Trademark Appeal Case
季節名とコンサートの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2016−7952(T2016−7952/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「四季のコンサート」の文字を標準文字で表してなり、第41類「音楽の演奏,音楽の演奏・映画・演芸又は演劇の興行の企画又は運営,興行場の座席の手配,音楽演奏の教授,セミナーの企画・運営又は開催」を指定役務として、平成27年9月10日に登録出願されたものである。
2 当審において通知した拒絶の理由
審判長は、請求人に対し、平成28年11月2日付け拒絶理由通知書で、要旨次のとおりの拒絶の理由を通知した。
本願商標は、「四季のコンサート」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「四季」の文字は、「春、夏、秋、冬の四つの季節。」等の意味を、「コンサート」の文字は「公開演奏会、音楽会」の意味をそれぞれ有する語(いずれも株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)であり、「四季」の文字と「コンサート」の文字が、格助詞「の」で結合された構成からなるものである。そして、本願商標を構成する「四季の」及び「四季のコンサート」の文字並びに「季節を表す文字」と「コンサート」の組合せが、それぞれ別掲に示す例のように使用されている実情がある。
そうすると、別掲中(1)のとおり、「四季の」の文字が、「季節ごとに開催される」という開催時期を表す語として一般に使用され、また、(2)のとおり、「四季のコンサート」の文字が、指定役務中の「音楽の演奏,音楽の演奏の興行の企画又は運営」の分野において、「春、夏、秋、冬の季節ごとに開かれる演奏会であること」又は「春、夏、秋、冬のいずれかの季節に開催される演奏会であること」を表す文字として使用されている事実があり、更に、(3)のとおり、同分野において「季節を表す語」+「のコンサート」の文字が、その季節に開催される演奏会を意味する語として使用されている実情を踏まえると、「四季のコンサート」の文字からなる本願商標は、これをその指定役務中「音楽の演奏,音楽の演奏の興行の企画又は運営」に使用するときは、これに接する需要者は「春、夏、秋、冬の季節ごとに開かれる演奏会であること」又は「春、夏、秋、冬のいずれかの季節に開催される演奏会であること」程の意味合いを認識するにとどまり、自他役務の識別標識としては認識し得ないものであるから、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
3 拒絶理由通知に対する請求人の意見
請求人は、前記2の拒絶理由通知に対して、平成28年12月19日付けの意見書を提出し、要旨以下の主張をしている。
本願商標の構成中の「四季」の文字は、「春、夏、秋、冬の四つの季節。」の意味以外に、「ヴィヴァルディの『四季』」、「劇団名の『四季』」をも意味するものである。そうすると、本願商標である「四季のコンサート」の文字のみからは、本願指定役務との関係において、役務の質等を具体的に認識できず、演奏会の内容を特定できない一種の造語と認識されるものであるから、本願商標は、商標法第3条第1項第6号の規定に該当しないものである。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、「四季のコンサート」の文字を標準文字で表してなるところ、前記2の当審における拒絶理由通知に示したとおり、本願商標をその指定役務中「音楽の演奏,音楽の演奏の興行の企画又は運営」に使用するときは、これに接する需要者は「春、夏、秋、冬の季節ごとに開かれる演奏会」又は「春、夏、秋、冬のいずれかの季節に開催される演奏会」程の意味合いを認識するにとどまり、自他役務の識別標識としては認識し得ないものというべきである。
ところで、請求人は、前記3の意見書において「『四季のコンサート』の文字のみからは、本願指定役務との関係において、役務の質等を具体的に認識できず、演奏会の内容を特定できない一種の造語と認識されるものである。」旨を主張している。
しかしながら、前記2のとおり、「四季の」の文字がイベントなどの開催時期を表す語として一般に使用され、また、「四季のコンサート」の文字及び「季節を表す語」+「のコンサート」の文字は、四季それぞれの季節毎に開催される演奏会又はいずれかの季節に開催される演奏会の名称として普通に採択、使用されている実情があることからすれば、本願商標は、これをその指定役務中「音楽の演奏,音楽の演奏の興行の企画又は運営」について使用しても、これに接する需要者をして、「春、夏、秋、冬の季節ごとに開かれる演奏会」又は「春、夏、秋、冬のいずれかの季節に開催される演奏会」であることを理解させるにとどまるものとみるのが相当である。
そうすると、本願商標は、これをその指定役務中、上記役務に使用しても、これに接する需要者は、自他役務の識別標識としては認識し得ないものというべきであるから、上記請求人の主張は採用することができない。
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標と認められるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)商標法第3条第2項該当性について
請求人は、審判請求書において、「本願商標は、出願人が代表者である静岡音楽友の会によって、継続的に使用された結果、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができるものとなったから、商標法第3条第2項に該当する。」旨を主張し、証拠方法として、甲第3号証ないし甲第7号証(枝番を含む。)を提出している。
しかしながら、提出された証拠は、コンサートの開催案内のパンフレット(甲3及び甲5)、会員向けの会報誌(甲4)、インターネット上での紹介記事等(甲6)、新聞記事の抜粋(甲7)であり、これらの証拠からは、請求人が、静岡音楽友の会の代表者であって、1984年頃から「四季のコンサート」の文字を使用していることはうかがい知ることができるとしても、これらのパンフレット及び会報誌について、その頒布された部数、頒布地域及び頒布の方法が不明であり、広告宣伝の地域、規模も明らかにされていないから、どのくらいの範囲の需要者の目にふれたのか不明であって、開催されたコンサートについての規模、入場者数等についても明らかではない。
また、インターネット上における紹介記事も、該ウェブサイトへのアクセス数に関する資料の提出もなく、さらに、新聞記事の抜粋において掲載された回数も、決して多いとはいえないものである。
そうすると、本願商標は、取引者、需要者の間に広く認識されているとはいい難いものであり、その指定役務について使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができるに至っているものとはいえない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものということはできない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、かつ、同法第3条第2項の要件を具備するものでもないことから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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