームプログラム,真田幸村を主人公としたその他の家庭用テレビゲーム機用プログラム,真田幸村を主人公としたダウンロード可能な携帯電話機用ゲームプログラム,真田幸村を主人公としたダウンロード可能なスマートフォン用ゲームプログラム,真田幸村を主人公としたダウンロード可能な携帯情報端末機用ゲームプログラム,真田幸村を主人公としたダウンロード可能なコンピュータ用ゲームプログラム,真田幸村を主人公としたその他のコンピュータ用ゲームプログラム,真田幸村を主人公としたコンピュータ用ゲームプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・光磁気ディスク・光ディスクその他の記憶媒体,真田幸村を主人公とした業務用テレビゲーム機用プログラムを記憶させた電子回路その他の記憶媒体,真田幸村を主人公としたダウンロード可能な業務用テレビゲーム機用ゲームプログラム,真田幸村を主人公としたその他の業務用テレビゲーム機用プログラム,真田幸村を主人公としたダウンロード可能なゲームプログラム」に補正されたものである。
本願商標は,その構成中に戦国武将として著名な真田幸村を想起させる「真田幸村」の文字を有してなるところ,真田幸村にちなんだ祭り・イベント等が開催され,真田幸村のゆかりの地が観光コースになり,また,上田市に「真田氏歴史館」も存在することから,いまだその名声は高く,地元住民にも親しまれているものと認められる。そうすると,一企業である出願人が,本願商標を自己の商標として独占的に使用すると,地域振興を妨げるおそれがあり,また,公正な取引秩序を害するおそれもあるから,本願商標は,公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがあるものと判断するのが相当である。したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第7号に該当する。
商標法第4条第1項第7号にいう「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」には,(1)その構成自体が非道徳的,卑わい,差別的,矯激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形である場合のみならず,(2)当該商標の構成自体がそのようなものでなくとも,指定商品又は指定役務について使用することが社会公共の利益に反し,社会の一般的道徳観念に反する場合,(3)他の法律によって,当該商標の使用等が禁止されている場合,(4)特定の国若しくはその国民を侮辱し,又は一般に国際信義に反する場合,(5)当該商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり,登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合,などが含まれるというべきである。
原審摘示の例,請求人の主張及び証拠(甲1〜甲208(枝番号を含む。)),並びに,当審における職権調査(別掲)によれば,以下の事実が認められる。
(1)「真田幸村」の文字は,我が国の戦国時代の武将として,広辞苑等の辞書類に掲載されている(別掲1)。
(2)大阪市天王寺区の安居神社,和歌山県九度山町や長野県上田市上田城址公園等,「真田幸村」ゆかりの地に博物館等の施設が置かれ,また,これらゆかりの地において,定期的に祭りやイベントが開催されている。そして,当該施設やイベント等においては,「真田幸村」にちなんだ食品類,小物類等のグッズ,料理等が販売又は提供されている(別掲2,3(1))。
(3)平成28年(2016年)に「真田幸村」を主人公とするNHK大河ドラマが放送され(全50話),その年間平均視聴率は,関東地区で16.6%,関西地区で15.9%であり,2012年以降の過去5年では最高(関東地区)の視聴率を記録した(別掲3(2))。
(4)請求人は,日本の戦国時代を舞台とし,「真田幸村」も含めた実在する戦国武将を登場人物とするアクションゲームとして,「戦国BASARA」と称するゲームソフトウェアを制作,平成17年(2005年)から販売を開始し,平成28年(2016年)9月末までに,シリーズ累計約390万本の売上げを記録した(甲3〜甲6)。そして,「戦国BASARA」を原作としたアニメや舞台が放映又は上演され,また,「戦国BASARA」の登場人物にゆかりのある地方自治体等において,様々なイベントが実施され(甲8〜甲17),これらの話題は,全国・地方紙において取り上げられた(甲18〜甲200)。
