結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年異議第91421号 |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
1.本件商標
本件登録第4289527号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成10年7月10日に登録出願され、別記に示すとおりの構成よりなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同11年7月2日に設定登録されたものである。
2.登録異議の申立ての理由
本件商標は、平成8年12月26日に登録出願され、別記に示すとおりの構成よりなり、第25類「被服(但し、和服を除く。),ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物(但し、げたを除く。),運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同10年3月20日に設定登録された登録第4125490号商標と類似する商標であり、かつ、その指定商品も類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
3.本件商標に対する取消理由
本件登録異議の申立てがあった結果、本件商標を商標法第4条第1項第11号に該当するものとして通知した取消理由は、つぎのとおりである。
<取消理由>
本件商標は、登録異議申立人(以下、「申立人」という。)の引用する登録第4125490号商標(以下、「引用商標」という。)と外観において類似する商標であり、かつ、その指定商品中の「被服(但し、和服を除く。),ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」は、引用商標の指定商品と同一又は類似する商品である。
したがって、本件商標はその指定商品中の表記商品について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
4.商標権者の意見
(1)本件商標は、左側に右向きの三日月状の図形を配し、その下端部を右斜め上方に極めて長く細く線状に伸ばし、その右側には、左側の三日月状図形とは逆向きに、半分程度の大きさの三日月状図形を、下端部及び上端部がそれぞれ、右側に配された三日月状図形の右辺の中央及び上端部の一点で接する様に配して成るものであるのに対して、引用商標は、右斜め上方及び左斜め下方に伸びる楕円形状に渦巻き図形を構成して成るものである。
そして、本件商標は、流線型に描かれた2つの三日月状の図形を組み合わせていること、左側に配された三日月状図形の下端部が右斜め上方に極めて長く細く線状に伸びていること、更に、右側に配された三日月状図形の下端部が、左側に配された三日月状図形の右辺の中央の一点で、また、両三日月状図形の上端が一点でそれぞれ接していることから、本件商標全体からは鋭利な印象を受けるものであるのに対して、引用商標は、一筆書きの如く、一点から徐々に太くなり、右斜め上方に達した所で最も太くなった後、徐々に細くなる渦巻き図形を構成しており、渦巻き図形の大半が太い線で描かれていることから、引用商標全体からは丸みを帯びた柔らかい印象を受けるものである。
更に、本件商標は、左側の三日月状図形が右側の三日月状図形より大きく且つ太く描かれているものの、右側三日月状図形の下端部が右斜め上方に伸びていることから、商標全体からは、楕円形と言うよりは、円形の印象を受け、全体としてバランスが取れており、安定感が生じているものであるのに対して、引用商標は、右斜め上方及び左斜め下方に顕著に伸びていることから、商標全体から、楕円形の印象を受け、且つ一点から徐々に太くなり、右斜め上方に達した所で最も太くなっていることから、不安定感が生じているものである。
即ち、本件商標は、2つの流線型三日月図形の組み合わせから成り、全体として円形を想起させ、鋭利な印象を与え、且つ安定感が生じているのに対し、引用商標は、楕円形状に表された渦巻き図形を想起させ、丸みを帯びた柔らかい印象を与え、且つ不安定感が生じているものである。
そうしてみると、両商標は、直接対比観察した場合においては勿論のこと、時と場所を異にする隔離観察した場合においても、それぞれから生じる印象が全く異なることから、外観上彼此相紛れるおそれがないことは明らかである。
なお、申立人は、本件商標と引用商標は、英文字「e」を図形化した一筆書のものであり、英文字の「e」を左斜め上と右斜め下との間で圧縮して亦形した点で共通しており、全体の構図は同一であると主張している。
しかし、上述した通り、本件商標はその構成より、欧文字「e」を図案化した印象を受ける場合があるとしても、引用商標からは楕円形状に表された渦巻き図形の印象を受けるものであって、欧文字「e」を図案化した印象を受けることはないものである。
(2)本件商標と引用商標は、それぞれの構成よりして、特定の称呼及び観念は生じないものであるから、両商標は、称呼・観念上比較するに由ないものである。
(3)以上の次第で、本件商標と引用商標とは、称呼及び観念においては勿論のこと、外観においても彼此相紛れるおそれがなく、非類似の商標である
(4)申立人は、本件商標の商標権者に係る、本件商標と同一の構成よりなる登録第4289525号商標に対しても、引用商標とは上下が反転している他は全く同一の構成よりなる登録第2643859号商標及び登録第2591972号商標を引用して、異議を申立てていたものである。(なお、登録第4289525号商標に対する商標登録異議理由補充書に添付された証拠方法からも明らかであるが、登録第2643859号商標及び登録第2591972号商標が、実際に異議申立人が使用している商標の態様である。)
しかし、「本件商標は、その構成が欧文字『e』を図案化したものと看取されるのに対し、引用商標は、その構成が特殊なものであって、創作的な図形を描いてなるものと看取されるというのが相当であるから、時と所を異にして隔離的に観察した場合においても、両商標は、全く異なった印象を看者に与えるといえるものであって、外観において明らかに区別し得るものであり、また、その称呼及び観念においては比較すべくもなく、非類似の商標といわなければならない。」と判断され、「登録第4289525号商標の登録を維持する。」旨の決定がなされたものである(乙第1号証)。
当該事実からも、上述した本件商標権者の主張が妥当であることは明らかである。
よって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
5.当審の判断
本件商標と引用商標の構成は、それぞれ別記に示すとおりの構成よりなるところ、両者はいずれも欧文字「e」とおぼしき文字を看取させる点において構成の軌を一にするものであるから、両者を時と処を異にして離隔的に観察した場合、外観上彼此見誤るおそれがある類似の商標と判断するのが相当である。
なお、商標権者は、登録第4289525号商標に対する異議決定例を挙げて縷々述べているが、これらと本件とは事例を異にするものであるから、この点に関する商標権者の主張は採用し難い。
してみれば、本件商標は、その指定商品中「被服(但し、和服を除く。),ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」について商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものとして、その登録を取り消すべきものとした先の取消理由(上記3)は妥当なものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものといわざるを得ないから、商標第43条の3第2項の規定により、結論掲記の商品について、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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