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Trademark Appeal Case

商標・商品役務の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2015−900028(T2015−900028/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5711645号商標の指定商品中,第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤,紙類,文房具類,印刷物,写真,写真立て」,第18類「愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,皮革」及び第28類「愛玩動物用おもちゃ,おもちゃ,人形,囲碁用具,将棋用具,歌がるた,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具,釣り具」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5711645号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成よりなり,平成26年3月7日に登録出願,第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤,紙製包装用容器,紙類,文房具類,印刷物,書画,写真,写真立て」,第18類「皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,皮革」及び第28類「愛玩動物用おもちゃ,おもちゃ,人形,囲碁用具,将棋用具,歌がるた,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具,釣り具,昆虫採集用具」を指定商品として,同年7月3日登録査定,同年10月24日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てに引用する登録商標は,以下のとおりである。

1 登録第2285417号商標(以下「引用商標1」という。)は,「BILLIKEN」の欧文字及び「ビリケン」の片仮名を二段に横書きしてなり,昭和63年6月29日に登録出願,第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,平成2年11月30日に設定登録され,その後,同12年12月5日に商標権存続期間の更新登録がされ,さらに,同14年10月9日に,指定商品を第9類「家庭用テレビゲームおもちゃ,スロットマシン,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,メトロノーム,レコード」,第16類「かるた,歌がるた,トランプ,花札」及び第28類「おもちゃ,人形,囲碁用具,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具,釣り具」とする指定商品の書換登録がされ,加えて,同22年11月24日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。

2 登録第4919568号商標(以下「引用商標2」という。)は,「BILLIKEN」の欧文字及び「ビリケン」の片仮名を二段に横書きしてなり,平成17年4月26日に登録出願,第9類「耳栓,加工ガラス(建築用のものを除く。),アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,オゾン発生器,電解槽,検卵器,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,自動販売機,ガソリンステーション用装置,駐車場用硬貨作動式ゲート,救命用具,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,保安用ヘルメット,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,潜水用機械器具,業務用テレビゲーム機,電動式扉自動開閉装置,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター,理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,携帯電話機用ストラップ及びネックピース,その他の電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極,消防艇,ロケット,消防車,自動車用シガーライター,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服,眼鏡,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,運動用保護ヘルメット,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM」を指定商品として,同18年1月6日に設定登録され,その後,同28年1月12日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。

3 登録第5588588号商標(以下「引用商標3」という。)は,「ビリケン」の片仮名及び「BILLIKEN」の欧文字を二段に横書きしてなり,平成22年12月13日に登録出願,第3類「靴クリーム,靴墨,せっけん類,洗顔料,歯磨き,口臭用消臭剤,化粧品,香料類,つけづめ,つけまつ毛」,第4類「固形潤滑剤,靴油,保革油,燃料,ろう,ランプ用灯しん,ろうそく」,第11類「電球類及び照明用器具,家庭用電熱用品類,加熱器,調理台,流し台,家庭用浄水器,あんどん,ちょうちん,あんか,かいろ,かいろ灰,湯たんぽ,化学物質を充てんした保温保冷具」,第14類「貴金属,キーホルダー,宝石箱,記念カップ,記念たて,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,時計」,第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,印刷したくじ(おもちゃを除く。),紙類,文房具類,印刷物,写真,写真立て」,第18類「かばん金具,がま口口金,蹄鉄,愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,皮革」,第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス,ストロー,ネームプレート及び標札(金属製のものを除く。),うちわ,せんす,家具,屋内用ブラインド,すだれ,装飾用ビーズカーテン,木製・ろう製・石膏製又はプラスチック製の置物,石こう製彫刻,プラスチック製彫刻,木製彫刻」,第21類「なべ類,コーヒー沸かし(電気式のものを除く。),鉄瓶,やかん,食器類,携帯用アイスボックス,米びつ,食品保存用ガラス瓶,水筒,魔法瓶,アイスペール,泡立て器,こし器,こしょう入れ,砂糖入れ,塩振り出し容器,卵立て,ナプキンホルダー,ナプキンリング,盆,ようじ入れ,ざる,シェーカー,しゃもじ,手動式のコーヒー豆ひき器及びこしょうひき,じょうご,すりこぎ,すりばち,ぜん,栓抜,大根卸し,タルト取り分け用へら,なべ敷き,はし,はし箱,ひしゃく,ふるい,まな板,麺棒,焼き網,ようじ,レモン絞り器,ワッフル焼き型(電気式のものを除く。),清掃用具及び洗濯用具,貯金箱(金属製のものを除く。),お守り,おみくじ,お札,化粧用具」,第25類「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」,第29類「乳製品,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,野菜・ビタミン・DHA・ミネラル・アミノ酸・グルコサミンまたはコラーゲンを主原料とする粉末状・顆粒状・粒状・タブレット状・液状・ゼリー状・カプセル状または軟カプセル状の加工食品」,第30類「茶,コーヒー及びココア,氷,菓子及びパン,コーヒー豆,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ」及び第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」を指定商品として,同25年6月7日に設定登録されたものである。

