結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2015−300912(T2015−300912/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2187466号商標(以下「本件商標」という。)は、「口福」の漢字を縦書きしてなり、昭和62年10月13日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成元年11月28日に設定登録され、その後、同11年8月31日及び同21年6月9日に商標権の存続期間の更新登録がされたものであり、さらに、同21年6月24日に、第29類「加工野菜及び加工果実,魚介類又は魚介類の加工品を主材とした惣菜,肉又は肉の加工品を主材とした惣菜,野菜又は野菜の加工品を主材とした惣菜,果実又は果実の加工品を主材とした惣菜,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物」、第30類「穀物又は穀物の加工品を主材とした惣菜,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす」、第31類「食用魚介類(生きているものに限る。),海藻類,野菜,糖料作物,果実,コプラ,麦芽」及び第32類「飲料用野菜ジュース」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の予告登録は、平成28年1月7日にされたものである。
請求人は、本件商標の指定商品中、第29類「魚介類又は魚介類の加工品を主材とした惣菜,肉又は肉の加工品を主材とした惣菜,野菜又は野菜の加工品を主材とした惣菜,果実又は果実の加工品を主材とした惣菜」及び第30類「穀物又は穀物の加工品を主材とした惣菜,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,べんとう,ラビオリ」(以下「取消請求商品」という。)についての登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
本件商標は、その指定商品中、取消請求商品について、継続して3年以上、日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
被請求人が提出した乙第1号証、乙第2号証及び乙第4号証によれば、それらに表された商品の写真により、本件商標が付された商品が販売されていたようなことが見受けられるが、これら商品への本件商標の使用時期について証明する客観的な証拠の提出が全くない。
すなわち、被請求人が本件商標の使用時期について言及しているのは、本件商標権者である被請求人自らの作成に係る「使用説明書」と「販売個数/数量」の表のみであり、本件商標の使用時期が客観的に証明されているとはいい得ない。その使用時期の事実を公正・中立に証明するためには、例えば、少なくともコレド室町への請求書写しや伝票写し又はコレド室町からの請求書写しや伝票写しなど、被請求人以外の第三者に関連して作成・発行された資料・書類による証拠が含まれていなければならない。
また、乙第3号証は、本件商標が付された商品の写真がなく、本件商標が付された商品「瓜とタコのマリネ」が実際に存在していたのかどうかも確認することができないから、本件商標の使用証拠として採用されるべきではない。
(1)乙各号証の客観性について
甲第2号証は、被請求人が乙第1号証ないし乙第4号証に係る商品が販売されたとするJR新大阪駅2階の店舗及び東京コレド室町店の店舗の掲載を含む商品カタログであって、請求人が平成28年7月6日に被請求人の直営店たる東京コレド室町店で容易に入手できたものである。もし、本件商標権者である被請求人が本件審判の請求の登録前3年以内(平成25年1月7日から同28年1月6日まで。以下「要証期間内」という場合がある。)に、本件商標が使用された乙第1号証ないし乙第4号証に係る商品を直営店で販売した事実があるならば、甲第2号証の商品カタログのような客観的な証拠がないことを「当然」と主張することは、明白な自己矛盾である。
また、「本件商標権者自身が製造」していても、本件商標権者の各直営店で販売される取扱商品の全てについて、各別・独立して一貫した製造・販売が行われ、他の場所で製造された商品の納入が一切ないとの事実がない限り、商品の運搬・搬送は必然である。この点、本件商標権者においては、直営店だけでも15店舗あり、これら店舗がそれぞれで独立して商品の製造・販売を行っているとは考え難く、運送業者等との関係で発送伝票や送り状等が存在すべきと考えるのが自然である。
