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Trademark Appeal Case

称呼の同一性と外観の差異

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2017−8135(T2017−8135/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第35類及び第41類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成28年4月15日に登録出願され、その後、指定役務については、審判請求と同時に提出された同29年6月6日付け手続補正書により、第35類「紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,印刷物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、以下の(1)及び(2)のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。

(1)商標法第3条第1項柱書について

本願商標は、第35類及び第41類において広い範囲にわたる役務を指定しており、また、本願において指定している小売等役務(商標法第2条第2項に規定する役務)は、全く業種が異なり、類似の関係にないものであるから、出願人(請求人)が本願商標をそれらの指定役務の全てについて使用しているか、又は近い将来使用をすることについて疑義があるため、商標法第3条第1項柱書の要件を具備していない。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本願商標は、国際登録第1061396号商標(以下「引用商標」という。)と同一又は類似の商標であって、その商標登録に係る指定商品と同一又は類似の役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

なお、引用商標は、その概要が別掲2のとおりであり、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項柱書について

本願の指定役務は、前記1のとおり補正されたものであり、原審において、平成28年10月19日付けの手続補足書により提出された「商標の使用を開始する意思」及び「事業計画書」によれば、その指定役務について、請求人が本願商標を使用していること又は近い将来使用をすることについて疑義がなくなったものと認められる。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備するものとなった。

(2)商標法第4条第1項第11号について

ア 本願商標について

本願商標は、別掲1のとおり、図案化されたネコ科の動物とおぼしき図形と、その下部に「トラりん」の文字をやや図案化された文字で横書きした構成からなるところ、該図形部分と文字部分とは、視覚的に分離され、これを常に一体不可分のものとして把握しなければならない特別の事情は見いだせず、それぞれが独立して自他役務の識別機能を果たし得るものというべきである。

そして、本願商標の図形部分は、我が国において特定の事物を表したもの又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は認められず、該図形部分からは特定の称呼及び観念を生じないものである。

また、本願商標の文字部分である「トラりん」の文字は、辞書等に載録のないものであって、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として認識されるものである。

してみれば、本願商標は、その構成中の「トラりん」の文字に相応して、「トラリン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

イ 引用商標について

引用商標は、別掲2のとおり、水平の直線の上部に、太い線で描かれた2本の円弧と左右対称の螺旋状の図形並びに縦の直線及び左右対称の曲線を組み合わせた図形を配し、下部に、水平の直線と同じ幅で、これと接するように図形部分と同様の太い線で「TRALIN」の欧文字を図案化して表示した構成からなり、その外観は、まとまりよく一体的に表されており、特定の部分が分離、抽出される構成態様とはいえないものである。

そして、その構成中の「TRALIN」の文字は、辞書等に載録のないものであって、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として認識されるものであり、欧文字からなる造語の場合は、我が国で一般に普及したローマ字又は英語の読みに倣って称呼されるのが自然であるから、引用商標からは、該文字に相応して「トラリン」の称呼を生じるというのが相当である。

してみれば、引用商標は、「トラリン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

ウ 本願商標と引用商標との類否について

本願商標と引用商標とを比較すると、両商標は、外観においては、上記ア及びイのとおりの構成からなるところ、本願商標と引用商標の図形部分は、まったく異なる図形であって、また、文字部分についても、仮名と欧文字との違いによって印象が大きく異なり、顕著な差異を有するものであるから、両商標は、外観上、明確に区別できるものである。

次に、称呼においては、本願商標及び引用商標から生じる称呼は、共に「トラリン」であり、称呼上、同一である。

そして、観念においては、本願商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、両商標は、観念上、比較することができず、相紛れるおそれがあるとはいえない。

そうすると、本願商標と引用商標とは、「トラリン」の称呼を共通にするとしても、印象が大きく異なる、その全体の外観が著しく相違し、観念については比較することができないものであるから、これらを総合して勘案すれば、両商標は、互いに非類似の商標というのが相当である。

エ まとめ

以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項柱書の要件を具備しないものとし、同法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当ではなく、取消しを免れない。

その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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