sokuhyo

Trademark Appeal Case

称呼の同一性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2016−300450(T2016−300450/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4520746号商標(以下「本件商標」という。)は、「TRITON」の欧文字を標準文字で表してなり、平成11年4月12日に登録出願、第10類「電動式の脊椎の手術用機械器具,その他の医療用機械器具」を指定商品として、同13年11月9日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

なお、本件審判の請求の登録は、平成28年7月7日にされている。

第2 請求人の主張

請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、審判請求書、審判事件弁駁書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。

1 請求の理由

本件商標は、その指定商品中について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていないから、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取り消されるべきである。

2 答弁に対する弁駁

(1)乙第1号証及び乙第2号証として提出するカタログ(以下、総称して「本件カタログ」という。)の最終頁の記載については、これが印刷物数と倉庫業者への納入事実を示していると何等の裏付けもなく説明しているに過ぎず、そのような事実を立証するものではない。

乙第3号証の本件カタログの配布先情報は、データの性質、作成者、作成日などが不明であり、証拠能力を有していない。

乙第4号証について、作成者、作成日などが不明であり証拠能力を有しないと考えられることに加えて、ここに示される発注があったとしても、(株)マルヨシが本件カタログを発送した事実を証明するものではない。

(2)乙第5号証の1及び2の納品書からはここに記載されている商品がどのような商品であるのか一義的に理解できず、また、その商品に本件商標が使用されているかも不明である。

乙第5号証の3については、納品書に記載された商品に本件商標が付されていることが推察されるべきことを主張するに過ぎず、その事実を証明していることにはならない。

(3)乙第6号証の「添付文書」と称する書面は、その記載から作成日が2007年5月1日であることは分かるが、これが、何時、誰に対して、何部配布されたのかは一切不明である。

また、乙第6号証に記載されているのは片仮名「トライトン」であり、本件商標ではない。被請求人は、「TRITON」が「トライトン」と表記されることは一般的であると主張しているが、我が国においては、「TRITON」は「トリトン」との称呼及び「(ギリシャ神話の海神である)トリトン、(海王星の衛星である)トリトン、(三重陽子としての)トリトン」の観念として認識される(甲3、甲4)のであるから、少なくとも我が国においては、「TRITON」の自然な称呼は「トリトン」であると考えられる。したがって、乙第6号証に記載されている片仮名「トライトン」は本件商標の社会通念上同一の範囲に含まれない。

(4)以上のとおり、依然として、本審判請求の登録前3年以内の本件商標の請求に係る指定商品についての使用は立証されていない。

第3 被請求人の主張

被請求人は、結論同旨の審決を求め、答弁書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第10号証(枝番を含む。)を提出した。

1 本件商標の使用

本件商標は、本答弁書とともに提出するカタログ2014年度版及びカタログ2015年度版(乙1、乙2)の各第15頁に示すとおり、本件商標指定商品である「医療用機械器具」中「トライトンシステム 気動式小骨手術用パワーインストルメント」について使用されている。この本件商標の使用が、いわゆる自他商品識別力を発揮する態様での使用であることは、カタログ紙面の右上部に一際濃い紺色で、「TRITON」と目立つように書され、その右上部に「TM」(「商標」の意味)と付されていることからも明らかである。

当該カタログにも表されているとおり、本件商標が使用されている商品は、大きく分けて(a)ハンドピース、(b)アタッチメント、(c)ブレードから構成されている。このうち(a)ハンドピースについては、当該カタログの第15頁に示すとおり、1種類の「ハイトルク(HT)ハンドピース(同頁左上部)と3種類の「コンパクトマイクロソーハンドピース」(同頁右上部)があり、同頁下段に(b)ハイトルクハンドピース用等のアタッチメントや「トライトンホース」を含むアクセサリーが掲載されている。

このうち、同頁左上部に掲載されている「ハイトルク(HT)ハンドピース」の写真からも明らかなとおり、本件商標はその指定商品である「電動式の脊椎の手術用機械器具」を含む「医療用機械器具」に付されている。

