sokuhyo

Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2015−900344(T2015−900344/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5783225号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5783225号商標(以下「本件商標」という。)は、「suma c vitamen」の欧文字を標準文字により表してなり、平成27年1月28日に登録出願、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料」を指定商品として、同年6月4日に登録査定、同年7月31日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由として引用する登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。

1 登録第3137607号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ビタエネC」の文字を横書きしてなり、平成5年6月14日に登録出願、第32類「ビ―ル,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュ―ス,乳清飲料,ビ―ル製造用ホップエキス」を指定商品として、同8年3月29日に設定登録され、その後、同18年4月4日及び同28年4月5日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

2 登録第5521587号商標(以下「引用商標2」という。)は、「VITAENE C」の欧文字を標準文字により表してなり、平成23年8月23日に登録出願、第32類「ビタミンを含有する清涼飲料,その他の清涼飲料,果実飲料,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」を含む第5類、第29類、第30類及び第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同24年9月14日に設定登録されたものである。

3 登録第5521588号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲のとおり、「VITAENE」の欧文字を籠字風に書し、その背後に赤色で大きく「C」の文字を配した構成からなり、平成23年8月23日に登録出願、第32類「ビタミンを含有する清涼飲料,その他の清涼飲料,果実飲料,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」を含む第5類、第29類、第30類及び第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同24年9月14日に設定登録されたものである。

以下、引用商標1ないし引用商標3をまとめていうときは、「引用商標」という。

第3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標について、商標法第4条第1項第7号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、その登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第97号証を提出した。

1 本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当する理由について

(1)本件商標について

本件商標は、標準文字で「suma c vitamen」と表してなるところ、何れの構成単語からも特定の意味合いを認識せず、各構成単語が相互に観念的なつながりのない商標といえる。特に中央に品番記号や、本件商品との関係では「ビタミンC」を表す記号として好んで使用される「C」の文字を有してなることから、前半の「suma」と後半の「vitamen」に分離して認識されるものである。

よって、本件商標は外観上「suma c vitamen」全体で認識される以外に、「suma」のみ、「vitamen」のみで認識される。

また、称呼も全体より生じる「スマシービタメン」以外に、「スマ」及び「ビタメン」の称呼が生じるものである。

観念については、上述のとおり何れの文字も特定の意味合いを認識しないため、特定の観念を生じない。

(2)引用商標について

引用商標1の構成中、語尾の「C」の文字は品番記号や、商品との関係では「ビタミンC」を表す記号として好んで使用される文字にすぎないと判断される。そのため、「ビタエネ」を要部と判断され、「ビタエネ」の外観、「ビタエネ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。

引用商標2も、上記と同様の理由で、「VITAENE」部分を要部と判断され、「VITAENE」の外観、「ビタエネ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

引用商標3は、黒囲み白抜きの文字にて「VITAENE」と書した背後に赤色にて大きく「C」の文字を配してなる。色・フォント・大きさ何れも異なることから、本件商標中「VITAENE」部分と「C」部分を常に一体に認識するとは限らない。そのため、本件商標からは中央に目立つように配された「VITAENE」の文字部分のみに着目し、「VITAENE」の外観、「ビタエネ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

(3)本件商標と引用商標の類否について

本件商標は「VITAMEN」部分のみが分離されるものであり、引用商標2及び3の「VITAENE」とは、前半部分の「VITA」を共通にし、後半部分も「MEN」と「ENE」で3文字中「E」及び「N」の2文字を共通とするものである。

そのため、外観上非常に似通った印象を与え、類似するものといえる。

また、称呼においては、本件商標からは「ビタメン」の称呼が、何れの引用商標からも「ビタエネ」の称呼が生じるものであり、語頭の二音を共通とし、類似するものといえる。

観念においては、何れも造語であり、区別することができない。

よって、本件商標と引用商標2及び3とは、外観及び称呼上類似する商標であり、また、本件商標と引用商標1とは称呼上類似する商標であり、また、観念においては、本件商標と引用商標は互いに区別できないものであるから、これらが取引者、需要者に与える印象、記憶、連想などを総合して全体的に考察した場合、本件商標と引用商標とは、時と所を異にして接する取引者、需要者にとって、互いに紛らわしい商標となり、その出所について混同を生じるおそれがある、類似する商標というべきである。