4 登録第5131938号商標(以下「引用商標4」という。)は,「BILLIKEN」の欧文字と「ビリケン」の片仮名を二段に横書きしてなり,平成19年6月28日に登録出願,第32類「ビール,ビール製造用ホップエキス」,第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」,第34類「紙巻きたばこ用紙,たばこ,喫煙用具,マッチ」及び第35類「酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食用油脂の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定商品及び指定役務として,同20年4月25日に設定登録されたものである。

なお,引用商標1ないし4をまとめていうときは,以下,単に「引用商標」という。

第3 登録異議の申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,登録異議の申立ての理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第64号証を提出している。

1 商標法第4条第1項第11号について

本件商標は,別掲1のとおりの構成よりなるところ,その文字部分及び図形部分により,「ビリケン」の称呼及び観念を生じ,引用商標は,「BILLIKEN」及び「ビリケン」の文字よりなるものであるから,「ビリケン」の称呼及び観念を生ずるものである。

したがって,本件商標と引用商標とは,「ビリケン」の称呼及び観念を共通にする類似のものである。

そして,指定商品も互いに抵触するものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。

2 商標法第4条第1項第15号について

引用商標(甲2〜甲5),その他の申立人所有の登録商標(甲55〜甲57),申立人と通天閣の使用する図形標章(甲58)及び通天閣のビリケン像(甲59)は,広く一般に知られているから,これと類似する本件商標がその指定商品に使用された場合,商品の出所について混同を生ずるおそれがある。

したがって,本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 むすび

以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから,同法第43条の3第2項の規定により取り消されるべきである。

第4 本件商標の取消理由

審判長は,平成28年4月18日付けで商標権者に対し,理由を示して本件商標を取り消すべき旨の通知をした。その理由は,次のとおりである。

1 「ビリケン」と「新世界」の文字との関連性について

(1)「新世界」及び「ビリケン」の文字(語)に関し,申立人の提出に係る証拠によれば,以下の事実が認められる。

ア 甲第9号証の名鉄観光 関西travelには,「新世界・通天閣 『足を撫でると願いが叶う』ビリケンさんで有名な『通天閣』のある大阪の名所」と記載されている。

イ 甲第13号証のAll About 旅行の「大阪の観光・旅行/大阪のおすすめエリア 新世界・天王寺」の項には,「大阪最大のテーマパークシティ・新世界!通天閣にビリケンさんに串カツと,大阪のほんまもんの下町文化を満喫したいなら,このエリアは必見です!新世界と,その周辺の天王寺界隈についてご紹介します。・・・新世界の中心に位置するのが通天閣・・・通天閣の展望台にいるのがビリケンさまで,・・・大阪人が,勝手に七福神に足して『八福神めぐり』なんてのをやると,これが大ヒット。一躍,新世界名物となりました。」と記載され2葉目の右上には,尖った頭で吊り上がった目をした人物が光背の前に,足の裏を前面に出し,足を投げ出して台座に座っている像(以下「ビリケン像」という。)の写真の下に「通天閣展望台にいるビリケンさま。足の裏をくすぐると喜んで願い事を叶えてくれるそうで,見事に凹んでいます」と記載されている。

