結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 異議2016−900165(T2016−900165/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第5849749号商標(以下「本件商標」という。)は、「理想の大麦若葉」の文字を標準文字で表してなり、平成27年11月9日に登録出願、第32類「大麦若葉を配合したビール,大麦若葉を配合したビール風味の麦芽発泡酒,大麦若葉を配合した飲料用青汁,大麦若葉を配合した飲料用青汁のもと,大麦若葉を配合した清涼飲料,大麦若葉を配合した清涼飲料のもと,大麦若葉を配合したビール風味の清涼飲料,大麦若葉を配合した果実飲料,大麦若葉を配合した果実飲料のもと,大麦若葉を配合した飲料用野菜ジュース,大麦若葉を配合した飲料用野菜ジュースのもと,大麦若葉を配合したコーヒーシロップ,大麦若葉を配合したシャーベット水,大麦若葉を配合したトマトジュース,大麦若葉を配合したシロップ,大麦若葉を配合したビール製造用ホップエキス,大麦若葉を配合した麦芽汁,大麦若葉を配合したビール製造用麦芽汁,大麦若葉を配合した乳清飲料,大麦若葉を配合した乳清飲料のもと,大麦若葉を配合したアルコール分を含まない飲料,大麦若葉を配合した飲料製造用調整品」のほか第31類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として、同28年4月13日に登録査定、同年5月13日に設定登録されたものである。
なお、指定商品については、平成29年2月15日に指定商品中、第32類「大麦若葉を配合したビール,大麦若葉を配合したビール風味の麦芽発泡酒,大麦若葉を配合した飲料用青汁(粉末状のものを除く。),大麦若葉を配合した飲料用青汁のもと(粉末状のものを除く。),大麦若葉を配合した清涼飲料,大麦若葉を配合した清涼飲料のもと,大麦若葉を配合したビール風味の清涼飲料,大麦若葉を配合した果実飲料,大麦若葉を配合した果実飲料のもと,大麦若葉を配合した飲料用野菜ジュース,大麦若葉を配合した飲料用野菜ジュースのもと,大麦若葉を配合したコーヒーシロップ,大麦若葉を配合したシャーベット水,大麦若葉を配合したトマトジュース,大麦若葉を配合したシロップ,大麦若葉を配合したビール製造用ホップエキス,大麦若葉を配合した麦芽汁,大麦若葉を配合したビール製造用麦芽汁,大麦若葉を配合した乳清飲料,大麦若葉を配合した乳清飲料のもと,大麦若葉を配合したアルコール分を含まない飲料,大麦若葉を配合した飲料製造用調整品」について一部放棄の申請がなされ、商標権の一部抹消の登録がされているものである。
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由として引用する登録第5476979号商標(以下「引用商標」という。)は、「理想」の文字を標準文字で表してなり、平成23年10月19日に登録出願、第30類「茶,コーヒー及びココア」及び第32類「清涼飲料,果実飲料,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」を指定商品として、同24年3月9日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
申立人は、本件商標は、その指定商品中、第32類「大麦若葉を配合した飲料用青汁,大麦若葉を配合した飲料用青汁のもと,大麦若葉を配合した清涼飲料,大麦若葉を配合した清涼飲料のもと,大麦若葉を配合したビール風味の清涼飲料,大麦若葉を配合した果実飲料,大麦若葉を配合した果実飲料のもと,大麦若葉を配合した飲料用野菜ジュース,大麦若葉を配合した飲料用野菜ジュースのもと,大麦若葉を配合したコーヒーシロップ,大麦若葉を配合したシャーベット水,大麦若葉を配合したトマトジュース,大麦若葉を配合したシロップ,大麦若葉を配合した乳清飲料,大麦若葉を配合した乳清飲料のもと,大麦若葉を配合したアルコール分を含まない飲料,大麦若葉を配合した飲料製造用調整品」について、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきものである旨申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第20号証を提出した。