また同頁右上部に大書されている本件商標が、これら(a)ハンドピース、(b)アタッチメント等の出所標識として使用されていることは言うまでもない。

さらに当該カタログの第25頁及び第27頁には「トライトンマイクロソー」として、上記(c)のブレードが数種類掲載されている。このうち第27頁掲載のブレードについては、当該頁右上部において、一際濃い紺色で、本件商標「TRITON」が目立つように書され、その右上部に「TM」(「商標」の意味)と付されている。

カタログ2014年度版(乙1)の最終頁右端に縦書きで示されている「PRPG.ST.01232014.B/FUK−FUK−2014.07.3000」のうち最終部分の「2014.07.3000」というのは「2014年7月に、3000部が印刷され、倉庫業者に納入された」という事実を意味するものである。同様に、カタログ2015年度版(乙2)最終頁右端に縦書きで示されている「PRPG.ST.03102015.A/FUK−FUK−2015.04.3000」のうち、後段の「2015.04.3000」というのは「2015年4月に、3000部が印刷され、倉庫業者に納入された」という事実を示すものである。これらカタログは、頒布需要が高いことから、乙第2号証は結局、総計6300部が印刷かつ納入されており、その配布先は日本メドトロニック株式会社(以下「日本メドトロニック社」という。)の各営業所や代理店向けがほとんどである。詳細な配布先情報は、営業秘密管理の観点から開示できないが、そのごく一部の情報について乙第3号証として提出する。この情報からも明らかなとおり、数千部が日本全国をほぼ網羅する住所地に送付されている。

したがって、本件商標が、その指定商品中「医療用機械器具」及び「電動式の脊椎の手術用機械器具」等に関する取引書類に付して頒布されていることは一目瞭然である。

なお、後述のとおり、被請求人は上記本件商標の日本国内における使用について日本メドトロニック社に対して許諾している。

以上のことから、被請求人ないし通常使用権者である日本メドトロニック社は、日本国内において本件商標又は本件商標と社会通念上同一と認められる商標を10類に属する指定商品について今日にいたるまで間断なく商標法第2条第3項第1号、第2号及び第8号に規定されている使用をしていることは明らかである。

2 本件審判の登録前3年以内(以下「要証期間内」という。)による本件商標の使用

(1)カタログにおける使用(乙1、乙2)

カタログは、倉庫業者の(株)マルヨシが、日本メドトロニック社向けにカスクマイズしたウェブ発注システムを通じて発注し、(株)マルヨシが受注確認後、日本メドトロニック株式会社から指示があった配布先に発送する仕組みになっている。したがって、当該ウェブ発注システムに記載されている時期が、すなわち当該カタログが実際に頒布された時期となる。そしてその時期が要証期間内であることは、当該ウェブ発注システムのデータの一部打ち出しからも明らかである(乙4)。

(2)納品書等における使用

本件商標を付した商品は、多種類かつ多数あるが、需要者及び取引者は、上記(1)のカタログに掲載されている品名やモデル名を引用して、注文や納品を行っている。

例えば、2013年9月26日付納品書では、「トライトンマイクロサジタルソーHP」(No.1の欄参照)や「トライトン ホース」(No.4参照)が秋田県の業者に納品されたことが示されている(乙5の1)。また、2014年6月24日付納品書では、「トライトン ホース」(No.1参照)が岡山県の業者に納品されたことが示されている(乙5の2)。さらに「TRITON」ないし「トライトン」と直接明記はされていないものの、上記カタログの品名やモデル名と照合すると明らかに本件商標を付した商品が取引された事実を伺える納品書が多くある。このうち2014年2月25日付納品書では、「マイクロサジクルブレード」(モデル名 271F1SS)(No.6参照)や「レシプロケーティング ブレード」(モデル名 250F1RS)(No.7参照)が名古屋市の業者に納品された事実が伺えるが(乙5の3)、このモデル名は、上記(1)のカタログの27頁に掲載されているモデル名と同一であるから、当該紙面に掲載されている「TRITON」商標を付した商品である。