ウ 甲第17号証のフリー百科事典「ウィキペディア」の「ビリケン」の項には,「ビリケン(Billiken)は,尖った頭と吊り上がった目が特徴の子供の姿をしている幸運の神の像。日本では大阪の二代目通天閣にあるものが有名で,『ビリケンさん』の愛称で親しまれ,特に足を掻いてあげるとご利益があるとされている。・・・1912年(大正元年),大阪の新世界に遊園地・ルナパークがオープン。ルナパークの『ビリケン堂』には当時流行していたビリケン像が置かれ,新世界名物となった。しかし,ルナパークの閉鎖とともに,ビリケン像は1923年(大正11年)以降行方不明となってしまった。しかし,ビリケンは日本全国に広まり,商家や花街では縁起物として流行した。」と記載され,右上には「合格縁談/幸運の神様/ビリケン」と三段に表示された金色の祠の中にビリケン像が置かれている写真の下に「通天閣の2代目ビリケン」と記載されている。

エ 甲第18号証の通天閣株式会社 会社案内の4葉目には,「通天閣の守り神・幸福の神様『ビリケン像』通天閣の展望台で,真っ先に迎えてくれるのが,幸運の神様『ビリケン像』。合格祈願・縁結びなどあらゆる願いを聞いてくれる,なんでもござれの福の神なんです。・・・1912年(明治45年)オープンした『新世界』の遊園地『ルナパーク(月の園)』でビリケンを安置。新世界名物としてその名をとどろかせ,ビリケンブームがおこりました。・・・新世界に活気がよみがえった1979年(昭和54年),浪速文化の拠点をめざした『通天閣ふれあい広場(現・3階イベントホール)』が完成。その後,1980年(昭和55年3月30日)に新世界に馴染みの深い『ビリケン』が復活したのです。」と記載され,右上にはビリケン像の写真が掲載されている(甲19同様の記載)。

オ 甲第20号証の日本経済新聞には,「金髪の3代目ビリケン登場 通天閣で32年ぶり交代」(2012/5/23 9:20(2012/5/23 10:24更新))の見出しのもと「大阪市浪速区の『新世界』のシンボルタワー『通天閣』で23日,長年親しまれた幸福の神『ビリケンさん』が世代交代,7月の通天閣開業100周年を前に3代目ビリケン像が登場した。」と記載され,右上にはビリケン像の写真の下に「通天閣(大阪)に3代目の『ビリケンさん』が登場,左は2代目=共同」と記載されている(甲21に同様の記載)。

カ 甲第22号証の大阪観光情報 OSAKA−INFOには,「通天閣」の見出しのもと「なにわのシンボルの展望塔『通天閣』。明治45年(1912),新世界のシンボルとして,・・・足の裏をなでると幸運が訪れるという神・ビリケン像などがあり,年間70万人以上が訪れている。」と記載されている(甲23ないし甲34に同様の記載)。

(2)「新世界」の漢字及び「ビリケン」の片仮名に関し,当審における職権調査によれば,以下の事実が認められる。

ア 株式会社三省堂 コンサイス日本地名辞典〈第5版〉の「しんせかい 新世界」の項に「大阪市中部,浪速(なにわ)区。天王寺公園の西に接する街区。」と記載されている。

イ 株式会社三省堂 大辞林第三版の「しんせかい[新世界]」の項に「大阪市浪速(なにわ)区,天王寺公園の西に接する歓楽街。通天閣やジャンジャン横丁で知られる。」と記載されている。