(4)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について

本件商標と引用商標1との指定商品は上述のとおりであり、本件商標の指定商品は、引用商標1の指定商品と同一又は類似である。

本件商標と引用商標2及び3の指定商品は上述のとおりであり、本件商標の指定商品中「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料」は、引用商標2及び3の指定商品と同一又は類似である。

(5)小括

よって、本件商標は引用商標と類似するものであり、かつ、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品について登録になっているものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当し、取り消されるべきものである。

2 本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当する理由について

仮に、本件商標と引用商標が類似しないとしても、本件商標は申立人の業務に係る商品と混同を生じるおそれのある商標である。

(1)申立人の業務に係る商品について

申立人は、引用商標3を使用して、清涼飲料を1993年から販売し、1999年に引用商標2を使用したパッケージデザインヘリニューアルし、現在まで継続して販売している。現在においても年間50万ケース以上を継続的に販売している。

申立人の販売事実を示す証拠として、甲第5号証ないし同第79号証を提出する。

なお、甲第80号証に示すとおり、申立人の前身である株式会社ポッカコーポレーションは2013年にサッポロ飲料株式会社と経営統合し、現在のポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社となった。提出資料中、株式会社ポッカコーポレーションの名称で記載されているものであっても、申立人と同一視できるものであり、また株式会社ポッカコーポレーション時代からの著名性は、申立人に引き継がれているものである。

(2)本件商標と申立人の業務に係る商品の混同について

申立人は、上述のとおり、引用商標を使用した清涼飲料を実際に販売している。

本件商標権者は、申立人の中東における引用商標を使用した商品の侵害品を販売した経緯があり、また引用商標3に極めて類似する商標(甲81)を出願し、引用商標3に類似することを一つの理由として拒絶理由が通知された。

このことを勘案すれば、甲第81号証と構成文字を同じくする本件商標は、仮に引用商標と類似しないとしても、何れの指定商品についても、申立人の業務に係る商品と混同することは明らかである。特に、「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース」については、申立人の中東における引用商標を使用した商品とその商品が同一又は類似することから、混同を生じるおそれがあることは明らかである。

(3)小括

以上のことから、仮に本件商標と引用商標とが非類似であり、商標法第4条第1項第11号に該当しないとしても、本件商標は何れの商品についても、申立人の業務に係る商品と混同を生じるおそれがあり、また少なくとも、申立人の業務に係る商品と同一又は類似する「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース」については商標法第4条第1項第15号に該当し、取り消されるべきものである。

3 本件商標が商標法第4条第1項第19号に該当する理由について

仮に、本件商標が商標法第4条第1項第11号又は第15号に該当しないとしても、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当するものである。

(1)海外における申立人の業務について

申立人は、引用商標を使用した商品を日本国内で製造し、1997年から中東諸国へ輸出をしている。2014年度の中東諸国への輸出・販売量は年間220万ケースに上る。そのうちの6割がアラブ首長国連邦(以下「UAE」という。)向けであり、引用商標を使用した商品は、UAE内で約22億円の売り上げを誇り、エナジードリンク市場で第2位(15.3%)のシェアを得ている。

引用商標を使用した商品がUAEで販売されていることは、JETRO作成のドバイの農林水産物・食品小売価格に関する資料(甲82)に引用商標を使用した商品が掲載されていることから明らかである。

