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Trademark Appeal Case

商標と商品の類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2016−900198(T2016−900198/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5845006号商標の指定商品中,第25類「被服,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5845006号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,平成27年7月1日に登録出願,同28年3月29日に登録査定,第24類「織物,メリヤス生地,フェルト及び不織布,布製身の回り品,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,織物製テーブルナプキン,ふきん,シャワーカーテン,織物製トイレットシートカバー,織物製椅子カバー,織物製壁掛け,カーテン,テーブル掛け」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として,同年4月22日に設定登録されたものである。

2 引用商標

商標異議申立人(以下「申立人」という。)が,本件商標登録異議の申立ての理由として引用する国際登録第1238820号商標(以下「引用商標」という。)は,「Marie−Antoinette」の文字を横書きしてなり,2014年8月22日にBeneluxにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,同年(平成26年)12月5日に国際商標登録出願,第18類「Animal skins; umbrellas, parasols; whips and saddlery; collars for animals; envelopes, of leather, for packaging and pouches, of leather, for packaging; clothing for pets.」,第25類「Clothing; footwear (other than 'fittings of metal and pull strap for footwear'); head gear.」,並びに,第3類及び第9類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同29年2月10日に設定登録されたものである。

3 登録異議申立ての理由

申立人は,本件商標について,申立人の所有する引用商標と観念及び称呼を共通にするものであり,引用商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから,本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当し,その登録は取り消されるべきものである旨申し立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第17号証を提出した。

4 当審における取消理由

当審において,本件商標権者に対して平成29年2月10日付けで通知した取消理由の内容は,要旨以下のとおりである。

(1)本件商標の「Marie antoinette」の文字部分と,「Marie−Antoinette」の文字からなる引用商標は,外観において類似し,「マリーアントワネット」の称呼及び「(ルイ16世の妃)マリーアントワネット」の観念を同じくするものであるから,本件商標と引用商標は,類似の商標である。

(2)本件商標の指定商品中,第25類「被服,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」と,引用商標の指定商品中,第18類「whips and saddlery;」及び第25類「Clothing; footwear (other than 'fittings of metal and pull strap for footwear'); head gear.」とは,同一又は類似の商品である。

(3)したがって,本件商標は,その指定商品中,第25類「被服,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」について,商標法第8条第1項の規定に違反して登録されたものである。

5 本件商標権者の意見

上記4の取消理由に対し,本件商標権者は何ら意見を述べるところがない。

6 当審の判断

(1)商標法第8条第1項について

商標法第8条第1項は,「同一又は類似の商品又は役務について使用をする同一又は類似の商標について異なつた日に二以上の商標登録出願があつたときは,最先の商標登録出願人のみがその商標について商標登録を受けることができる。」と規定している。

(2)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について

本件商標の指定商品は,第25類「被服,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を含むものであり,引用商標の指定商品は,第18類「whips and saddlery;」及び第25類「Clothing; footwear (other than 'fittings of metal and pull strap for footwear'); head gear.」を含むものであるところ,本件商標の上記指定商品中「被服」と引用商標の指定商品中第25類「Clothing; head gear.」とは,同一の商品である。

次に,本件商標の上記指定商品中「履物,運動用特殊靴」と引用商標の指定商品中第25類「footwear (other than 'fittings of metal and pull strap for footwear');」とは,いずれも靴類であるから,同一又は類似する商品であり,本件商標の上記指定商品中「運動用特殊衣服」と引用商標の指定商品中第25類「footwear (other than 'fittings of metal and pull strap for footwear');」に含まれる「boots for sports(運動用特殊靴)」とは,その販売部門・品質・用途を同一にするものであり,その需要者を共通にする類似の商品と認められるものである。

また,本件商標の上記指定商品中「運動用特殊靴」に含まれる「乗馬用靴」と引用商標の指定商品中第18類「whips and saddlery;」とは,その販売部門・品質・用途が一致するものであり,その需要者を共通にする類似の商品と認められるものである。

したがって,本件商標の指定商品中第25類「被服,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」と引用商標の指定商品中第18類「whips and saddlery;」及び第25類「Clothing; footwear (other than 'fittings of metal and pull strap for footwear'); head gear.」とは,同一又は類似の商品である。

