結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定役務についての商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 異議2016−900322(T2016−900322/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第5864577号商標(以下「本件商標」という。)は,「Android Care」の文字を標準文字で表してなり,平成27年12月18日に登録出願,同28年6月16日に登録査定,第37類「コンピュータハードウエア・コンピュータ周辺装置・コンピュータネットワーク用ハードウエアの保守・修理及び設置工事,コンピュータハードウエア・コンピュータ周辺装置・コンピュータネットワーク用ハードウエアの保守に関する助言」及び第42類「コンピュータハードウエア・コンピュータ周辺装置及びコンピュータソウトウエアに関連する問題解析のための技術的援助,インターネット・音声電気通信ネットワーク経由でのコンピュータハードウエア・コンピュータ周辺装置及びコンピュータソフトウエアに関連する問題解析のための技術的援助,コンピュータハードウエア・コンピュータ周辺装置・コンピュータソフトウエア及びコンピュータネットワークの性能及び機能の最適化を含むコンピュータ技術に関する助言」を指定役務として,同年7月8日に設定登録されたものである。
商標異議申立人(以下「申立人」という。)は,本件商標について,商標法第4条第1項第11号,同項第15号及び同項第19号に該当するので,その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第19号証(枝番号を含む。)を提出した。
本件商標は,申立人の所有に係る登録商標と同一又は類似であって,その指定商品又は指定役務と同一又は類似の商品又は役務について使用される商標である。
本件商標は,申立人が携帯電話用ソフトウェアプラットフォーム(携帯電話用プログラム)に使用し,広く一般に知られている登録商標と類似し,又は,登録商標を構成する「Android」の文字をその構成中に含むので,申立人の著名商標を想起若しくは連想させるものである。
また,本件商標の指定役務と登録商標の指定商品又は指定役務とは,互いに同一・類似であるか,又は,非常に高い関連性を有しているので,本件商標がその指定役務に使用された場合,あたかも申立人若しくは申立人と何らかの関係がある者の業務に係る役務であるかのごとく,役務の出所について混同を生ずるおそれがある。
本件商標は,申立人が携帯電話用ソフトウェアプラットフォーム(携帯電話用プログラム)に使用し,広く一般に知られている登録商標と類似し,著名商標にフリーライドするものであって,著名商標の出所表示機能を希釈化させ,かつ,著名商標の名声を毀損するおそれがあるので,不正の目的をもって使用をするものである。
当審において,本件商標権者に対して平成29年4月3日付けで通知した取消理由の内容は,要旨以下のとおりである。
本件商標は,その登録異議の申立てに係る指定役務中の第37類「コンピュータハードウエア・コンピュータ周辺装置・コンピュータネットワーク用ハードウエアの保守・修理,コンピュータハードウエア・コンピュータ周辺装置・コンピュータネットワーク用ハードウエアの保守に関する助言」について,商標法第4条第1項第15号に該当する。
上記第3の取消理由に対し,本件商標権者は何ら意見を述べるところがない。
申立人の主張及びその提出に係る甲各号証によれば,以下の事実が認められる(なお,枝番号を含む甲号証の全てを引用するときは,枝番号を省略する。)。
(1)「Android」の文字(以下「引用標章」という。)は,申立人が提供する携帯情報端末向けのオープンソースライセンスによるソフトウェアプラットフォーム(以下「スマートフォン用プラットフォーム(プログラム)」という。)の名称であり,2007年(平成19年)11月5日に米国において,申立人が中心となって設立した業界団体であるOHA(Open Handset Alliance)を通じて,無償で提供されることが発表され,その報道は,世界のモバイル業界で話題となり,引用標章が使用されるスマートフォン用プラットフォーム(プログラム)について,IT関連分野の雑誌,経済誌,インターネット,一般紙を含めた様々なメディアを介して繰り返し報道され,特集記事が掲載された(甲4〜甲7,甲8の1〜4)。
(2)引用標章が主に使用される商品は,「スマートフォン」であり,2009年(平成21年)11月頃には,国内の携帯電話のメーカーが,申立人が提供するスマートフォン用プラットフォーム(プログラム)を採用したスマートフォンを発表し,市場に浸透し,数多くの新聞,雑誌などで取り上げられた(甲9の2,甲10の2〜4,甲10の8)。
(3)2011年(平成23年)ころには,スマートフォン用プラットフォーム(プログラム)の代表格となった(甲11の2,甲12の1,甲12の2,甲13)。
(4)以上からすれば,引用標章は,本件商標の登録出願時(平成27年12月18日)には既に,我が国において,申立人の業務に係るスマートフォン用プラットフォーム(プログラム)を表示する商標として,取引者,需要者の間に広く認識され,その状態は本件商標の登録査定時(平成28年6月16日)においても継続していたものと認められる。
(1)本件商標と引用標章との類似性について