さらに、たとえ、本件商標権者が、自ら製造した商品を自らの店舗で販売しているとしても、その商品が第三者である最終消費者に対して販売されているのなら、その販売の際の領収書やレシートの類いの写しが一枚もないというのは不自然である。
(2)乙第5号証の1ないし15について
乙第5号証の1ないし15は、本件商標権者自身の店舗(JR新大阪駅2階)のレジ記録の日計精算レポートであるため、乙第1号証ないし乙第4号証と同様、本件商標権者である被請求人自らの作成に係る内部資料にすぎず、これらに記載されている2015年9月16日から30日までの日付は、客観性を欠く。
また、被請求人は、乙第5号証の1ないし15に係るレポートについて、JR新大阪駅2階の本件商標権者の店舗のものであると主張するが、当該レポートからは、その店舗のものである事実が確認できず、さらに、当該レポートに記載されている商品名も、単に「糠漬と鶏モモ肉甘酢炒め」、「生姜と胡瓜の豚バラ巻」、「白ごまのコールスロー」、「糠漬とタコのマリネ」との表示があるにとどまり、本件商標の使用がどこにも認められないから、当該各商品が、必ず本件商標を使用して販売されたとすべき客観的な証拠ではない。
加えて、上記レポートに記載されている販売数量も、乙第1号証ないし乙第4号証に記載されているそれと相違する。この点につき、被請求人は、「別のレジで販売されたものは、レジの形式が異なり、商品ごとの出力がされない」などと主張するが、いずれも本件商標権者である被請求人の内部事情であって、客観性が担保されていない以上、採用されるべき理由はない。
したがって、乙第5号証の1ないし15は、本件商標を使用した各商品についての販売を証する証拠ではない。
(3)乙第6号証について
乙第6号証は、本件商標権者である被請求人が、単に乙第5号証の1ないし15の記録に基づき、乙第1号証ないし乙第4号証に係る各商品について集計し直した内部資料にすぎないから、乙第5号証の1ないし15と同様に、本件商標を使用した各商品についての販売を証する証拠ではない。
(4)乙第7号証ないし乙第9号証について
被請求人は、株式会社新大阪ステーションストアによる売上返還明細書(乙7)を示し、当該明細書に記載された現金額と乙第5号証の1ないし15によって示された乙第1号証ないし乙第4号証に係る各商品を含む全商品の出納集計金額(乙9)との齟齬がないことをもって、本件商標権者である被請求人によって乙第1号証ないし乙第4号証に係る各商品が取引された事実を立証するとしている。
しかし、たとえ、全体の金額に齟齬がないとしても、それは、あくまで全体における数字上のことであり、当該事実をもって、詳細な個々の内訳金額まで正しい、又は、乙第1号証ないし乙第4号証に係る商品の売上げが含まれていることが直接的に立証されたということはできない。
また、新大阪ステーションストアの機台によって刻印される預り金通帳とするもの(乙8)は、発行会社名が空欄であり、誰が発行したものであるかが不明であるし、本件商標の使用が全く確認できない。
(5)乙第10号証について
乙第10号証に係る商品の撮影日は、明らかに本件審判の要証期間内ではなく、また、乙第3号証に係る商品が、乙第10号証に係る商品と同一のものとみるべき客観的な証拠もない。
(1)乙第11号証について
乙第11号証に係る店舗写真については、その撮影日が不明であるため、乙第1号証、乙第2号証及び乙第4号証に係る店舗風景の店舗写真と乙第11号証に係る店舗写真とが時期的に整合することは、証明されていない。
(2)本件商標の使用に係る商品についての取引の実情について
被請求人は、乙第1号証ないし乙第4号証に係る各商品について、生鮮食材を使用した惣菜品であるため、短期間に消費又は処分され、残存することはない旨主張する。
しかし、上記各商品が、被請求人の主張するような商品であるとしても、そのことをもって、本件商標の使用を直接的・客観的に証明できないことの正当な理由とはならない。
また、被請求人は、短期間で何度も流通を繰り返す商品が頻繁に商標を変更することはない旨主張するが、その主張の根拠は、何ら示されていない。
(3)乙第12号証及び乙第13号証について
被請求人は、乙第1号証、乙第2号証及び乙第4号証に係る各商品の包装帯ラベルに関し、当該ラベルに係る平成27年12月24日付け見積書(乙12)及び同28年1月8日付け仕入伝票(乙13)を提出した。