(3)商標の類否について

ア 本件商標について

本件商標は,別掲のとおり,フランス語で,細字のイタリック体の「les filles de」の欧文字と,太字で「Marie antoinette」の手書き風の欧文字とを上下2段に書した構成からなるものである。

そして,本件商標の構成が上下2段に表されていること及び上段と下段を構成する字体が相違していることから,視覚上,「les filles de」の欧文字と「Marie antoinette」の欧文字とに分離して看取されるといえるものである。

また,本件商標は,その構成全体として我が国において親しまれた意味合いを理解させるものとは認め難いものであるから,常に一体のものとして認識されるものではなく,下段に大きく太字で顕著に表された「Marie antoinette」の文字部分に着目して,取引に資される場合が少なくないものとみるのが相当である。

そうすると,本件商標と引用商標の類否判断において,本件商標の構成中「Marie antoinette」の文字部分のみを引用商標と比較することが許されるものであり,該文字部分は,我が国においても広く知られた「(ルイ16世の妃)マリーアントワネット」を表す語と認められるから,本件商標は,該文字部分に相応して「マリーアントワネット」の称呼及び「(ルイ16世の妃)マリーアントワネット」の観念を生じるものである。

イ 引用商標について

引用商標は,上記2のとおり,「Marie−Antoinette」の文字及び記号からなるものであり,その構成文字は,本件商標の下段を構成する文字と同一であるから,「マリーアントワネット」の称呼及び「(ルイ16世の妃)マリーアントワネット」の観念を生じるものである。

ウ 本件商標と引用商標との類否について

本件商標は,別掲のとおりの構成態様により表してなるのに対し,引用商標は,「Marie−Antoinette」の文字を横書きしてなるものであるから,構成全体の外観においては相違するものの,本件商標の構成中「Marie antoinette」の文字部分と引用商標とは,その字体において相違するが,「−(ハイフン)」以外の文字のつづりを共通にするものであるから,本件商標と引用商標とは,構成全体として近似した印象を与えるものである。

そして,本件商標と引用商標は,「マリーアントワネット」の称呼及び「(ルイ16世の妃)マリーアントワネット」の観念を同じくするものである。

したがって,本件商標と引用商標とは,外観において近似し,両者から生じる「マリーアントワネット」の称呼及び「(ルイ16世の妃)マリーアントワネット」の観念を同じくするものであるから,これが同一又は類似する商品に使用された場合,その出所について混同を生ずるおそれのある類似の商標というのが相当である。

(4)最先の出願人について

本件商標は,上記1のとおり,平成27年7月1日に登録出願されたものであり,引用商標は,上記2のとおり,2014年(平成26年)8月22日にBeneluxにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し国際商標登録出願されたものであって,同主張が認められたものであるから,本件商標よりも引用商標が先願と認められる。

そうすると,引用商標に係る商標登録出願人が最先の商標登録出願人であって,かつ,同人と本件商標に係る商標登録出願人(商標権者)とは同一人ではない。

(5)まとめ

以上のとおり,本件商標の指定商品中第25類「被服,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」と,引用商標の指定商品中第18類「whips and saddlery;」及び第25類「Clothing; footwear (other than 'fittings of metal and pull strap for footwear'); head gear.」とは,同一又は類似する商品であって,本件商標と引用商標とは,類似する商標である。

そして,最先の商標登録出願人である引用商標の商標権者と,本件商標権者は,同一人ではない。

よって,本件商標は,同一又は類似の商品について使用をする類似の商標について異なった日に二以上の商標登録出願があった,最先の商標登録出願人でない本件商標権者が商標登録を受けたものと認められる。

したがって,本件商標は,その指定商品中,第25類「被服,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」について,商標法第8条第1項の規定に違反して登録されたものである。

(6)むすび

以上のとおり,本件商標の指定商品中,第25類「被服,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」についての登録は,商標法第8条第1項に違反してされたものと認められるから,商標法第43条の3第2項の規定により,取り消すべきものである。

また,本件商標のその余の指定商品については,その登録を取り消すべき理由がないから,同法第43条の3第4項の規定により,登録を維持すべきものとする。

よって,結論のとおり決定する。

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