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Trademark Appeal Case

商標使用の立証責任

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2017−300183(T2017−300183/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第5314517号商標の商標登録を取り消す。
審判費用は,被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5314517号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,平成21年10月2日に登録出願,第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,靴下,ショール,スカーフ,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,マフラー,ナイトキャップ,帽子,ズボンつり,ベルト,雨靴,運動靴,サンダル靴,長靴,幼児靴,スリッパ,仮装用衣服,サッカー靴,テニス靴,ボウリング靴,野球靴」を指定商品として,平成22年4月9日に設定登録されたものである。

本件審判の請求の登録日は,平成29年3月29日である。

第2 請求人の主張

請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証を提出した。

1 本件商標は,その指定商品について,継続して3年以上日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

2 被請求人は,審判事件答弁書において,「商標登録完了以来契約期間外の期間は,商標権者が店頭販売,路上販売,訪問販売,口コミ販売にて使用しており,商標法第50条第1項の規定に当たらない。」と主張し,証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証を提出している。

しかし,上記被請求人の主張は,いつ,どこで,どのような商品に本件商標を使用していたかについて何ら説明をしておらず,「契約期間外の期間」といった記載の意味内容も明らかではない。また,被請求人の提出した上記各証拠も,その立証趣旨は明らかでなく,商標法第50条第2項に規定されている要証事実の証明に何ら資するものとはいえない。

3 したがって,被請求人は,本件商標の使用について証明しているとはいえず,また,商標の不使用に関する特段の事情もない以上,本件商標の登録は速やかに取り消されるべきである。

4 なお,請求人は,被請求人が希望する書面審理に同意する。

第3 被請求人の主張

被請求人は,本件審判請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を以下のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証を提出した。

1 商標登録完了以来契約期間外の期間は,商標権者が店頭販売,路上販売,訪問販売,口コミ販売にて使用しており,商標法第50条第1項の規定に当たらない。

2 平成26年3月29日以前,以後を含めた専用使用権者,通常使用権者との契約期間外は,被請求人(商標権者)が流通在庫を販売する。

契約企業は,倒産,整理により現存していない。

伝票等は,廃棄しているため証拠として提出できない。

3 被請求人は,書面審理を希望する。

第4 当審における審尋

審判長は,平成29年4月24日付け審尋にて,被請求人に対し,以下のとおり,審判事件答弁書の内容について釈明及び更なる主張立証を求めた。

1 被請求人による主張立証責任

商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは,同条第2項の規定により,被請求人において,その請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し,又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り,その登録の取消しを免れない。

したがって,被請求人は,本件商標の使用について,商標法第50条第2項に規定する各要件をすべて満たしているとする具体的事実(要件ごとに,証拠上,どの部分から具体的に事実が裏付けられるのか)を明確に主張立証しなければならない。

2 被請求人に対する審尋

(1)答弁の理由について

被請求人は,上記第3の1のとおり,「商標登録完了以来契約期間外の期間は,商標権者が店頭販売,路上販売,訪問販売,口コミ販売にて使用しており,商標法第50条第1項の規定に当たらない。」と述べているが,ここでの「契約期間」とは何を指しており,また,「契約期間外の期間」とは具体的にいつを指しているのか釈明されたい。

(2)証拠(乙1〜3)について

ア 乙第1号証は,「バスティンのイメージマップ」とのことであるが,これを本件審判の請求の登録前3年以内(以下「本件要証期間内」という。)に日本国内において,商標権者(ないし専用使用権者又は通常使用権者)がどのように使用(顧客に配布した,広告で使用した,等)したのかを何ら主張立証していない。

イ 乙第2号証は,「バスティンのラベル,下げ札」とのことであるが,本件要証期間内に日本国内において,商標権者(ないし専用使用権者又は通常使用権者)が指定商品中のいずれかの商品に付して使用していたのかを何ら主張立証していない。

ウ 乙第3号証は,「ライセンス業務委託契約書」とのことであるが,これからは本件商標の使用は認められず,立証趣旨が不明である。

第5 当審の判断

1 商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは,同条第2項の規定により,被請求人において,その請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し,又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り,その登録の取消しを免れない。

2 ところが,本件審判の請求に対し被請求人は,上記第3のとおり,(1)商標権者が店頭販売,路上販売,訪問販売,口コミ販売にて使用している,(2)専用使用権者,通常使用権者との契約期間外は,商標権者が流通在庫を販売する,(3)契約企業は,倒産,整理により現存していない,(4)伝票等は,廃棄しているため証拠として提出できない,旨主張するにとどまり,また,上記第4のとおり,提出された証拠(乙1〜3)についての暫定的な見解を示した上で,本件商標の使用について,商標法第50条第2項に規定する各要件をすべて満たしているとする具体的事実(要件ごとに,証拠上,どの部分から具体的に事実が裏付けられるのか)を明確に主張立証するよう求釈明したが,要件事実に該当する具体的事実を主張立証しなかったものである。

したがって,被請求人が提出した証拠(乙1〜3)については,上記第4の2(2)に示した見解のとおり判断せざるを得ず,当該証拠を総合的に見たとしても,当該証拠によって被請求人が主張する上記(1)及び(2)に係る本件商標の使用が本件要証期間内にあったものと認めることはできない。

3 以上のとおりであるから,被請求人は,本件要証期間内に日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについての本件商標の使用をしていた事実を証明したものとは認められない。

また,被請求人は,本件審判の請求に係る指定商品について本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。

したがって,本件商標の登録は,商標法第50条の規定により,取り消すべきものである。

よって,結論のとおり審決する。

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