しかし、見積書とは、通常、実際の発注を行う前に価格や納期等を確認するために発行されるものであるから、平成27年12月24日時点では、上記見積書に係るラベルは、作成・納品が完了していないことが明らかであるし、被請求人が主張する本件商標の使用開始時期である2015年7月とも時期的に整合しない。
また、見積書を入手しても、実際に発注がされないことが多々あることは、顕著な事実である。
さらに、上記仕入伝票の日付は、平成28年1月8日であるから、本件審判の請求の登録日の後に係る証拠である。
なお、上記仕入伝票は、名宛人が本件商標権者である被請求人となっており、仕入伝票としては不可解である。
(4)商標法第2条第3項第2号における使用との関連について
被請求人は、口頭審理において、本件商標の使用について、商標法第2条第3項第2号(商品の包装に標章を付したものの譲渡)における使用であると主張した。
しかし、仮に、乙第12号証に係る見積書のラベルが実際に発注されて、乙第13号証の仕入伝票に示されるように納品されたとしても、要証期間内に、当該ラベルを乙第1号証ないし乙第4号証の商品の包装として使用した上で譲渡を行うことは、時期的に不可能である。
(1)乙第14号証の1及び2について
ユーザーが、デジタルカメラの撮影年月日としてデータに記録されるべき日時の設定をいつでも自由に変更できることは周知の事実であり、たとえ、撮影後であっても、そのデータを変更することが可能であることもまた周知の事実である。
したがって、乙第14号証の1及び2により、乙第1号証、乙第2号証及び乙第4号証に係る写真の撮影年月日が客観的に証明されたとは、到底いい得ない。
さらに、被請求人が、当初の撮影年月日を不正確とし、後になって変更を行ったという行為は、被請求人提出の証拠の信憑性に重大な疑義を生じさせることとなる。
(2)乙第15号証について
乙第15号証(日計精算レポート)は、乙第5号証の1ないし15と同様、本件商標権者である被請求人自身の店舗(JR新大阪駅2階)のレジ記録の日計精算レポートであり、同人自らの作成に係る内部資料にすぎないから、客観性を欠く。
また、乙第15号証に係るレポートには、販売者名の表示がない上、それがJR新大阪駅2階にある店舗のものであることがどこにも表示されていないから、販売場所も不明である。
そして、乙第15号証に係るレポートに記載されている商品名も、単に「白ごまのコールスロー」、「生姜と胡瓜の豚バラ巻」、「糠漬と鶏モモ肉甘酢炒め」との表示があるにとどまり、本件商標の使用がどこにも認められないため、当該各商品が、必ず本件商標を使用して販売されたとすべき客観的な証拠ではない。
さらに、乙第5号証の1ないし15及び乙第15号証に係る各レポートに記載された商品名中、「生姜と胡瓜の豚バラ巻」及び「糠漬と鶏モモ肉甘酢炒め」は、乙第1号証及び乙第2号証に係る各商品に表示された商品名「ラブレ糠漬白菜と鶏もも肉の甘酢炒め」及び「ラブレ生姜とあっさり漬胡瓜の豚バラ巻」と一致しておらず、被請求人から、これら商品が、それぞれ、同一の商品であることを示す客観的な証拠の提出もない。
以上のとおり、乙第1号証ないし乙第15号証は、本件商標の使用又は使用時期を客観的かつ正当に立証するものとは認められず、本件商標が、要証期間内に、本件商標権者である被請求人により、取消請求商品について使用された事実は存しないから、本件商標の登録は、その指定商品中の取消請求商品について取り消されるべきである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第15号証(枝番号を含む。)を提出した。
本件商標は、乙第1号証ないし乙第4号証に係る「登録商標の使用説明書」に示すとおり、要証期間内に、本件商標権者により、取消請求商品中、第29類「魚介類又は魚介類の加工品を主材とした惣菜,肉又は肉の加工品を主材とした惣菜,野菜又は野菜の加工品を主材とした惣菜」について使用されている。
(1)本件商標の使用に係る商品
本件商標の使用に係る商品は、「ラブレ乳酸菌を使用した糠漬白菜と鶏もも肉の甘酢炒め」(乙1)、「生姜と胡瓜の豚バラ巻」(乙2)、「瓜とタコのマリネ」(乙3)及び「ラブレ乳酸菌を使用した白ごまのコールスロー」(乙4)である。
(2)本件商標の使用
本件商標と同一の商標である「口福」は、本件商標権者の販売する上記(1)において述べた商品のうち、乙第1号証、乙第2号証及び乙第4号証に係る各商品の包装帯ラベル及び販売ケースの商品とともに使用されるPOP広告に鮮明に付されている。