本件商標は、引用商標と同一又は類似する商標であって、その引用商標に係る指定商品と類似の商品について使用するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2011年5月以来、申立人がトマト飲料について使用している「理想のトマト」は、一定程度の市場占有率を有するに至っており、また、申立人は、「理想のオレンジ」等、トマト飲料以外のカテゴリーにおいても「理想」の文字からなる商標を広く使用しているから、「理想」ブランドは申立人のものであると広く認識されるに至っている。そして、申立人は、野菜飲料分野において圧倒的な売上額とシェアを有しており、同分野に分類される青汁野菜飲料を販売している事実がある。
そうすると、当業者、需要者は、本件商標をその商標登録に係る指定商品に使用された場合には、申立人の業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
当審において、平成28年11月2日付けで、商標権者に対し通知した取消理由は、要旨次のとおりである。
「理想の」の文字と「トマト」の文字を上下二段に書してなる商標(以下「使用商標」という。)は、申立人の業務に係るトマト飲料を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く認識されていたものといえ(甲7〜甲16、別掲の職権調査)、また、本件商標と使用商標は互いに近似した印象を与えるものであり、さらに、本件商標の指定商品中、「大麦若葉を配合した飲料用青汁,大麦若葉を配合した飲料用青汁のもと,大麦若葉を配合した清涼飲料,大麦若葉を配合した清涼飲料のもと,大麦若葉を配合したビール風味の清涼飲料,大麦若葉を配合した果実飲料,大麦若葉を配合した果実飲料のもと,大麦若葉を配合した飲料用野菜ジュース,大麦若葉を配合した飲料用野菜ジュースのもと,大麦若葉を配合したコーヒーシロップ,大麦若葉を配合したシャーベット水,大麦若葉を配合したトマトジュース,大麦若葉を配合したシロップ,大麦若葉を配合した乳清飲料,大麦若葉を配合した乳清飲料のもと,大麦若葉を配合したアルコール分を含まない飲料,大麦若葉を配合した飲料製造用調整品」(以下「大麦若葉配合飲料」という場合がある。)と使用商標を使用した商品「トマト飲料」は関連性が極めて高いものである。
加えて、申立人は、トマト飲料、野菜飲料等の各種飲料を製造、販売している者であるところ、青汁飲料を含む野菜飲料の分野においてシェアが1位であり(甲11)、また、使用商標を使用したトマト飲料の発売後、「理想の○○」(「○○」は商品の品質、原材料。以下同じ。)というシリーズの飲料を全国で発売していた実情がある(甲12〜甲15)。
してみれば、本件商標は、これをその指定商品中「大麦若葉配合飲料」に使用した場合、その取引者、需要者において、申立人の業務に係るトマト飲料に使用して広く知られている使用商標を連想、想起させ得るものであり、その商品が申立人又は申立人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように誤認させ、その出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。
したがって、本件商標は、その指定商品中、第32類「大麦若葉を配合した飲料用青汁,大麦若葉を配合した飲料用青汁のもと,大麦若葉を配合した清涼飲料,大麦若葉を配合した清涼飲料のもと,大麦若葉を配合したビール風味の清涼飲料,大麦若葉を配合した果実飲料,大麦若葉を配合した果実飲料のもと,大麦若葉を配合した飲料用野菜ジュース,大麦若葉を配合した飲料用野菜ジュースのもと,大麦若葉を配合したコーヒーシロップ,大麦若葉を配合したシャーベット水,大麦若葉を配合したトマトジュース,大麦若葉を配合したシロップ,大麦若葉を配合した乳清飲料,大麦若葉を配合した乳清飲料のもと,大麦若葉を配合したアルコール分を含まない飲料,大麦若葉を配合した飲料製造用調整品」について、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
本件商標権者は、前記第4の取消理由に対して、要旨以下のとおり意見を述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第48号証を提出した。
(1)外観、称呼、観念、文法構成上などの観点から、本件商標と使用商標はそれぞれ一体不可分の商標であり、両商標の構成全体とを比較すると、外観・称呼・観念のいずれの点からも非類似の商標である。
(2)清涼飲料水の分野における「理想のトマト」のシェアが僅少であることなどから、本件商標の出願時及び登録査定時において、使用商標が飲料業界の取引者及び需要者の間で周知著名性を獲得していたとは到底考えられない。
(3)使用商標の出願前から、「理想の」の語と指定商品の品質、原材料等を組み合わせた語が出願、登録されていることからも、使用商標に独創性は認められないことは明らかである。