(3)添付文書における使用

医薬品医療機器等法第63条の2第1項に基づき、医療用機械器具である本件商標指定商品を譲渡等するにあたり、当該医療機器の使用方法や使用上の注意事項等の記載が義務付けられており、それら使用方法や注意事項等を製品の容器または被包に記載しない場合は、それらを「添付文書」に記載する必要がある。要証期間内に本件商標の指定商品に付されていた「添付文書」には、当該指定商品の出所標識として「トライトン システム」ないし「トライトン ソーブレード」が表示されていることから、当該添付文書で本件商標と社会通念上同一の「トライトン」商標が使用されていることは明白である(乙6)。

3 本件商標の社会通念上同一の商標について

本件商標は、標準文字で「TRITON」と書されているところ、乙第1号証及び同第2号証のカタログにて使用されている「TRITON」(以下「使用商標」という。)は、濃紺色からなる太文字でかつ若干図案化されたものである。

しかしながら、多少図案化されているとはいえ、使用商標は欧文字の「TRITON」を表したと認識することができるばかりでなく、使用商標に接する需要者が「TRITON」以外の他の文字を想起するものとは考えにくい。したがって、使用商標は、本件商標と社会通念上の同一の範囲内の商標というのが相当である。

また、乙第1号証及び同第2号証の各第25頁並びに乙第5号証の1及び2に示すとおり、本件商標が「トライトン」と表されている場合がある。

しかしながら、商標法第50条は「登録商標(書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標、外観において同視される図形からなる商標その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。以下この条において同じ。)」と規定している。

そうとすれば、たとえ本件商標が「トライトン」と片仮名で表示されていたとしても、「TRITON」が「トライトン」と表記されることは一般的であることから(乙7)、「TRITON」と「トライトン」が称呼及び観念を同一にすることは明らかである。したがって「トライトン」のみの使用であっても本件商標の「社会通念上同一の商標」の使用と認められることに疑いをはさむ余地はない。

また、本件商標はローマ字のみを組み合わせた商標であるところ、それを使用する対象である第10類に属する指定商品「医療用機械器具」及び「電動式の脊椎の手術用機械器具」等は、いわゆる「医療機器」に該当する。医療機器に関する業界団体である日本医療機器産業連合会が編集した「医療機器製造販売申請の手引」の第510頁「2.2.2 販売名欄」にて「次のような場合等は承認を与えないことがある。」として「オ」ローマ字又は英数字のみを組み合わせた販売名」と明記され(乙8)、独立行政法人医薬品医療機器総合機構による「後発医療機器承認申請」チェックリストの「No.13」「名称欄」でも「販売名が記載され、英数字のみの販売名になっていないか」とある(乙9)ところからも明らかなとおり、医療機器業界団体の規制に基づき、「医療用機械器具」等に関しては、日本国内で販売するにあたって「ローマ字」のみからなる商標をそのまま使用できないという制約がある。このような医療関連法規に基づく制約から、被請求人は、通常使用権者である株式会社メドトロニック社に対して本件商標「TRITON」から自然に生じる称呼である「トライトン」を本願指定商品に関して使用するよう求めざるを得なかったという現実の取引事情がある。

なお、乙号証中、「トライトン ホース」等、本件商標と社会通念上同一の商標が「ホース」等の普通名称と併記して表示されている場合があるが、これは指定商品等との関係で「トライトン」の部分のみが出所識別標識、すなわち商標として使用されていることは明らかである。

したがって、本件商標及び本件商標と社会通念上同一と認められる商標はその指定商品に明確に付されており、また付したものが譲渡され、さらに指定商品に関する取引書類に付して頒布等されていることから、被請求人ないし通常使用権者が、本件商標を商標法第2条第3項第1号、同項第2号及び同項第8号に規定する「使用」を行っていることは明白である。

4 被請求人と通常使用権者の関係について

被請求人は、米国の医療機器会社メドトロニック社の関連会社であるところ、本件商標を、その指定商品について使用する権利を、日本メドトロニック社に対して、要証期間内に許諾していた事実がある(乙10)。