なお、乙第3号証に係る商品については、季節商品のため、商品写真を撮影添付することが困難であるが、乙第1号証及び乙第2号証に係る商品と同様に、本件商標と同一の商標が当該商品について使用されていることは明らかである。
(3)商品の販売の事実
本件商標を使用した当該商品は、例えば、乙第1号証ないし乙第4号証の「販売個数/数量」に示すとおり、平成27年の7月から11月まで実際に販売され、現在も販売中である。
乙第1号証ないし乙第4号証に係る各商品は、商品写真などからも明らかなとおり、小分けされた惣菜であって、本件商標権者自身が製造し、最終消費者に販売したものである。
また、これらの総菜を販売したJR新大阪駅2階の店舗及び東京コレド室町店の店舗は、いずれもその収容施設は第三者のものであるが、店舗自体は本件商標権者がテナントとなっているものである。
したがって、上記各商品の販売に関して、本件商標権者以外の者に係る証拠が少ないことは、当然である。
(1)乙第5号証の1ないし15及び乙第6号証
ア 乙第5号証の1ないし15は、乙第1号証ないし乙第4号証に記載した商標の使用場所であるJR新大阪駅2階の本件商標権者の店舗「京漬物 味わい処 西利」のレジに残った記録(日計精算レポート)であって、それぞれ、2015年9月16日から30日までの間の販売事実に該当する。
例えば、乙第5号証の1−(B)に係る商品別レポートのうち、「生姜と胡瓜の豚バラ巻 1点 400円」と表示されているものが乙第2号証の商品についての、「白ごまのコールスロー 1点 290円」と表示されているものが乙第4号証の商品についての、2015年9月16日の上記レジでの販売記録である。
そして、乙第5号証の1−(B)ないし15−(B)に係る各レポートに基づき、乙第1号証ないし乙第4号証に係る各商品について集計した結果が、乙第6号証である。
イ 乙第5号証の1ないし15及び乙第6号証によれば、乙第1号証ないし乙第4号証に係る各商品は、2015年9月16日から30日までの間、それぞれ、少なくとも乙第1号証の商品が5個、乙第2号証の商品が14個、乙第3号証の商品が13個、乙第4号証の商品が17個販売された。
なお、乙第1号証ないし乙第4号証に添付した「2015年(平成27年)7月〜11月販売個数/数量」の表では、乙第1号証ないし乙第4号証に係る各商品の「新大阪味わい処」での9月の販売個数が、それぞれ順に59個、98個、85個、87個となっており、乙第5号証及び乙第6号証の集計期間が半月であるとしても、これよりも少ない個数となっているが、その理由は、別のレジで販売された個数が存在すること及び若干ながら売れ残ったものがあったためである。この別のレジで販売されたものは、レジの形式が異なり、商品ごとの出力がされず、乙第1号証ないし乙第4号証に係る各商品が特定できないことから、その事実を示す書面の提出はしていないが、たとえ一部であるとしても、乙第5号証の1ないし15に示す内容から、乙第1号証ないし乙第4号証に係る各商品が上記期間に販売されたことは証明されている。
(2)乙第7号証ないし乙第9号証
ア 乙第7号証は、JR新大阪駅2階にある本件商標権者の店舗がテナントとなっている株式会社新大阪ステーションストアが、毎月、テナントに送付する売上返還明細書であって、本件商標権者に送付されたものの写しである。
イ 上記本件商標権者の店舗における各日の売上金の流れは、開店前に釣銭準備金を新大阪ステーションストアから受け取り、閉店後に一日の売上金(釣銭を含む)を新大阪ステーションストアに預け入れる、というものである。
例えば、9月16日について見れば、乙第5号証の1−(A)に係る取引別の日計精算レポートに示すとおり、売上現金である銀行入金額は、156,473円であり、釣銭準備金は、112,100円であった(釣銭準備金は、乙第5号証の1ないし15に係る期間(平成27年9月16日から30日まで)、毎日同じ112,100円である。)。
したがって、9月16日は、営業終了後、上記売上現金に釣銭準備金を加算した額である268,573円が預け入れられたことになる。
ウ 乙第9号証は、上記出納を乙第5号証の1−(A)ないし15−(A)に係る取引別の日計精算レポートごとにまとめたものである。そのうち、9月16日についてまとめたものを見れば、乙第5号証の1−(A)の取引別の日計精算レポートに示す銀行入金額156,473円に釣銭準備金を加えた額が預け入れられるはずであったが、実際には、乙第8号証に示すとおり、差額の1円少ない268,572円(預り金通帳印字額)であった。