(4)本件の指定商品は、前記第1のとおり、商標権の一部抹消の登録がされた結果、「粉末状」の「大麦若葉を配合した飲料用青汁,大麦若葉を配合した飲料用青汁のもと」のみとなっているところ、当該本件指定商品「大麦若葉を配合した粉末状の青汁」と使用商標を使用した商品「トマト飲料」とは、商品の売り場、販売チャネル等が大きく異なるゆえに、両商品の関連性は決して高くはなく、取引者、需要者も共通にするものではない。
(5)本件指定商品「大麦若葉を配合した粉末状の青汁」の需要者は高い注意力をもって商品を選択する傾向があることなどの業界の実情を踏まえても、商品の出所について混同を生じる蓋然性は何ら認められない。
以上より、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではなく、同法第43条の3第2項の規定により取り消されるべきものではない。
(1)使用商標の周知性について
ア 申立人の提出に係る証拠、同人の主張及び職権調査によれば、以下の事実が認められる。
申立人は、トマト飲料、野菜飲料、青汁飲料、果実飲料等の各種飲料を製造、販売している飲料会社であり(甲7〜甲15、別掲の職権調査(1))、平成23年(2011年)5月から、使用商標を付したトマト飲料の全国発売を開始するとともに、「理想のトマト」の文字からなる登録商標(登録第5470929号商標)を有し、現在も使用商標を付したトマト飲料を販売している(甲7〜甲10、甲16、別掲の職権調査(2)及び(3))。また、使用商標を付したトマト飲料は、平成26年(2014年)に、31億5,000万円の売上高があり、トマト飲料の分野において、12.8%のシェアを占めている(甲11)。
イ 上記アの事実からすれば、使用商標は、申立人の業務に係る商品(トマト飲料)を表示するものとして、本件商標の登録出願の日前には、取引者、需要者の間に広く認識されていたものといえ、その周知性は、本件商標の登録査定日においても継続していたものといえる。
(2)本件商標と使用商標の類似性について
本件商標は、前記第1のとおり、「理想の大麦若葉」の文字を標準文字で表してなるものであり、その構成中、「大麦若葉」の文字部分は、その指定商品の品質、原材料を表すものであるから、「理想の」の文字部分が看者に強い印象を与えるものである。
他方、使用商標は、「理想の」の文字と「トマト」の文字を上下二段に書してなるものであり、その構成中、「トマト」の文字部分は、使用商標を使用したトマト飲料の品質、原材料を表すものであるから、「理想の」の文字部分が看者に強い印象を与えるものといえる。
そして、本件商標と使用商標とを比較すると、両商標は、外観において、看者に強い印象を与える語頭の「理想の」の文字を共通にするものであり、また、いずれも、「理想の」の文字の後に商品の品質、原材料を表す文字を結合した「理想の○○」の文字構成からなるものであるから、互いに近似した印象を与えるものである。
(3)商品の関連性について
本件商標の指定商品中、「大麦若葉を配合した飲料用青汁,大麦若葉を配合した飲料用青汁のもと」については、その形状において、液体のものや、粉末状のもの等があるところ、本件商標の指定商品中、「大麦若葉を配合した飲料用青汁(粉末状のものを除く。),大麦若葉を配合した飲料用青汁のもと(粉末状のものを除く。),大麦若葉を配合した清涼飲料,大麦若葉を配合した清涼飲料のもと,大麦若葉を配合したビール風味の清涼飲料,大麦若葉を配合した果実飲料,大麦若葉を配合した果実飲料のもと,大麦若葉を配合した飲料用野菜ジュース,大麦若葉を配合した飲料用野菜ジュースのもと,大麦若葉を配合したコーヒーシロップ,大麦若葉を配合したシャーベット水,大麦若葉を配合したトマトジュース,大麦若葉を配合したシロップ,大麦若葉を配合した乳清飲料,大麦若葉を配合した乳清飲料のもと,大麦若葉を配合したアルコール分を含まない飲料,大麦若葉を配合した飲料製造用調整品」(以下「大麦若葉を配合した飲料用青汁(粉末状のものを除く。)等」という場合がある。)と使用商標を付した商品「トマト飲料」は、いずれも野菜を原材料とする飲料といい得るものである。また、飲料会社は、一般に、清涼飲料、果実飲料、野菜飲料、乳清飲料など、様々な飲料を製造、販売していることが多く、それらの飲料は、小売店等において同じ飲料売り場で販売されている。
そうすると、本件商標の指定商品中「大麦若葉を配合した飲料用青汁(粉末状のものを除く。)等」と使用商標に係る商品「トマト飲料」とは、原材料、製造者、販売場所を共通にする場合が多く、取引者、需要者を共通にするものであるから、関連性が極めて高い商品といえるものである。
(4)取引の実情について
