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Trademark Appeal Case

称呼・観念同一の商標類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2016−13275(T2016−13275/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,「Kirin」の文字を横書きしてなり,第9類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として,平成25年8月26日に登録出願され,その後,指定商品については,原審における同26年3月17日付けの手続補正書により,第9類「タブレット型コンピュータ,携帯電話機に使用する集積回路チップ,タブレット型コンピュータに使用する集積回路チップ」に補正されたものである。

2 引用商標

原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録商標は,以下のとおりであり,いずれの商標権も現に有効に存続している。

(1)登録第4376782号商標(以下「引用商標1」という。)は,「麒麟」の文字を横書きしてなり,平成10年10月7日登録出願,第9類「電子応用機械器具及びその部品」を含む第9類及び第28類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として,同12年4月14日に設定登録され,その後,同22年4月20日に存続期間の更新登録がなされたものである。

(2)登録第4514650号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲のとおり,「KIRIN」の文字を横書きしてなり,平成12年8月1日登録出願,第9類「電子応用機械器具及びその部品」を含む第9類及び第28類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として,同13年10月19日に設定登録され,その後,同23年5月17日に存続期間の更新登録がなされたものである。

(3)登録第5240434号商標(以下「引用商標3」という。)は,別掲のとおり,「KIRIN」の文字を横書きしてなり,平成19年6月25日登録出願,第35類「電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として,同21年6月19日に設定登録されたものである。

なお,以下,これらをまとめていうときは「引用商標」という。

3 当審の判断

(1)本願商標

本願商標は,前記1のとおり,「Kirin」の文字を横書きしてなるところ,当該文字からは,「キリン」との自然称呼が生じる。そして,「Kirin」は,辞書類に載録のない語であるところ,これをローマ字とする日本語として,広く一般に親しまれている「ウシ目キリン科の哺乳類」である「麒麟」を想起するというべきである。

してみれば,本願商標からは,その構成文字に相応して「キリン」の称呼が生じ,「麒麟(ウシ目キリン科の哺乳類)」の観念が生じるというのが相当である。

(2)引用商標

ア 引用商標1

引用商標1は,前記2(1)のとおり,「麒麟」の文字を横書きしてなるところ,これからは,「キリン」の称呼が生じ,「ウシ目キリン科の哺乳類」である「麒麟」を想起するというべきである。

してみれば,引用商標1からは,その構成文字に相応して「キリン」の称呼が生じ,「麒麟(ウシ目キリン科の哺乳類)」の観念が生じるというのが相当である。

イ 引用商標2及び引用商標3

引用商標2及び引用商標3は,別掲のとおり,「KIRIN」の文字を横書きしてなるところ,当該文字からは,「キリン」との自然称呼が生じる。そして,引用商標2及び引用商標3からは,上記(1)と同様,「ウシ目キリン科の哺乳類」である「麒麟」を想起するというべきである。

してみれば,引用商標2及び引用商標3からは,その構成文字に相応して「キリン」の称呼が生じ,「麒麟(ウシ目キリン科の哺乳類)」の観念が生じるというのが相当である。

(3)本願商標と引用商標の類否

ア 本願商標と引用商標1について

本願商標と引用商標1とを対比すると,両者は,本願商標が欧文字のみからなるのに対し引用商標1が漢字のみからなるとの差異を有し,外観において相違するとしても,「キリン」の称呼及び「麒麟(ウシ目キリン科の哺乳類)」の観念が同一であるから,これらを総合勘案すれば,互いに類似する商標というべきである。

そして,本願商標の指定商品は,引用商標の指定商品と類似するものである。

イ 本願商標と引用商標2及び引用商標3について

本願商標と引用商標2及び引用商標3とを対比すると,本願商標は語頭の「K」のみが大文字であるのに対し,引用商標2及び引用商標3は全て大文字からなるとの差異があり,また,本願商標が細字で特徴のない字体であるのに対し,引用商標2及び引用商標3は太字でややデザイン化されているとの差異があるものの,両者は,そのつづり字を共通にするから,外観において近似した印象を与えるものである。そして,両者は,「キリン」の称呼及び「麒麟(ウシ目キリン科の哺乳類)」の観念が同一であるから,これらを総合勘案すれば,互いに類似する商標というべきである。

そして,本願商標の指定商品は,引用商標2の指定商品と類似するものである。また,本願商標の指定商品は,引用商標3の指定役務に含まれる「電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に係る取扱商品である「電気機械器具類」に含まれるものである。そして,商品の販売と,その商品を取り扱う小売等役務の提供とが同一の者によって行われることは,商取引上,しばしば見受けられるものであり,そのような場合,該商品の販売場所や需要者の範囲が,該役務の提供場所や需要者の範囲と一致することも,少なからずあるとみるのが相当であるから,本願商標の指定商品及び引用商標3の上記指定役務は,それらに同一又は類似する商標が使用された場合,その出所について混同を生ずるおそれのある,互いに類似するものというべきである。

(4)小括

以上によれば,本願商標と引用商標とは,互いに類似する商標であり,また,本願商標の指定商品と引用商標の指定商品又は指定役務も類似するものである。

したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。

(5)請求人の主張について

請求人は,引用商標権者が現実にその商標を使用しているのは「ビール」の分野であり,本願商標の指定商品とは分野が全く異なるから,本願商標は,引用商標と出所の混同を現実には生じない旨主張する。

しかしながら,商標法第4条第1項第11号は,他人の先願に係る登録商標と同一又は類似の商標であって,その登録商標に係る指定商品又は指定役務と同一又は類似の商品又は役務について使用をする商標は登録を受けることができない旨定めているのであるから,上記(3)及び(4)のとおり,本願商標が引用商標に類似するものであり,その指定商品も,引用商標の指定商品又は指定役務と類似するものである以上,同規定により,後願である本願商標は,商標登録をすることができない。

したがって,請求人の主張は,採用できない。

(6)まとめ

以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することはできない。

よって,結論のとおり審決する。

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