ア 本件商標は,上記第1のとおり,「Android Care」の欧文字を表してなるものであるところ,その構成は,「Android」の文字と「Care」の文字との間に一文字程度のスペースをもって表されているから,「Android」の文字と「Care」の文字とに,視覚上,分離して認識,把握されるものである。
そして,その構成中の「Android」の文字は,上記1のとおり,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係るスマートフォン用プラットフォーム(プログラム)を表示する商標として,我が国の取引者,需要者の間に広く認識されている引用標章と,同じ綴りであることからすれば,本件商標は,その構成中の「Care」の文字部分に比べ,「Android」の文字部分が,取引者,需要者に対し,役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる。
そうすると,本件商標は,その構成中の「Android」の文字部分から,「アンドロイド」の称呼を生じ,申立人の業務に係るスマートフォン用プラットフォーム(プログラム)としての「Android(アンドロイド)」の観念を生ずるものと認められる。
イ 本件商標と引用標章との類否について検討すると,外観については,本件商標の構成中,独立して自他役務の識別機能を果たす「Android」の欧文字と,引用標章とは,同じ綴りからなるものであるから,両者は,外観上,近似した印象を与え,互いに相紛らわしいものである。
そして,称呼については,本件商標と引用標章からは,いずれも「アンドロイド」の称呼を生ずるものである。
また,観念については,本件商標と引用標章からは,申立人の業務に係るスマートフォン用プラットフォーム(プログラム)としての「Android(アンドロイド)」の観念を生ずるものである。
そうすると,本件商標と引用標章とは,外観,称呼及び観念において,類似の商標と認められる。
(2)本件商標の指定役務と「スマートフォン用プラットフォーム(プログラム)」との関連性
本件商標の登録異議の申立てに係る指定役務中の第37類「コンピュータハードウエア・コンピュータ周辺装置・コンピュータネットワーク用ハードウエアの保守・修理,コンピュータハードウエア・コンピュータ周辺装置・コンピュータネットワーク用ハードウエアの保守に関する助言」は,コンピュータハードウェアなどの製造販売業者のほか,通信事業者,スマートフォン端末の製造販売業者等においても提供されているものである。そして,上記役務は,スマートフォン用プラットフォーム(プログラム)の「Android」を利用するスマートフォンの保守・修理,保守に関する助言を含むものである(甲16)。
そうすると,本件商標の第37類の上記指定役務と,引用標章が使用されるスマートフォン用プラットフォーム(プログラム)とは,相当程度密接な関連性を有するものということができる。
(3)出所の混同のおそれについて
上記(1)のとおり,本件商標と引用標章とは,外観,称呼及び観念において,類似の商標と認められる。
そして,上記1のとおり,引用標章は,本件商標の登録出願時には既に,我が国において,申立人の業務に係るスマートフォン用プラットフォーム(プログラム)を表示する商標として,取引者,需要者の間に広く認識され,その状態は本件商標の登録査定時においても継続していたものと認められる。
また,本件登録異議の申立てに係る指定役務中の第37類「コンピュータハードウエア・コンピュータ周辺装置・コンピュータネットワーク用ハードウエアの保守・修理,コンピュータハードウエア・コンピュータ周辺装置・コンピュータネットワーク用ハードウエアの保守に関する助言」と,引用標章が使用される「スマートフォン用プラットフォーム(プログラム)」とは,相当程度密接な関連性を有するものということができる。
そうすると,本件商標は,これを本件商標権者が,第37類「コンピュータハードウエア・コンピュータ周辺装置・コンピュータネットワーク用ハードウエアの保守・修理,コンピュータハードウエア・コンピュータ周辺装置・コンピュータネットワーク用ハードウエアの保守に関する助言」について使用したときは,これに接する取引者,需要者が,申立人が使用をする引用標章を想起又は連想し,該役務が申立人又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように誤認し,役務の出所について混同を生じさせるおそれがあるものというべきである。
(4)まとめ
以上のとおり,本件商標は,その登録異議の申立てに係る指定役務中の第37類「コンピュータハードウエア・コンピュータ周辺装置・コンピュータネットワーク用ハードウエアの保守・修理,コンピュータハードウエア・コンピュータ周辺装置・コンピュータネットワーク用ハードウエアの保守に関する助言」について,商標法第4条第1項第15号に該当する。
(5)むすび
したがって,本件商標の指定役務中,第37類「コンピュータハードウエア・コンピュータ周辺装置・コンピュータネットワーク用ハードウエアの保守・修理,コンピュータハードウエア・コンピュータ周辺装置・コンピュータネットワーク用ハードウエアの保守に関する助言」についての登録は,商標法第4条第1項第15号に違反してされたものと認められるから,同法第43条の3第2項の規定により,取り消すべきものである。
また,本件商標のその余の指定役務については,その登録を取り消すべき理由がないから,同法第43条の3第4項の規定により,登録を維持すべきものとする。
よって,結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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