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Trademark Appeal Case

色彩表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2015−650035(T2015−650035/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,別掲1のとおりの構成からなり,第14類「Horological and chronometric instruments.」を指定商品として,2013年(平成25年)6月13日に,EUROPEAN UNIONにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,同年12月13日に国際商標登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は,「本願商標は,『HONEYGOLD』の欧文字を普通に用いられる方法で表してなるところ,該欧文字又は『ハニーゴールド』の片仮名が,『蜂蜜の色のような光沢(つや)のある金色』程度の色合いを指称する語として,本願の指定商品に関連する時計ベルトの他,アクセサリー,化粧品,家具,シャッター等の幅広い商品分野において使用されている事情よりすれば,本願商標を,上記色合いを有する指定商品に使用した場合,これに接する取引者,需要者は,出願人の業務に係る商品の識別標識であると理解,認識するというよりは,その商品の色の表示,すなわち品質であると理解,認識するというのが相当である。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記商品以外の商品に使用するときは,商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので,同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

3 当審においてした証拠調べ通知

当審において,本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて,職権に基づく証拠調べを実施し,同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき,請求人に対して,別掲3のとおりの事実を内容とする証拠調べの結果を通知した。

4 証拠調べに対する意見の要旨

請求人は,前記3の証拠調べ通知に対して,以下のように述べている。

(1)本願商標は,「HONEYGOLD」の欧文字を,全体を大文字で同書同体に一連に横書きした商標であり,該語は既存の英単語ではなく,常に一つの造語と理解されるべきである。

(2)本願商標に対し,使用事実があるとして引用された「Honey Gold」は同格の英単語が二つ存在していることを強調した表記である。

(3)本願商標は,「HONEY」及び「GOLD」として理解されるものではないからこそ,自他識別力が海外で認容されている(甲13及び甲14)。

また,本願商標と同一の称呼が生じる片仮名「ハニーゴールド」の使用事実を考慮するとしても,国際的に登録が認められている本願商標は,それ自体が,直ちに商品の品質(色彩)を想起させるものではない以上,商標法第3条第1項第3号には該当しない。

さらに,請求人の所有する国際登録第1198351号「HONIGGOLD」(甲15)は,本願商標と異なり,暫定拒絶通報に接することなく保護が認められている。

5 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は,別掲1のとおり,「HONEYGOLD」の欧文字を,ゴシック体調の書体で横書きしてなるものである。

そして,本願商標を構成する「HONEY」及び「GOLD」の各欧文字は,「はちみつ」及び「金,金色,黄金色」(ジーニアス英和辞典第5版)の意味を有する平易な英単語であり,また,これらの語を語源とする外来語の「ハニー」及び「ゴールド」も同様の意味を有する語(広辞苑第6版)として親しまれていることから,本願商標は,「HONEY」の欧文字と「GOLD」の欧文字とを組み合わせた構成からなるものと容易に認識されるものである。

ところで,原審及び前記3の証拠調べ通知で示した事実(別掲2及び3)によれば,色彩の名称に,「蜂蜜の色のような金色」を表すものとして「Honey Gold(honey gold)」があり(別掲2(7),別掲3(1)),また,本願の指定商品「Horological and chronometric instruments.」(日本語訳:計時用具)に属する腕時計(別掲2(6),別掲3(2)〜(4))のみならず,これと同様に身体につけて使用する服飾品(別掲2(1),(2))や化粧品(別掲2(3)〜(5))を含め幅広い商品分野(別掲2(8)〜(11))において,「Honey Gold(honey gold)」の欧文字の読みを表した「ハニーゴールド」の片仮名が,その商品の色彩が蜂蜜の色のような金色であることを表す語として,普通に使用されている実情がある。

そうすると,本願商標をその指定商品に使用した場合,これに接する取引者,需要者は,当該商品の品質(色彩)を表示するものとして認識するにとどまるとみるのが相当であるから,本願商標は,自他商品の識別機能を有しないというべきである。

したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)請求人の主張について

請求人は,本願商標は,構成全体でのみ把握され,一つの造語として認識されるべきであり,「HONEY」及び「GOLD」のそれぞれが英単語として理解されるものではないと主張する。

しかしながら,上記(1)のとおり,「HONEY」及び「GOLD」の各欧文字は,それぞれが平易な英単語であり,また,これらの語を語源とする外来語の「ハニー」及び「ゴールド」も親しまれていることから,本願商標は,その構成文字が全て大文字による欧文字で,同じ書体,同じ大きさで等間隔に配されているとしても,語の最小の意味単位からみて,「HONEY」及び「GOLD」の文字を結合した商標であると容易に認識されるものであり,全体として「ハニーゴールド」の自然な称呼が生じるものである。

そして,「Honey Gold(honey gold)」の欧文字及びその読みを表した「ハニーゴールド」の片仮名が色彩の名称及び商品の色彩を表すものとして普通に使用されていることは,原審及び証拠調べ通知で示した事実(別掲2及び3)のとおりである。

よって,本願商標は,単に商品の品質(色彩)を普通に用いられる方法で表示するにすぎない商標であるというのが相当であって,請求人の上記主張は採用することができない。

また,請求人は,本願商標又は「HONEYGOLD」の文字からなる商標が複数の国で商標登録されているから,本願商標の自他識別力は海外で許容されているのであって,「ハニーゴールド」の片仮名の使用事実を考慮しても,本願商標は,直ちに商品の品質(色彩)を想起させるものではなく,さらに,国際登録第1198351号「HONIGGOLD」が我が国で商標登録を受けていると主張する。

しかしながら,商標が識別力を有するか否かの判断は,登録査定時又は審決時において,取引の実情を勘案し,その指定商品の取引者,需要者の認識を基準として,商標ごと,各国ごとに個別具体的に判断すべきであるところ,本件の審決時における我が国における取引の実情及びその指定商品の取引者,需要者の認識は上記(1)のとおりであり,また,請求人が挙げた登録例「HONIGGOLD」は,本願商標とは構成を異にするものであるから,請求人の上記主張は採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,登録することができない。

よって,結論のとおり審決する。

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