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Trademark Appeal Case

「からだに美味しい」の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2016−12510(T2016−12510/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「からだに美味しい」の文字を標準文字で表してなり、第29類「乳製品,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,カレー・シチュー又はスープのもと」を指定商品として、平成26年6月27日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『からだに美味しい』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の『からだ』の文字は、『身体。身体の健康状態。』等の意味を有する『体』のひらがな表記であり、『美味しい』の文字は、『うまい味。また、その食べ物。』等の意味を有する語であるから、全体として『身体にうまい味の食べ物。』程の意味合いを容易に理解させる。そうとすれば、これを本願指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、商品の販売促進のための一種のキャッチフレーズとして理解するにとどまり、自他商品の識別標識として機能し得ず、需要者が何人かの業務に係る商品であるかを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は、「からだに美味しい」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成は、「身体。身体の健康状態。」の意味を有する「体」の読みを平仮名で表した「からだ」の文字と、「美味である。好ましい。都合がよい。」の意味を有する「おいしい」の文字(いずれも「広辞苑第六版」、株式会社岩波書店発行)を漢字で表した「美味しい」の文字を、助詞「に」で接続したものである。

そして、「美味しい」の語は、事物の性質・状態・心情等を表す形容詞であり、商品の品質や役務の質を表示する語として広く一般に知られている語である。

そうすると、本願商標は、その構成文字全体として、その語義から、「体に好ましい。体に良い。体の健康によい。」程の意味合いを容易に想起させるものであり、これに接する需要者、取引者は、「美味しい」の語と同様に、商品の品質・特徴や役務の質・特徴を表示する語と認識、理解するというのが相当である。

よって、本願商標は、自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし得ないか、極めて弱いものである。

(2)商標法第3条第1項第6号該当性について

本願の指定商品は、上記1のとおりのものである。

そして、食品の分野においては、体に好ましい食材を用いた商品や健康に配慮した商品が多数取引されているところ、別掲1の新聞記事情報や別掲2のインターネット記事情報のとおり、「からだに美味しい」、「からだにおいしい」、「体に美味しい」、「体においしい」、「身体においしい」及び「カラダにおいしい」の語句が、商品の品質・特徴を表示するとともに商品の販売促進のための宣伝文句として、一般に使用されている実情がある。

そうすると、本願商標は、その構成する文字の語義から「体に好ましい。体に良い。体の健康によい。」程の意味合いを想起させるものであることに加え、上記の新聞記事情報やインターネット記事情報の実情も併せ考慮すれば、本願商標をその指定商品に使用する場合には、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「体に好ましい食材を使用した」商品又は「健康によい」商品であるという商品の品質・特徴を簡潔に表示したもの又は商品の販売促進のための宣伝文句を表示したものとして理解するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものとみるのが相当であるから、何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標といわざるを得ない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。

(3)請求人の主張について

ア 請求人は、原審における拒絶理由通知及び拒絶査定書や当審における審尋に挙げられた新聞記事やインターネット情報には、「からだに美味しい」の言い切りの使用例が少なく、これらをもって本願商標に識別力がないということを立証したことにはならないから、本願商標は、出所識別力のある商標である旨の主張をしている。

しかしながら、「からだに美味しい」の語句が単独で使用されている事実が少ないとしても、上記(1)及び(2)のとおり、「からだに美味しい」の語句の意味合い、そして、食品の分野においては、体に好ましい食材を用いた商品や健康に配慮した商品が多数取引され、これらの商品の品質・特徴の説明に「からだに美味しい」の文字が普通に使用されている実情に鑑みれば、本願商標に接する取引者、需要者は、当該商品が「体に好ましい食材を使用した」商品又は「健康に良い」商品であるという商品の品質・特徴を説明するための語であると認識、理解するにすぎないものであるから、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものである。

イ 請求人は、本願商標の登録適格性を主張するために、過去の登録例を挙げている。

しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品の取引の実情等に基づいて、個別具体的に判断されるものであって、他の登録例の存在によって、上記(1)及び(2)の判断が左右されるものではない。

したがって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。

(4)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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