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Trademark Appeal Case

「さくら」の識別力と称呼類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2017−5245(T2017−5245/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第43類に属する願書に記載のとおりの役務を指定役務として、平成28年2月24日に登録出願、その後、その指定役務については、前審における同年8月26日付けの手続補正書、及び当審における同29年5月12日付け手続補正書によって、「とんかつを主とする飲食物の提供」に補正されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録5688642号商標は、別掲2のとおりの構成からなり、平成25年7月26日登録出願、第43類「串カツを主とする飲食物の提供」を指定役務として、同26年7月25日に設定登録され、現にその商標権は有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)本願商標

本願商標は、別掲1のとおり、「とんかつ」の文字の下に、赤色の円を背景にした円周を伴う桜の花とおぼしき図を白抜きで表した図形と、「神楽坂」の文字を配し、これらの右側に、「さくら」の文字を大きく筆文字で書した構成からなるものである。

そして、その構成中の図形部分は、桜の花をモチーフにしたものと看取できるとしても、直ちに特定の図形を表したものと看取されるものとはいい難いものであるから、該図形部分よりは、特定の称呼、観念は生じないものである。

また、構成中の「とんかつ」の文字は、「豚肉のカツレツ。」(「広辞苑第六版」株式会社岩波書店)を意味する語であり、「神楽坂」の文字は、「東京都新宿区東部の地名。もとは牛込見付から上る坂の名で、花街として知られた。」(「デジタル大辞泉」小学館)を意味する語であるから、本願の指定役務との関係においては、それぞれ、役務の提供における料理名、及び役務の提供の場所を表示するものとして、取引者、需要者に理解されるものであるから、これらの文字部分は、自他役務の識別力を有しないものである。

加えて、構成中の「さくら」の文字については、平成29年5月12日付け手続補正書によって提出された証拠によれば、とんかつや串カツ、和食の飲食業界において、店名として、「さくら」あるいは、これをローマ字表記した「SAKURA」、漢字表記した「桜」、「櫻」の文字に、識別力を有しない語を組み合わせた構成からなる店名が相当程度見受けられるところである。

そうすると、本願商標中の「さくら」の文字部分は、本願商標の指定役務との関係においては、店名において多数使用される文字として、取引者、需要者に知られているものというべきであるから、該文字についての自他役務の識別標識としての機能は極めて弱いものというのが相当である。

してみれば、本願商標の文字部分においては、その構成文字全体をもって取引に資されるというのが相当であるから、本願商標からは、その構成文字に相応して「トンカツカグラザカサクラ」の称呼を生じ、また、「とんかつ神楽坂さくらという店名」の観念を生じるものである。

(2)引用商標

引用商標は、別掲2のとおりの構成からなるところ、放射状に飛び出す線に囲まれた、中央部分が赤色の桜とおぼしき図形を左側に配し、右側には、「串カツ」の文字と、やや大きめの筆文字で「さくら」の文字を横書きし、さらにその右に、「満」の文字の落款を付した構成からなるものである。

そして、構成中の図形部分は、桜の花をモチーフにしたものと看取できるとしても、直ちに特定の図形を表したものと看取されるものとはいい難いものであるから、該図形部分よりは、特定の称呼、観念は生じないものである。

また、構成中の落款については、商標を装飾する部分として付記的なものであって、引用商標中の該部分を持って、取引に資するとはいえないというのが相当である。

そして、構成中の「串カツ」の文字は、「揚げ物料理の一種。豚肉と葱または玉葱を交互に串に刺し、衣をつけて揚げたもの。」(「広辞苑第六版」株式会社岩波書店)を意味する語であり、引用商標の指定役務との関係においては、役務の提供の用に供するものを理解させるものであるから、該文字部分よりは、自他役務の識別力を有しないものである。

加えて、構成中の「さくら」の文字は、(1)のとおり、引用商標の指定役務との関係においては、和食の飲食業界では、店名において多数使用される文字として、取引者、需要者に知られているものというべきであるから、該文字についての自他役務の識別標識としての機能は極めて弱いものというのが相当である。

してみれば、引用商標の文字部分においては、その構成文字全体をもって取引に資されるというのが相当であるから、引用商標からは、その構成文字に相応して「クシカツサクラ」の称呼を生じ、また、「串カツさくらという店名」の観念を生じるものである。

(3)本願商標と引用商標の類否

本願商標と引用商標を比較すると、両商標は、上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ、その図形部分は明らかに相違するものであって、文字部分についても、構成文字及び態様が異なるものであるから、両商標は、外観上、明確に区別できるものである。

次に、称呼においては、本願商標から生じる「トンカツカグラザカサクラ」の称呼と引用商標から生じる「クシカツサクラ」の称呼とは、その構成音数、構成音に明らかな差異を有するものであるから、両商標は、称呼上、明確に聴別できるものである。

また、観念においては、本願商標よりは、「とんかつ神楽坂さくらという店名」の観念が生じ、引用商標よりは、「串カツさくらという店名」の観念が生じるものであるから、両商標は、観念上、明確に区別できるものである。

そうすると、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標である。

(4)まとめ

以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。

その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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