Trademark Appeal Case
称呼類似と使用実態
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年異議第90033号 |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4188268号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成8年12月27日に登録出願され、「鳳凰」の文字を横書きしてなり、第24類「織物(畳べり地を除く。)」を指定商品として、平成10年9月18日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、昭和53年3月2日に登録出願され、「宝桜」の文字を書してなり、第30類「織物」を指定商品として、昭和36年6月1日に設定登録された登録第573653号商標(以下、「引用商標」という。)と「ホウオウ」の称呼を共通にする類似する商標であり、かつ、その指定商品も類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
3 当審の判断
(1)本件商標と引用商標の類否について
ア.本件商標は、「鳳凰」の文字を横書きしてなるものであるのに対し、引用商標は、「宝桜」の文字を縦書きしてなるから、両商標は、外観上明らかに相違するものである。
イ.本件商標は、「鳳凰」の文字より、古来中国で尊ばれた想像上の瑞鳥の観念を生ずるものである。
一方、引用商標は、「宝桜」の文字より、全体として華やかで美しい「桜」のイメージないし連想が生ずるものである。
したがって、両商標は、観念上相違するものといわなければならない。
ウ.本件商標は、その構成文字に相応して「ホウオウ」の称呼を生ずるものである。
これに対し、引用商標を構成する「宝桜」は、辞書等に熟語としてその用例が見当たらず、一般に用いられることのない造語であると認められるところ、一般的になじみの深い「宝」と「桜」の文字からなる造語の読み方としては、訓読みにした「タカラザ(サ)クラ」の称呼のほか、音読みにした「ホウオウ」の称呼をも生ずるものである。
してみると、両商標は、称呼において共通するものを含むものと認められる。
(2)誤認混同のおそれの有無について
ア.前記(1)において認定したとおり、引用商標は、本件商標の称呼「ホウオウ」と同一に称呼される場合があり得るといえるが、両商標は外観において明らかに異なっており、観念においてもそれぞれ取引者、需要者に与えるイメージないし連想は相違しているものである。
イ.訴訟で提出された証拠によれば、原告は、平成元年ころから、その取扱いに係る商品「喪服地」について、本件商標と同一の「鳳凰」の標章を使用し、以来今日までこれを表示した喪服地を継続して販売してきたことが認められる。
他方、引用商標は、本件商標の登録出願時において、使用の実体がないことが認められる。また、引用商標の商標権者である柴田鉱株式会社は、平成7年1月13日名古屋地方裁判所の破産宣告を受け、平成8年6月3日付けで解散登記がなされているものであって、その当時同社が引用商標を使用する可能性があったとは認められず、同社から引用商標の使用を許諾された第三者が引用商標を過去に使用し又は将来使用する可能性があるという事情を認めるに足りる証拠もない。
してみると、引用商標は、本件商標の登録査定時(平成10年7月3日)において、既に、引用商標の正当な権利者による使用の上に形成されるべき信用を保護すべき実体を欠く商標であったということができる。そして、引用商標がその正当な権利者によって使用される可能性がないと認められる以上、本件商標と引用商標との間には、商品の出所についての一般的混同が生ずる可能性もまた存在しないといわざるを得ない。
(3)むすび
以上のとおり、前記(2)において認定、判断した諸点を総合して勘案すると、本件商標と引用商標とは、実際の取引において互いに相紛れて商品の出所について誤認混同を生じさせることのない非類似の商標と認めるのが相当であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。
よって、結論のとおり決定する。
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