Trademark Appeal Case
先願主義と称呼観念の類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2016−900385(T2016−900385/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第5878610号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,平成28年2月24日に登録出願,第28類「ゴルフ用手袋」及び第25類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として,同年8月12日に登録査定され,同年9月2日に設定登録されたものである。
第2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,本件商標が商標法第8条第1項に該当するとして引用する登録第5879869号商標(以下「引用商標」という。)は,「FINE」の欧文字を標準文字で表してなり,平成27年3月2日に登録出願,第28類「運動用具(登山用・サーフィン用・水上スキー用・スキューバダイビング用のものを除く。)」を指定商品として,同年28年9月9日に設定登録されたものであり,その商標権は現に有効に存続しているものである。
第3 登録異議申立ての理由(要旨)
申立人は,本件商標は,商標法第8条第1項の規定に違反して登録されたものであるから,商標法第43条の3第2項の規定に基づき,その指定商品中,第28類「ゴルフ用手袋」について,その登録を取り消されるべきである。
第4 本件商標に対する取消理由
当審において,商標権者に対し,「本件商標は,商標法第8条第1項に違反して登録されてものであるから,商標法第43条の3第2項の規定により,その登録を取り消すべきものである。」旨の取消理由を平成29年3月15日付けで通知した。
第5 商標権者の意見
前記第4の取消理由に対し,商標権者は,何ら意見を述べるところがない。
第6 当審の判断
1 商標法第8条第1項該当性について
(1)商標法第8条第1項について
商標法第8条第1項は,「同一又は類似の商品又は役務について使用をする同一又は類似の商標について異なつた日に二以上の商標登録出願があつたときは,最先の商標登録出願人のみがその商標について商標登録を受けることができる。」と規定しているので,以下,各要件について検討する。
(2)指定商品の類否について
本件商標の登録異議の申立てに係る指定商品は第28類「ゴルフ用手袋」であり,引用商標の指定商品は前記第2のとおり第28類「運動用具(登山用・サーフィン用・水上スキー用・スキューバダイビング用のものを除く。)」である。
そして,前者の指定商品「ゴルフ用手袋」は後者の指定商品の範ちゅうに含まれるものであるから,両者の指定商品は同一又は類似の商品といえる。
(3)商標の類否について
ア 本件商標は,別掲のとおりの構成からなり,やや図案化され色彩が施されているものの,容易に「Fine」の文字からなるものと認識させるものである。
そして,「Fine」の文字は,「ファイン」と発音され,「りっぱな,すばらしい」等の意味を有する我が国で親しまれた英語といえるから,本件商標は,該文字に相応し「ファイン」の称呼及び「りっぱな,すばらしい」の観念を生じるものである。
イ 引用商標は,前記第2のとおり「FINE」の文字からなるものであるから,上記と同様に,該文字に相応し「ファイン」の称呼及び「りっぱな,すばらしい」の観念を生じるものである。
ウ そこで,本件商標と引用商標を比較すると,両者は,外観において色彩及び図案化の有無,大文字と小文字及び文字の書体の差異を有するものの,「Fine(FINE)」の欧文字のつづりを共通にするものであり,称呼において「ファイン」の称呼を,観念において「りっぱな,すばらしい」の観念を同じくするものである。
そうすると,本件商標と引用商標とは,外観において欧文字のつづりを共通にし,称呼及び観念を同じくするものであるから,互いに相紛れるおそれのある類似する商標というべきものである。
(4)最先の出願人について
本件商標は,前記第1のとおり,平成28年2月24日に登録出願されたものであり,引用商標は,前記第2のとおり,平成27年3月2日に登録出願されたものであるから,本件商標よりも引用商標が先願と認められる。
そうすると,引用商標に係る商標登録出願人が最先の商標登録出願人といわなければならず,かつ,同人と本件商標に係る商標登録出願人(商標権者)とは同一人ではない。
(5)小括
以上のとおりであるから,本件商標は,同一又は類似の商品又は役務について使用をする同一又は類似の商標について異なつた日に二以上の商標登録出願があったときに,最先の商標登録出願人でない者(商標権者)が商標登録を受けたものといわざるを得ない。
したがって,本件商標は,商標法第8条第1項の規定に違反して登録されたものである。
2 まとめ
以上のとおり,本件商標の登録は,「結論掲記の指定商品」について,商標第8条第1項に違反してされたものであるから,同法第43条の3第2項の規定により,その登録を取り消すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
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