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Trademark Appeal Case

結合語の記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2016−18930(T2016−18930/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「モバイルマッサージ」の片仮名を標準文字で表してなり、第10類「低周波治療器、医療用機械器具、家庭用電気マッサージ器、業務用美容マッサージ器」を指定商品として、平成27年12月21日に登録出願されたものである。

2 原査定における拒絶の理由の要旨

原査定は、「本願商標は、『モバイルマッサージ』の文字を標準文字で表してなるところ、構成前半の『モバイル』の文字は、「『動かしやすい』『移動できる』の意。軽量化や無線通信機能の装備によって機器を自由な場所で利用できること。」(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)を意味し、「マッサージ」の文字は、本願の指定商品との関係において、「マッサージ器」を把握、理解させ、本願商標全体としては、「動かしやすい(持ち運びのできる)マッサ−ジ器」程の意味合いを容易に把握、理解させるものである。そうすると、本願商標をその指定商品中、例えば「家庭用電気マッサージ器」について使用しても、本願商標に接する取引者、需要者は、「持ち運びのできる家庭用電気マッサージ器」程の意味合いを認識するにとどまり、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、自他商品識別機能を果たさないものと言わなければならない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について

本願商標は、前記1のとおり、「モバイルマッサージ」の片仮名を標準文字で表してなるところ、その構成全体が一連で辞書類に掲載されている語句であるとは認められないものの、構成中の「マッサージ」の文字は、「手または特殊な器械を用いて体を擦り、揉み、叩きなどして行う治療法。血行をよくし、疲労を去り、筋肉の機能を高め、緊張をほぐすのに効がある。美容のためにも行う。」(別掲3参照)の意味を有する既成の語であり、一般に広く親しまれている語であることから、一見して「モバイル」及び「マッサージ」の各語を一連に結合したものと容易に把握されるものである。

そして、本願商標の構成中の「モバイル」の文字は、「『動かしやすい』『移動できる』の意。軽量化や無線通信機能の装備によって機器を自由な場所で利用できること。」の意味を有し、「可動性」、「移動性」及び「持ち運べる」の意味で複合語をつくる語である(別掲1参照)。

また、本願の指定商品を取り扱う分野において、「モバイル」の語は、「移動できる」又は「持ち運べる」を表す語として取引上普通に使用されていることが認められる(別掲2参照)。

さらに、本願の指定商品を取り扱う分野において、「持ち運べるマッサージ機(器)」の意味合いで「モバイルマッサージ機(器)」の文字が使用されている実情がある(別掲4参照)。

してみれば、「モバイルマッサージ」の文字からなる本願商標は、これをその指定商品中「低周波治療器、医療用機械器具、家庭用電気マッサージ器、業務用美容マッサージ器」に使用した場合は、これに接する取引者、需要者に「移動できる又は持ち運べる、マッサージ用の又はマッサージ機能を有する商品」であることを表すものと理解、認識させるにとどまり、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、その指定商品中、「移動できる又は持ち運べるマッサージ用の又はマッサージ機能を有する機器」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当するものである。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は、(a)本願商標が「モバイル」及び「マッサージ」の語で構成される点については認めるものの、「モバイル」の語は、スマートフォンやタブレットコンピューター等の無線通信機能を有する商品やそれに関連する商品・役務に広く一般的に使用されている語といえる一方で、それ以外の商品についてはほとんど使用されておらず、また、(b)「マッサージ」の語は、マッサージ用の商品及びマッサージ機能を有する商品の意味合いを直ちに認識、理解できるものではないことから、(c)本願商標全体から、原査定で認定されている「持ち運べるマッサージ器」程の具体的な意味合いを直ちに認識することはできない、さらに(d)「モバイルマッサージ」の語を本願の指定商品の分野で使用しているのは出願人のみであり、本願商標は自他商品識別力を発揮する旨主張する。

しかしながら、本願商標の構成中の「モバイル」及び「マッサージ」の文字に複数の意味合いがあり、また、「モバイル」の語がその指定商品の分野においてさほど使用されていないとしても、該語の普及度からすれば、取引者、需要者が上記(1)のとおり、「移動できる又は持ち運べる、マッサージ用の又はマッサージ機能を有する商品」を認識する場合があることを否定されるものではない。

イ また、当審において行った平成29年5月18日付け証拠調べ通知に対し、請求人は、平成29年6月28日付け意見書を提出し、上記アのほか、証拠調べ通知書によって示された「モバイルマッサージ機(器)」の文字が「持ち運べるマッサージ機(器)」として使用されている事実がたった2件であり、「持ち運べるマッサージ機(器)」の意味合いを直接的かつ具体的に表すものではない旨主張する。

しかしながら、たとえ、「モバイルマッサージ」の文字が本願の指定商品の品質を表すものとして実際に使用されていないとしても、商標法第3条第1項第3号に該当するか否かの判断にあっては、「商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録をうけることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである」(東京高裁平成12年(行ケ)76号 同年9月4日判決参照)から、「モバイルマッサージ」の文字が、本願の指定商品を取り扱う業界において、商品の品質を表示するものとして、実際に使用されている事実が存在していないとしても、取引者、需要者によって、当該商品の品質を一般に認識する場合には、本願商標が商品の品質を表示するものとであると認定、判断することは許されるというべきである。

ウ さらに、請求人は、過去の登録例を挙げ、本願商標も登録されるべき旨主張している。

しかしながら、商標が識別力を有するか否かの判断は、登録査定時又は審決時において、取引の実情を勘案し、その指定商品の取引者、需要者の認識を基準として商標ごとに個別具体的に判断すべきであるところ、請求人があげた登録例は、いずれも本願商標とは構成等を異にし、かつ、本件の審決時における取引の実情は上記のとおりであるから、請求人の主張は採用できない。

エ したがって、上記アないしウのとおり、請求人の主張はいずれも採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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