ウ 株式会社岩波書店 広辞苑第六版の「ビリケン【Billiken】」の項に「(アメリカのタフト大統領の愛称ビリーに由来するという)頭がとがり,眉が釣り上がって,仏像の後光のようなものをそなえた裸体の像。1908年アメリカの女性美術家が作り美術展に出品,評判となり,幸運を招くとして世界的に流行。」と記載されている。

エ 株式会社三省堂 大辞林第三版の「ビリケン【Billiken】」の項に「アメリカの福の神。1908年,アメリカの女流美術家が夢にみた神の姿をモデルに作ったのが世界的に流行したもの。頭がとがり眉(まゆ)がつりあがった裸像の後ろに,後光のようなものがついている。」と記載されている。

オ 1999年5月25日付け朝日新聞には「ビリケンさんタッチ,福キャッチ 通天閣の不思議な神様 【大阪】」の見出しのもと「大阪のシンボル,通天閣(大阪市浪速区)の展望台にある『ビリケンさん』が,老若男女の人気を集めている。とんがった頭につりあがった目,大きく開いた口。およそ神様には似つかわしくない風貌(ふうぼう)だが,縁談,就職,合格祈願と,お参りする人が絶えない。」と記載されている。

カ 2004年1月13日付け大阪読売新聞に「[?]ビリケンさんの足の裏 通天閣で」の見出しのもと「『もう少し優しく,足の裏をさすってよ』。そんな声が,大阪・新世界の通天閣に鎮座する木像『ビリケンさん』から聞こえてきそうだ。とんがり頭につり目がユーモラスなビリケンさんは,足の裏をなでれば願い事がかなうとされる幸運の神様。ところが,多くの観光客が受験や縁談などの願いをかけてなで続けたため,次第に両足とも摩耗し,当初のへん平足に土踏まずができ,さらにV字に陥没,今や足の裏が裂ける可能性さえあるという。」と記載されている。

キ 2008年2月6日付け東京読売新聞に「[夕景時評]ビリケン生誕100年 大阪本社編集委員・加藤譲」の見出しのもと「大阪・新世界の通天閣。その展望台に福の神・ビリケンの木像が鎮座する。合格祈願,縁結びなど何でもござれ。足の裏をかくとご利益があるとされ,参拝者は像の足裏をコチョコチョしながら願をかける。ビリケンは1908年,米国の女性美術家が夢で見た神様をモデルに制作。とんがり頭につり上がった眉(まゆ)というユーモラスな姿は,幸福の神様として世界的に流行した。」と記載されている。

ク 2012年10月16日付け毎日新聞に「平成のビリケン:御利益を 黒滝村と新世界,100周年の縁『秋の大収穫祭』で登場−−道の駅『吉野路黒滝』/奈良」の見出しのもと「黒滝村長瀬の国道309号沿いにある道の駅『吉野路黒滝』に,大阪市浪速区新世界の通天閣からやってきた『平成のビリケン』像が置かれ,訪れた人たちの話題になっている。『幸福のマスコット』として知られるが,メタボ気味のため,自分では手が届かない足の裏をかくと御利益があるという。・・・ビリケンはとんがり頭,つり上がった目が特徴。」と記載されている。

(3)小括

上記(1)び(2)を総合的に判断すると,尖った頭で吊り上がった目をした人物が光背の前に,足の裏を前面に出し,足を投げ出して台座に座っていることを特徴とする「ビリケン像」は,「ビリケン」及び「ビリケンさん」の愛称で広く一般に親しまれていると認められる。

そして,「新世界」の文字は,我が国においては,中心部に通天閣を有する大阪市浪速区にある繁華街の名称としても一般に広く親しまれており,特に,上記「ビリケン像」が,当該繁華街である「新世界」の中心となる通天閣に置かれていることについても一般に広く知られていると認められる。