契約は、当事者間の合意があれば成立するというべきであるから、乙第10号証の宣誓書をもって、被請求人より日本メドトロニック社が本件商標の商標権の通常使用権を許諾されていたとみることは、何ら不自然ということはできない。そうすると、日本メドトロニック社が、被請求人である商標権者より本件商標の商標権について通常使用権の許諾を得ていたものとみて何ら差し支えないものである。

以上より、被請求人ないし通常使用権者が、本件審判の予告登録前3年以内に日本国内において本件商標及び本件商標と社会通念上同一と認められる商標を第10類に属する指定商品「医療用機械器具」及び「電動式の脊椎の手術用機械器具」等について「自他商品役務識別標識」として商標法第2条第3項第1号、同項第2号又は同項第8号に規定されている使用をしていることは疑いをはさむ余地のない明白な事実である。

5 まとめ

以上述べたことからして、本件商標が本件審判の取消請求に係る商品について要証期間内に被請求人ないし通常使用権者によって使用されていたことが客観的に証明された。

第4 当審の判断

1 認定事実

証拠及び被請求人の主張によれば、以下の事実が認められる。

(1)乙第1号証及び同第2号証は、日本メドトロニック社による、2014年度及び2015年度版のカタログとのことであるが、該カタログの15頁の「トライトンシステム/気動式小骨手術用パワーインストルメント」において掲載されている商品中、「コンパクトマイクロソーハンドピース」の項目の下に「マイクロサジタルソーハンドピース」、「モデル番号:720002」の記載と共に、商品の写真が掲載され、当該商品には「TRITON」の表示が確認できる(以下「使用商品」という。)。そして最終頁には「製造販売業者」として日本メドトロニック社の名称の記載、「Medtoronic Japan Co.,Ltd.2014.All Rights Resrved.Printed in Japan」の記載のほか、それぞれ、「PRPG.ST.01232014.B/FUK−FUK−2014.07.3000」及び「PRPG.ST.03102015.A/FUK−FUK−2015.04.3000」の記載が確認できる。

(2)乙第5号証の1は、2013年9月26日付け納品書の写しとのことであるが、当該納品書の右上には「2013年09月26日」の記載があり、左上には日本メドトロニック社の名称及び受注センターの住所及び問合せ先の記載がある。日本メドトロニック社の名称等の記載の下には、請求先及び届け先として、秋田市の住所及び顧客の名称と思われる「(株)○○(○○の部分は塗りつぶされている。)」の記載がある。納品書中央部の商品等の記載欄の1番目の段には、「No.」の項目に「1」の記載が、「品名/略称/UPN/モデル」の項目に「トライトンマイクロサジタルソーHP」及び「00613994458216 720002」の記載が、商品「数量」の項目に「1」の記載が、「単価」及び「金額」の項目には共に「415,000」の記載が確認できる。

(3)乙第6号証は、医療機器の使用方法や使用上の注意事項を記載した添付文書の写しとのことであるが、当該添付文書の1/4頁の左上には「2007年5月1日作成(新様式第1版)」、「Medtronic」及び「一般医療機器」の記載があり、頁の左下には「マイクロサジタルソーハンドピース」の記載と共に、商品の写真が掲載され、当該商品には「TRITON」の表示が確認できる。そして4頁目の左下には【製造販売業者】として日本メドトロニック社の名称の記載が確認できる。

(3)乙第10号証は、被請求人(商標権者)の宣誓書とのことであるが、当該宣誓書には、被請求人(商標権者)が本件商標を日本国内で「医療機械器具」について使用する権利を、メトドトロニックソファモアダネック株式会社及び日本メドトロニック社に対して、2013年7月7日から2016年7月6日の間、許諾していた旨の宣誓が記載されている。