(5)請求人は,「戦国BASARA」に登場する戦国武将のうち,シリーズを通じて登場し,需要者の人気も高い「真田幸村」の生涯をテーマとした「戦国BASARA 真田幸村伝」と称するゲームソフトウェアを開発,販売した(甲2,甲5,甲7)。そして,請求人は,「真田幸村」とゆかりのある地方自治体や観光施設とタイアップし,ゲームソフトウェア「戦国BASARA 真田幸村伝」について宣伝広告を行うと共に,地方自治体等も,「戦国BASARA 真田幸村伝」を利用して誘客等を図った(甲201)。
(6)小括
上記(1)〜(3)からすれば,「真田幸村」は,我が国における周知・著名な歴史上の人物名といえるものであって,2016年に放映の「真田幸村」を主人公としたNHK大河ドラマへの注目も相まって,「真田幸村」の名前は,地方公共団体等によって,地域振興や観光振興に利用されるとともに,「真田幸村」にちなんだ食品類,小物類等のグッズ,料理等が販売又は提供されている。
他方,上記(4)からすれば,「戦国BASARA」の文字は,ゲームソフトウェアの分野に係る我が国の需要者間において,請求人が制作,販売するアクションゲームであって,「真田幸村」を含めた様々な実在する戦国武将が登場するゲームソフトウェアの名称として,相当程度広く知られている。
そして,上記(5)からすれば,請求人は,「戦国BASARA」に登場する戦国武将のうち,シリーズを通じて登場し,需要者の人気も高い「真田幸村」の生涯をテーマとした「戦国BASARA 真田幸村伝」と称するゲームソフトウェアを開発,販売し,また,このことは,「真田幸村」とゆかりのある地方自治体や観光施設とのタイアップ等を通じて,ゲームソフトウェアの需要者のみならず,当該地域等においても知られている。
本願商標は,前記第1のとおり,「戦国BASARA 真田幸村伝」の文字を標準文字で表してなり,「戦国BASARA」と「真田幸村伝」の文字が,1文字分程度の空白で介されていることから,「戦国BASARA」の文字と「真田幸村伝」の文字との組み合わせからなると容易に看取されるものである。
そして,本願商標の構成中の「戦国BASARA」の文字は,ゲームソフトウェアの分野における我が国の需要者間において,請求人が制作,販売するアクションゲームであって,「真田幸村」を含めた様々な戦国武将が登場するゲームソフトウェアの名称として,相当程度広く知られているものである。また,「真田幸村伝」の文字は,「真田幸村の伝記」ほどの意味合いを認識させるものである。
そうすると,本願商標は,その指定商品に使用した場合,本願商標の構成全体として,「真田幸村の伝記を題材にした戦国BASARA(というゲームソフトウェア)」ほどの意味合いを認識させるものというのが相当である。
加えて,本願商標の指定商品は,前記第1のとおりゲームプログラムであり,「真田幸村」の名声をもって行われる地域振興や観光振興におけるイベント,土産物等の商品又は役務と密接な関係性を有するものとはいえない上,本願商標の指定商品を取り扱う分野においては,請求人商品以外に,「戦国BASARA 真田幸村伝」の文字が利用されている事実も見いだすことはできない。
以上からすれば,本願商標は,その構成自体が非道徳的,卑わい,差別的,矯激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字等からなるものではないことは明らかであり,また,その構成中に周知・著名な歴史上の人物名である「真田幸村」の文字を含むとしても,本願商標をその指定商品に使用した場合に,社会公共の利益に反し,社会の一般的道徳観念に反するとはいえないというのが相当である。
また,請求人は,「戦国BASARA」シリーズの登場人物のひとりである「真田幸村」を主人公とするアクションゲームを制作,販売するに当たり,当該ゲームの内容を表示する目的で本願商標を採択したのであり,本願の登録出願の経緯に,社会的相当性を欠くというべき事情も見いだせない。
さらに,その他,本願商標の全部又は一部に,他の法律によって使用等が禁止されている文字,あるいは,特定の国若しくはその国民を侮辱し又は一般に国際信義に反する文字が含まれている事実も見いだせない。
したがって,本願商標は,公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標というべきものではない。
以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第7号に該当しない。
その他,本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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