申立人の提出に係る証拠によれば、申立人は、青汁飲料を含む野菜飲料の分野において、平成26年(2014年)に、303億5,000万円の売上高があり、シェアが1位であること(甲11)、平成24年(2012年)6月から同25年(2013年)6月までに、「理想のオレンジ」、「理想のぶどう」、「理想のりんご」、「理想のパイン」という商品名のオレンジジュース、ぶどうジュース等の果実飲料を、全国で発売したこと(甲12〜甲15)が認められる。
(5)混同を生ずるおそれ
上記(1)ないし(3)のとおり、使用商標は、申立人の業務に係るトマト飲料を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く認識されていたものといえ、また、本件商標と使用商標は互いに近似した印象を与えるものであり、さらに、本件商標の指定商品中「大麦若葉を配合した飲料用青汁(粉末状のものを除く。)等」と使用商標を使用した商品「トマト飲料」は関連性が極めて高いものである。
加えて、申立人は、トマト飲料、野菜飲料等の各種飲料を製造、販売している者であるところ、上記(4)のとおり、青汁飲料を含む野菜飲料の分野においてシェアが1位であり、また、使用商標を使用したトマト飲料の発売後、「理想の○○」というシリーズの飲料を全国で発売していた実情がある。
してみれば、本件商標は、これをその指定商品中「大麦若葉を配合した飲料用青汁(粉末状のものを除く。)等」に使用した場合、その取引者、需要者において、申立人の業務に係るトマト飲料に使用して広く知られている使用商標を連想、想起させ得るものであり、その商品が申立人又は申立人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように誤認させ、その出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。
(6)まとめ
したがって、本件商標は、その指定商品中、第32類「大麦若葉を配合した飲料用青汁(粉末状のものを除く。),大麦若葉を配合した飲料用青汁のもと(粉末状のものを除く。),大麦若葉を配合した清涼飲料,大麦若葉を配合した清涼飲料のもと,大麦若葉を配合したビール風味の清涼飲料,大麦若葉を配合した果実飲料,大麦若葉を配合した果実飲料のもと,大麦若葉を配合した飲料用野菜ジュース,大麦若葉を配合した飲料用野菜ジュースのもと,大麦若葉を配合したコーヒーシロップ,大麦若葉を配合したシャーベット水,大麦若葉を配合したトマトジュース,大麦若葉を配合したシロップ,大麦若葉を配合した乳清飲料,大麦若葉を配合した乳清飲料のもと,大麦若葉を配合したアルコール分を含まない飲料,大麦若葉を配合した飲料製造用調整品」について、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
(7)「粉末状の大麦若葉を配合した飲料用青汁,粉末状の大麦若葉を配合した飲料用青汁のもと」について
本件異議申立てに係る指定商品のうち、上記(6)の指定商品以外の指定商品である「粉末状の大麦若葉を配合した飲料用青汁,粉末状の大麦若葉を配合した飲料用青汁のもと」については、一般に、製薬会社や健康食品メーカーが製造していることが多く、インターネット等の通信販売や、薬局、ドラッグストア等のサプリメント売り場において販売されているものである(乙43〜乙45、乙47)。
他方、使用商標を使用した商品「トマト飲料」は、上記(3)のとおり、一般に、様々な飲料を製造、販売している飲料会社が製造することが多く、小売店等の飲料売り場において販売されているものである(乙44、乙46)。
以上のとおりの事実から、「粉末状の大麦若葉を配合した飲料用青汁,粉末状の大麦若葉を配合した飲料用青汁のもと」と「トマト飲料」については、同一の事業者が一般的に両商品を製造、販売等を行っているというべき実情は見いだせず、両商品の販売場所、流通経路等は相違するから、互いの商品の関連性が乏しく、取引者、需要者の共通性も低いものというべきである。
そうすると、本件商標は、上記(1)のとおり、使用商標が、申立人の業務に係るトマト飲料を表示するものとして知られているとしても、これをその指定商品中、「粉末状の大麦若葉を配合した飲料用青汁,粉末状の大麦若葉を配合した飲料用青汁のもと」に使用しても、これに接する取引者、需要者が使用商標を連想又は想起するとはいえず、申立人又は申立人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であると、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品である、第32類「粉末状の大麦若葉を配合した飲料用青汁,粉末状の大麦若葉を配合した飲料用青汁のもと」については、商標法第4条第1項第15号には該当しない。