2 商標第4条第1項第11号の該当性について

(1)本件商標は,別掲1のとおり,図形と文字を結合した構成よりなるところ,その構成中の図形部分は,光背の前に,尖った頭で吊り上がった目をした人物が足の裏を前面に出し,足を投げ出して座っている様が描かれおり,これは上記1(3)のとおり,「ビリケン像」の特徴とその構成の軌を一にすることから,本件商標の図形部分は「ビリケン像」を表したものと認められる。

そうすれば,上記1(3)のとおり,「ビリケン像」が,大阪市浪速区にある繁華街「新世界」の中心にある通天閣に置かれていることを併せ考慮すると,「ビリケン像」を表した図形及び「ビリケン」の片仮名をその構成に有する本件商標中の「新世界」の文字は,大阪市浪速区にある繁華街の名称を表したと認められる。

以上のことから,本件商標は,その構成中の「新世界」の文字は,商品の販売地を表したと認識されるものとみるのが相当であって,自他商品の識別機能を果たし得ないか,極めて弱い部分といわざるを得ないものであるから,その構成中に顕著に表されたビリケン像を表した図形部分及び「ビリケン」の片仮名部分が,独立して,自他商品の識別機能を果たし得る要部とみることができるものであるといえる。

してみると,本件商標は,その構成全体より「シンセカイビリケン」の称呼が生ずるほか,「ビリケン」の片仮名部分より,単に「ビリケン」の称呼をも生ずるというべきである。

また,本件商標は,その構成中に「ビリケン」の片仮名が書されていること及び「ビリケン像」を表した図形を有することから「ビリケン像」の観念を生ずるものである。

(2)引用商標1,2及び4は,いずれも「BILLIKEN」の欧文字と「ビリケン」の片仮名を二段に横書きしてなり,引用商標3は,「ビリケン」の片仮名と「BILLIKEN」の欧文字を二段に横書きしてなるものであるから,これら引用商標は,その構成文字に相応して「ビリケン」の称呼を生じ,「ビリケン像」の観念を生ずるものである。

(3)本件商標と引用商標との類比

本件商標と引用商標とを比較すると,外観においては相違するものの,両者はいずれも「ビリケン」の称呼を生じ,「ビリケン像」の観念を生ずるものであるから,称呼及び観念を共通にするものである。

したがって,本件商標と引用商標は,その外観,称呼及び観念を総合的に勘案すれば,互いに紛れるおそれのある類似する商標というべきである。

(4)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否

本件商標の指定商品中,第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤,紙類,文房具類,印刷物,写真,写真立て」,第18類「愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,皮革」及び第28類「愛玩動物用おもちゃ,おもちゃ,人形,囲碁用具,将棋用具,歌がるた,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具,釣り具」は,引用商標の指定商品と同一又は類似するものである。

(5)むすび

したがって,本件商標は,引用商標と類似する商標であって,本件商標の指定商品は,引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むものであるから,その登録は,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものというべきである。

第5 商標権者の意見

審判長は,上記第4の取消理由に対して,期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが,商標権者は,何ら意見を述べていない。

第6 当審の判断

1 商標法第4条第1項第11号について

本件商標についてした上記第4の取消理由は,妥当なものと認められるものである。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから,他の申立の理由について判断するまでもなく,同法第43条の3第2項により,取り消すべきものである。