2 判断

(1)使用標章について

乙第1号証及び乙第2号証のカタログの15頁に掲載されている使用商品並びに乙第6号証の添付文書の1/4頁に掲載されている使用商品に表示された「TRITON」の標章は、本件商標とは、その文字種及び綴りを同一にするものであるから社会通念上同一の標章といえる。

(2)使用商品について

乙第1号証、乙第2号証及び乙第6号証に表された使用商品は、前記書証中に記載の「気動式小骨手術用パワーインストルメント」及び「一般医療機器」等の記載から、本件審判の請求に係る指定商品中の「医療用機械器具」に含まれる商品と認められる。

(3)本件商標の使用者について

乙第1号証及び乙第2号証のカタログの最終頁に「製造販売業者」として日本メドトロニック社の名称の記載があることにより、当該カタログは日本メドトロニック社に係るものと認められることから、当該カタログに表示された標章の使用者は日本メドトロニック社といえる。そして、乙第10号証によれば、商標権者は、本件商標を日本国内で「医療機械器具」について使用する権利を、少なくとも要証期間内に日本メドトロニック社に対して許諾していたのであるから、日本メドトロニック社は、本件商標についての通常使用権者であったといって差し支えない。

(4)商標の使用について

ア 商品への使用について

乙第1号証及び乙第2号証の日本メドトロニック社のカタログ最終頁の「Medtoronic Japan Co.,Ltd.2014.All Rights Resrved.Printed in Japan」の記載と、乙第1号証の「PRPG.ST.01232014.B/FUK−FUK−2014.07.3000」及び乙第2号証の「PRPG.ST.03102015.A/FUK−FUK−2015.04.3000」の記載のうち、「2014.07.3000」の部分が2014年7月に、3000部が印刷されたことを示し、「2015.04.3000」の部分が2015年4月に、3000部が印刷されたことを示すという被請求人の主張に不自然な点は無い。

また、乙第1号証及び乙第2号証のカタログの15頁に掲載されているモデル番号「720002」で特定される使用商品と、乙第6号証の2007年5月1日に作成された日本メドトロニック社による添付文書の1/4頁に掲載された使用商品は、商品名、形状、商品に表示された「TRITON」標章がほぼ一致することが確認できることから、使用商品は、少なくとも2007年5月1日から要証期間内である2015年4月まで継続して、乙第1号証、乙第2号証及び乙第6号証に掲載されている商品写真の態様で製造販売していたと推認できる。

これより、通常使用権者である日本メドトロニック社が、要証期間内に本件審判の請求に係る指定商品中の「医療用機械器具」に含まれる商品について、本件商標と同一又は社会通念上同一の標章を付したと理解され、これは、商標法第2条第3項第1号の使用に該当する。

イ 商品の譲渡について

2013年9月26日付け納品書(乙5の1)の商品等の記載欄の1番目の段には「品名/略称/UPN/モデル」の項目に「トライトンマイクロサジタルソーHP」及び「00613994458216 720002」の記載があり、当該記載中の「マイクロサジタルソーHP」及び「720002」の記載は、乙第1号証及び乙第2号証のカタログの15頁に掲載の使用商品の「マイクロサジタルソーハンドピース」及び「モデル番号:720002」と酷似又は一致することから、当該記載の商品は乙第1号証及び乙第2号証のカタログに掲載の使用商品と同一の商品であるといえる。

そして、当該納品書に記載の請求先及び届け先、「数量」、「単価」及び「金額」から、通常使用権者である日本メドトロニック社が、要証期間内である2013年(平成25年)9月26日に、本件審判の請求に係る指定商品中の「医療用機械器具」に含まれる商品に本件商標と同一又は社会通念上同一の標章を付し、この商品1個を秋田市所在の顧客に単価415,000円として納品(譲渡)したといえ、これは、商標法第2条第3項第2号の使用に該当する。

3 むすび

以上のとおり、商標権者は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、本件審判の請求に係る指定商品に含まれる商品「医療用機械器具」について、本件商標と社会通念上同一と認められる標章の使用を証明したということができる。

したがって、本件商標の登録は、本件審判の請求に係る指定商品について、商標法第50条により、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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