そして、上記現実の預け入れ額(預り金通帳印字額)から釣銭準備金を差し引いた売上預託金は、乙第5号証の1ないし15に係る期間(平成27年9月16日から30日まで)について集計してみると、2,887,963円となるところ、この金額と乙第7号証に記載された返還売上預託金の現金の金額とは、同額となる。
したがって、乙第7号証ないし乙第9号証により、JR新大阪2階にある本件商標権者の店舗(テナント)の全商品について、現実に売上げのあったことが第三者による証拠によっても証明されている。
(3)乙第10号証
乙第10号証は、季節商品である「瓜とタコのマリネ」(乙3)の販売再開に伴い、その商品を撮影した写真である。このように、当該商品についても本件商標が使用されている。
(1)乙第1号証ないし乙第4号証に係る本件商標の使用場所について
乙第1号証ないし乙第4号証に係る本件商標の使用場所は、本件商標権者の店舗である「京漬物 味わい処 西利 新大阪店」である。そして、乙第1号証、乙第2号証及び乙第4号証に係る店舗風景の写真の左上部には、「京漬物 味わい処 西利」の看板の大部分などが写っているところ、これを本件商標権者のホームページに掲載されている新大阪店の店舗写真(乙11)と比較してみれば、同一場所であることが明白である。
(2)本件商標の使用に係る商品についての取引の事情
ア 本件商標の使用に係る商品は、乙第1号証ないし乙第4号証に示したとおり、野菜や鶏肉、豚肉、タコなどの生鮮食材を使用した、賞味期日が数日である惣菜品である。このため、店舗で販売された商品も在庫商品も短期間に消費又は処分され、残存することはない。
また、このように短期間で何度も流通を繰り返す商品が頻繁に商標を変更することもない。
イ 乙第1号証、乙第2号証及び乙第4号証に係る各商品の包装帯ラベルなどは、平成27年12月24日付け見積書(乙12)及び同28年1月8日付け仕入伝票(乙13)に示すように、京都市中京区に存する株式会社杉山紙工に依頼して印刷されたものである。
上記見積書及び仕入伝票には、乙第4号証に係る商品に付された「乳酸菌たっぷりサラダ(口福)」や、乙第1号証及び乙第2号証に係る商品に付された「西利デリ(口福)」の表示の記載があるから、本件商標が付された包装の印刷を、この当時より、当該印刷業者に依頼したことが明らかである。
(1)乙第1号証、乙第2号証及び乙第4号証に係る写真の撮影日について
乙第1号証の2葉目、乙第2号証の2葉目及び3葉目並びに乙第4号証の2葉目及び3葉目にある各写真は、デジタルカメラにて撮影したものであり、それぞれ順に、乙第1号証の写真が「IMG_0245.JPG」及び「IMG_0246.JPG」、乙第2号証の写真が「IMG_0245.JPG」、「IMG_0252.JPG」及び「IMG_0254.JPG」、乙第4号証の写真が「IMG_0245.JPG」、「IMG_0242.JPG」及び「IMG_0240.JPG」のファイル名を有するものである(乙14の1)。
そして、上記各ファイルに付された撮影日時のデータは、平成27年12月21日の19時40分から19時55分となっていることから、当該各ファイルとして記録された写真が平成27年12月21日に撮影されたものであることは明白である(乙14の2)。
なお、乙第1号証、乙第2号証及び乙第4号証に係る「登録商標の使用説明書」において、撮影年月日が「平成27年12月23日」と記載されているが、これは、本件商標権者から上記写真データを受領した代理人が当該説明書を作成した日を記載したためであり、正確な撮影年月日は、上記のとおり、「平成27年12月21日」である。
(2)乙第1号証、乙第2号証及び乙第4号証に係る写真撮影日に本件商標を付した商品が販売された事実を証する書類について
乙第15号証は、乙第5号証の1ないし15と同様、JR新大阪駅2階にある本件商標権者の店舗「京漬物 味わい処 西利 新大阪店」のレジの記録であって、乙第1号証、乙第2号証及び乙第4号証の写真撮影日である平成27年12月21日のものである(乙15)。
乙第15号証によれば、平成27年12月21日には、乙第1号証に係る商品「糠漬と鶏モモ肉甘酢炒め」が1点(350円)、乙第2号証に係る商品「生姜と胡瓜の豚バラ巻」が1点(400円)、乙第4号証に係る商品「白ごまのコールスロー」が2点(580円)、それぞれ販売された。
本件商標は、要証期間内に、日本国内において、本件商標権者により、取消請求商品中、「ラブレ乳酸菌を使用した糠漬白菜と鶏もも肉の甘酢炒め」、「生姜と胡瓜の豚バラ巻」、「瓜とタコのマリネ」及び「ラブレ乳酸菌を使用した白ごまのコールスロー」について使用されているものである。