2 商標法第4条第1項第15号について

(1)引用商標等の著名性

申立人の提出した証拠(各項の括弧内に掲記)を総合すると,大阪市の天王寺公園の西にある繁華街・新世界の中心的存在である通天閣及びその展望台に奉られている「ビリケン像」(甲36,甲59)は,「ビリケン」,「ビリケンさん」等の愛称をもつ「幸運の神様」として一般の需要者に間に広く認識されていること(甲6〜甲34),「BILLIKEN」及び「ビリケン」の文字を2段に書してなる引用商標を含む登録商標(甲2〜甲5及び甲55〜甲57)(以下「申立人登録商標」という。)を有する申立人と通天閣を運営・管理する通天閣観光株式会社とは,平成18年に,別掲2のとおりの構成よりなるシンボル標章及び別掲3のとおりの構成よりなるキャラクター標章(以下「申立人使用標章」という。)を付した「ビリケン商品化プロジェクト」を立ち上げたこと(甲36),「通天閣公認ビリケン事務局公式サイト」には,「通天閣公認ビリケン事務局の活動について/通天閣公認ビリケン事務局は,田村駒株式会社が所有する『ビリケン』に基づく,通天閣観光株式会社公認のビリケン商品化プロジェクトを運営しています。」と記載されていること(甲38),さらに,商品化された御守り,Tシャツ,根付,置物,キーホルダー,タオル,袋物,菓子,ビール等様々な商品には,申立人使用標章が付され,株式会社BON,株式会社ナガトヤ,伴ピーアール株式会社,申立人等によって販売されたれたこと(甲39〜甲43),また,他企業とのコラボ商品が販売されたこと(甲44〜甲48),旅行ガイドブック「るるぶ大阪2012」,「るるぶ大阪2013」,「るるぶ大阪2014」,「るるぶ大阪2015」には,「大阪通天閣公認オフィシャルグッズ」として,申立人使用標章が付された菓子やビールなどが掲載されたこと(甲49〜甲52),これら「ビリケングッズ」の2013年(平成25年)度の売上高は,約4億1235万円であったこと(甲53),などをそれぞれ認めることができる。

しかし,「ビリケン像」についての著名性は,通天閣の観光スポット又は名物としての著名性にとどまるものと認められ,申立人登録商標については,登録商標と同一態様の使用は確認できず,「BILLIKEN」又は「ビリケン」のいずれかの文字が使用されている場合であっても,その使用は,通天閣の観光スポット又は名物として「ビリケン像」あるいは,「ビリケン」,「ビリケンさん」等の愛称をもつ「幸運の神様」を指称するものであって,これをもって,申立人の業務に係る商品の出所を表示するものとして認識され,かつ,取引者,需要者に広く認識されていたものとまで認めることはできない。

また,申立人使用標章については,これを付した「ビリケングッズ」と申立人とを関連づける証拠は,極めて少なく,申立人使用標章を付した「ビリケングッズ」に接する需要者は,通天閣に関連した商品であると認識することはあるとしても,申立人と関連づけて把握することは少ないものと優に推認することができる。

してみれば,申立人使用標章は,申立人の業務に係る商品「ビリケングッズ」を表示するものとして,本件商標の登録出願日(平成26年3月7日)及び登録査定日(平成26年7月3日)の時点において,取引者,需要者に広く認識されていたものとまで認めることはできない。

(2)出所の混同

上記(1)で認定したとおり,ビリケン像,申立人登録商標及び申立人使用標章は,申立人の業務に係る商品「ビリケングッズ」を表示するものとして,本件商標の登録出願日及び登録査定日の時点において,取引者,需要者に広く認識されていたものとまで認めることはできない。

してみれば,本件商標は,これをその指定商品中の第16類「紙製包装用容器,書画」,第18類「皮革製包装用容器」及び第28類「昆虫採集用具」について使用しても,該商品が申立人又はこれと何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように,商品の出所について混同を生ずるおそれのある商標と認めることはできない。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。

3 むすび

以上のとおり,本件商標の登録は,その指定商品中,第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤,紙類,文房具類,印刷物,写真,写真立て」,第18類「愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,皮革」及び第28類「愛玩動物用おもちゃ,おもちゃ,人形,囲碁用具,将棋用具,歌がるた,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具,釣り具」について,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから商標法第43条の3第2項の規定によって,取り消すべきものとする。

そして,本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については,その登録を取り消す理由がないから,同第43条の3第4項の規定により,その登録は維持すべきものとする。

よって,結論のとおり決定する。

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