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Trademark Appeal Case

称呼同一と外観酷似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2016−900159(T2016−900159/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5835197号商標の指定商品中,第9類「デジタルカメラ」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5835197号商標(以下「本件商標」という。)は,「PENTACONN」の欧文字を標準文字により表してなり,平成27年10月30日に登録出願され,第9類「電気通信機械器具」を指定商品として,同28年2月24日に登録査定,同年3月18日に設定登録され,同4月19日に商標公報に掲載されたものである。

なお,本件商標は,平成29年1月23日に商標権の一部抹消登録の申請がなされ,その指定商品中,第9類「デジタルカメラ」について,その登録の抹消がされているところ,本件商標の商標登録に対する登録異議の申立ては,申立日を,同28年6月17日とするものである。

第2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,本件登録異議の申立ての理由として引用する登録第1000347号商標(以下「引用商標」という。)は,「PENTACON」の欧文字よりなり,昭和40年9月22日に登録出願され,第10類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同48年2月15日に設定登録され,その後,計4回の商標権の存続期間の更新登録がされ,また,平成15年11月26日に,第1類「写真材料」及び第9類「理化学機械器具,光学機械器具,写真機械器具,映画機械器具(「録音機械器具」を除く。),測定機械器具」とする,商標権の指定商品の書換の登録がされ,現に有効に存続しているものである。

第3 登録異議申立ての理由の要点

申立人は,登録異議の申立ての理由を要旨次のように述べ,証拠方法として,甲第1号証から甲第14号証(枝番号を含む。)を提出した。

1 商標法第4条第1項第11号について

本件商標は,引用商標と類似のものであり,本件商標の指定商品中,第9類「デジタルカメラ」は,引用商標の指定商品と類似する。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。

2 商標法第4条第1項第15号について

本件商標は,申立人の極めて特徴的な略称として需要者,取引者の記憶に強く深く残る「PENTACON」の文字と一見して見間違えるものであるから,本件商標が「電気通信機械器具」に使用されると,あたかも申立人が当該商品の出所であると誤解され,商品の出所について混同を生ずるおそれがある。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 むすび

以上のとおり,本件商標は,その指定商品中「デジタルカメラ」について,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであり,また,仮に同号に該当しないとしても,同項第15号に違反して登録されたものであるから,その登録を取り消すべきである。

第4 当審における取消理由の要旨

当審において,本件商標権者に対して平成29年1月4日付けで通知した取消理由の内容は,以下のとおりである。

1 商標法第4条第1項第11号該当性について

(1)本件商標

本件商標は,「PENTACONN」の欧文字を標準文字により表してなるものである。

そして,当該文字は,特定の意味を有する外国語とは認められないから,これを称呼する場合,我が国において最も一般的に親しまれているローマ字又は英語における発音に倣って称呼されるとみるのが自然というべきである。

そうすると,本件商標からは,その構成文字に相応して「ペンタコン」の称呼が生じ,特定の観念は生じないというのが相当である。

(2)引用商標

引用商標は,「PENTACON」の欧文字よりなるものである。

そして,当該文字は,特定の意味を有する外国語とは認められないから,これを称呼する場合,我が国において最も一般的に親しまれているローマ字又は英語における発音に倣って称呼されるとみるのが自然というべきである。

そうすると,本件商標からは,その構成文字に相応して「ペンタコン」の称呼が生じ,特定の観念は生じないというのが相当である。

(3)本件商標と引用商標との類否について

まず,外観については,両者は,語頭から始まる8文字目の「PENTACON」までが全く同一であって,その差異は,看者の注意力が行き届きにくい語末における「N」の文字の有無という差異に過ぎないから,本件商標と引用商標とは,外観上,相紛れるほどに酷似しているというべきである。

次に,称呼については,本件商標と引用商標は,「ペンタコン」の称呼を同一にする。

また,観念については,本件商標と引用商標とは,観念上,比較することができないから,観念において相紛れるおそれはない。

そうすると,本件商標と引用商標とは,観念において比較することができないとしても,外観が近似し,称呼を同一にするから,両者の外観,称呼及び観念を総合して考察すれば,両者は互いに類似する商標というべきである。

(4)本件商標と引用商標の指定商品の類否について

指定商品が類似のものであるかどうかは,対比する商品が通常同一営業主により製造又は販売されている等の事情により,それらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは同一営業主の製造又は販売にかかる商品と誤認されるおそれがあると認められる関係にあるか否かを判断すべきであり(最高裁昭和33年(オ)第1104号参照),そのためには,当該商品の,生産部門,販売部門,用途,需要者の範囲が一致するかどうかなどを総合的に考察して判断するのが相当である。

これを,本件商標及び引用商標の指定商品についてみるに,まず,本件商標の指定商品「電気通信機械器具」には「デジタルカメラ」が含まれるものであり,また,引用商標の指定商品中,第9類の「写真機械器具」には「カメラ」が含まれるものである(商標法施行規則第6条別表第9類参照)。

そして,別掲に示す事実によれば,「デジタルカメラ」とフィルムカメラ等の「カメラ」は同一のメーカー(キヤノン,ニコン,富士フイルム,ライカ)により製造されており,また,両商品とも,家電量販店やカメラ専門店において取り扱われていることが認められる。

また,「デジタルカメラ」及び「カメラ」は,画像をデジタルデータないし化学変化でフィルムに記録し保存することを目的とするものである。

さらに,「デジタルカメラ」と「カメラ」は,写真家等を含め,広く国民一般が需要者ということができるものである。

以上によれば,「デジタルカメラ」と「カメラ」は,生産部門(メーカー)及び販売場所が共通し,画像を記録するという用途が一致しており,また,両者の需要者層も共通している。

そうすると,かかる取引の実情に鑑みれば,本件商標の指定商品中の第9類「電気通信機械器具」に含まれる「デジタルカメラ」と引用商標の指定商品中の第9類「写真機械器具」に含まれる「カメラ」は,互いに類似の商品と判断するのが相当である。

(5)まとめ

したがって,本件商標と引用商標とは類似の商標であり,また,本件商標の指定商品は,引用商標の指定商品と類似するものであるから,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。

第5 商標権者の意見

本件商標権者は,前記第4の取消理由に対して,本件商標権の指定商品中「デジタルカメラ」について,商標権の一部抹消登録申請(平成29年1月23日受付)をした旨を述べた。

第6 当審の判断

1 商標法第4条第1項第11号該当性について

本件商標について通知した前記第4の取消理由は,妥当なものと認められる。

したがって,本件商標の登録は,その指定商品中,本件登録異議の申立てに係る第9類「デジタルカメラ」について,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから,同法第43条の3第2項の規定により,その登録を取り消すべきものである。

2 商標法第4条第1項第15号該当性について

前記第4で述べたとおり,本件商標と引用商標とは類似の商標といえる。

しかしながら,申立人は,引用商標の周知度,本件商標と引用商標の指定商品間の関連性等,本件商標が「他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標」に該当するか否かを判断するために必要な事実を主張,立証していない。

そうすると,本件商標は,その指定商品中,「デジタルカメラ」以外の「電気通信機械器具」について使用しても,当該商品が申立人又はこれと何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように,商品の出所について混同を生ずるおそれがある商標と認めることはできない。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。

3 むすび

以上のとおり,本件商標の登録は,その指定商品中,本件登録異議の申立てに係る第9類「デジタルカメラ」について,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから,同法第43条の3第2項の規定により,その登録を取り消すべきものである。

そして,本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については,その登録を取り消す理由がないから,同第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきものとする。

よって,結論のとおり決定する。

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