(1)本件商標権者は、2016年(平成28年)6月頃までには、京都(13店舗)のほか、東京及び大阪(各1店舗)に直営店を設けており(甲2)、その直営店においては、少なくとも2015年(平成27年)9月16日から30日までの間、「糠漬と鶏モモ肉甘酢炒め」、「生姜と胡瓜の豚バラ巻」、「白ごまのコールスロー」といった商品の販売等がされていたことがうかがえる(乙5の1ないし15)。
そして、上記直営店のうち、大阪(新大阪駅2階)にあるものは、2015年(平成27年)夏に開設されたものである(乙11)。
(2)大阪(新大阪駅2階)にある本件商標権者の直営店(以下「新大阪店」という。)は、無休で10時30分から21時30まで営業し、店内での飲食のほか、漬物、惣菜、おにぎりなどの店頭販売も行っており、その販売のための陳列棚が設置されている。
また、新大阪店においては、その店舗の開設者を示すべく、「京漬物 西利」(「京漬物」の文字部分は、緑色で表されている。)や、「味わい処/西利」の文字からなる看板が掲げられている(乙11)。
(3)新大阪店において、2015年(平成27年)12月21日に撮影された写真(乙1、乙2、乙4、乙14の1及び2)には、店舗の様子として、店頭販売用に商品が並べられた陳列棚のほか、店内に掲げられた看板の一部が写っているところ、当該看板に表された文字(緑色で表された「京漬物」の文字、「わい処/西利」の文字)や、当該看板と陳列棚との位置関係は、乙第11号証に係る写真の新大阪店の店舗のそれと合致する。
また、上記写真には、それぞれ、容器に入った「ラブレ糠漬白菜と鶏もも肉の甘酢炒め」(乙1)、「ラブレ生姜とあっさり漬胡瓜の豚バラ巻」(乙2)及び「白ごまのコールスロー」(乙4)と称する商品が写っているところ、これらの商品の値札及び容器に付された帯ラベルには、「健康 漬物惣菜 西利デリ<口福>」又は「乳酸菌たっぷりサラダ<口福>」の表示がある。
本件商標権者は、2015年(平成27年)12月21日に、自己の直営店の一つである「新大阪店」において、店頭販売用に「ラブレ糠漬白菜と鶏もも肉の甘酢炒め」、「ラブレ生姜とあっさり漬胡瓜の豚バラ巻」及び「白ごまのコールスロー」と称する商品を陳列していたといえる。
そして、上記商品のうち、「ラブレ生姜とあっさり漬胡瓜の豚バラ巻」及び「白ごまのコールスロー」は、いずれも惣菜の一種といい得るものであり、前者は、取消請求商品中の「肉又は肉の加工品を主材とした惣菜」の範ちゅうに、後者は、取消請求商品中の「野菜又は野菜の加工品を主材とした惣菜」の範ちゅうに含まれるものである。
また、上記各商品について使用されている「口福」の文字からなる標章は、本件商標と同一の商標と認められる。
そうすると、本件商標権者は、要証期間内である平成27年12月21日に、取消請求商品中の「肉又は肉の加工品を主材とした惣菜」及び「野菜又は野菜の加工品を主材とした惣菜」の包装に本件商標と同一の商標を付したものを譲渡のために展示したということができ、本件商標権者による当該行為は、商品の包装に標章を付したものを譲渡のために展示する行為(商標法第2条第3項第2号)に該当するものと認められる。
請求人は、被請求人が提出した乙各号証について、本件商標権者の作成した資料である、資料に記載されている日付は客観性を欠く、撮影年月日は変更可能であるなどとし、乙各号証によっては、要証期間内に、本件商標権者により、取消請求商品について本件商標が使用されたことが直接的かつ客観的に証明されていない旨主張する。
しかしながら、被請求人の主張及びその提出に係る乙各号証並びに請求人の提出に係る甲各号証によれば、上記1のとおりの事実が認められ、本件商標の取消請求商品についての使用につき、上記2のとおり判断できるのであり、請求人からは、自らの主張を裏付ける証拠の提出もないことからすれば、上記請求人の主張は、採用することができない。
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標権者が、取消請求商品中、「肉又は肉の加工品を主材とした惣菜」及び「野菜又は野菜の加工品を主材とした惣菜」について、本件商標の使用をした事実を証明したものと認めることができる。
したがって、本件商標の登録は、取消請求商品について、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。