商標権者は、前記第5のとおり、本件商標について、平成29年2月15日に申請し、登録された商標権の一部放棄を前提として、前記第4の取消理由には該当しない旨述べている。
しかしながら、登録異議申立てにおいては、その商標権の登録査定時に当該取消理由を有するかを判断するものであり、取消決定が確定したときは、その商標権は、初めから存在しなかったものとみなされるものであるのに対し、商標権の放棄については、その登録をその効力の発生要件としているものである。
そうすると、登録査定後に登録されたその商標権の一部放棄を前提として、本件商標が登録査定時に商標法第4条第1項第15号には該当していないという主張には矛盾があるから、商標権者の主張は採用できない。
(1)本件商標について
本件商標は、前記第1のとおり、「理想の大麦若葉」の文字からなるところ、その構成各文字は、同じ書体、同じ大きさで一体的に表されており、これから生じる「リソウノオオムギワカバ」の称呼も、無理なく一連に称呼できるものである。
そして、本件商標の構成中、「理想」の文字は、「行為・性質・状態などに関して、考え得る最高の状態」(株式会社岩波書店発行「広辞苑第六版」)の意味を有するものとして親しまれているものであり、「大麦若葉」の文字は、本願の指定商品の原材料等を表しているとしても、これらを格助詞の「の」で結合した本件商標は、全体として、「考え得る最高の状態の大麦若葉」程の意味合いを理解させるものとみるのが相当である。
そうすると、本件商標は、上記構成、称呼及び意味合いにおいては、これに接する取引者、需要者が「理想」の文字部分に着目し、当該文字から生じる称呼及び観念のみをもって取引に資するというよりは、その構成全体をもって一体不可分のものと認識、把握されるとみるのが自然であり、他に、「理想」の文字のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情も見いだせないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、前記第2のとおり、「理想」の文字からなるところ、該文字は、上記(1)のとおり、「行為・性質・状態などに関して、考え得る最高の状態」の意味を有するものであるから、「リソウ」の称呼及び「考え得る最高の状態」の観念を生じるものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とを比較すると、外観については、本件商標は、「理想の大麦若葉」の文字を表してなるのに対し、引用商標は「理想」の文字を書してなるものであるから、両者は、「の大麦若葉」の文字の有無において明確な差異を有し、外観上相紛れるおそれはない。
そして、称呼については、本件商標から生じる「リソウノオオムギワカバ」の称呼と、引用商標から生じる「リソウ」の称呼とは、その音数及び音構成が明らかに異なるものであるから、両者は、称呼上相紛れるおそれはない。
また、観念については、本件商標は「考え得る最高の状態の大麦若葉」の観念を生じるのに対し、引用商標は「考え得る最高の状態」の観念を生じるものであるから、両者は、観念上相紛れるおそれはない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれからみても、相紛れるおそれのない非類似の商標と判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品中、第32類「大麦若葉を配合した飲料用青汁(粉末状のものを除く。),大麦若葉を配合した飲料用青汁のもと(粉末状のものを除く。),大麦若葉を配合した清涼飲料,大麦若葉を配合した清涼飲料のもと,大麦若葉を配合したビール風味の清涼飲料,大麦若葉を配合した果実飲料,大麦若葉を配合した果実飲料のもと,大麦若葉を配合した飲料用野菜ジュース,大麦若葉を配合した飲料用野菜ジュースのもと,大麦若葉を配合したコーヒーシロップ,大麦若葉を配合したシャーベット水,大麦若葉を配合したトマトジュース,大麦若葉を配合したシロップ,大麦若葉を配合した乳清飲料,大麦若葉を配合した乳清飲料のもと,大麦若葉を配合したアルコール分を含まない飲料,大麦若葉を配合した飲料製造用調整品」について、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項により、その登録を取り消すべきものである。
また、本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については、取り消すべき理由がないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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