さらに、農林水産省が作成したUAEの果実、花き、清涼飲料を対象とした調査結果においても、申立人及び引用商標を使用した申立人の商品が取り上げられている(甲83)。

JETROの資料に加え、農林水産省の調査結果においても、引用商標を使用した申立人の商品が日本製品の代表的な商品の一つとして取り上げられていることは、UAEにおける引用商標の著名性を充分に立証するものである。

特に、農林水産省の調査結果にある「UAEにおいても『日本製品は高品質で価格が高い』という一般的な考え方は認められるが、清涼飲料水に関しては日本製品と認識されて『高品質で価格が高い』という文脈で受け入れられているのではなく、既に最もポピュラーなスポーツドリンクあるいは健康飲料として日常的に受け入れられている」との記載から分かるとおり、引用商標を使用した商品は、有名な海外からの輸入品という枠を超えて、UAE市場に受け入れられているといえるものである。

また、甲第84号証及び甲第85号証から分かるとおり、申立人の中東における代理店(NTDE)は、引用商標を使用した商品の専用ウェブサイトやフェイスブックを運営している。さらに、引用商標を使用した商品は2015年、2016年のドバイマラソンのオフィシャルスポンサーにもなっている(甲86、甲87)。

さらに、中東諸国におけるサンプリング配布や各種プロモーションを積極的に行い、各国のメディアでも取り上げられている(甲88〜甲91)。申立人の業務に係る商品は、UAEのドバイ首長国だけでなく、その他アブダビ首長国、シャルジャ首長国、アジュマン首長国でも販売されており、UAEやサウジアラビアなど中東諸国で商品が販売されている事実がある(甲92)。

これらの事実から、中東諸国において引用商標を使用した申立人の商品は高い著名性を得ていることは明らかといえる。

そうしたところ、2011年頃、申立人は、イランにおいて引用商標を使用した商品の侵害品が販売されていることを発見した。

甲第93号証が侵害品の製造販売者を表示するラベルの写真であるが、「DISTRIBUTED BY」のあとに本件商標権者の一人である「ALSAYAR TRADINGCO L.L.C(アルサヤル トレーディング エル.エル.シー.)」と記載されていることが分かる。

また、甲第94号証は2011年当時のShilan Food社のウェブサイトの写しであるが、ここにも申立人の業務に係る商品の侵害品が掲載されている。

現在のShilan Food社のウェブサイト(甲95)の「Certificates」欄には商標登録証の写しなどが掲載されているが、そのうちの一つから、ここに掲載されている登録商標の権利者と、本件商標権者が一致していることが分かる(甲96)。

そのため、2011年当時に中東において申立人の業務に係る商品の侵害品を販売した者と同一人物が本件商標権者であることが明らかである。

今までの経緯を勘案しても、本件商標権者は、申立人の業務に係る商品の中東、特にUAEにおける著名性にフリーライドし、類似品を販売し、不正な利益を得ることを目的としていることは明らかである。

(2)小括

以上のことから、仮に本件商標が商標法第4条第1項第11号又は第15号に該当しないとしても、申立人の業務に係る商品としてUAEをはじめとする中東諸国において需要者の間に広く認識されている商標と類似の商標であって、不正の目的をもって使用をするものであるから、何れの商品についても、また少なくとも、申立人の業務に係る商品と同一又は類似する「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース」については商標法第4条第1項第19号に該当し、取り消されるべきものである。

4 本件商標が商標法第4条第1項第7号に該当する理由について

上記3で述べたとおり、本件商標権者の一人は、中東において、申立人の業務に係る商品の侵害品を製造販売していた事実がある。

また、近年、本件商標権者の一人が甲第97号証一枚目の右側に示す商品をUAEで販売している事実がある。甲第97号証の一枚目左側は申立人の業務に係る中東諸国向け商品であり、右側が本件商標を使用した商品である。甲第97号証一枚目の右側の商品は、申立人の業務に係る商品(左側)に依拠し、このデザインをしたことは明らかといえる。また、この本件商標を使用した商品は、その背面の表示から、販売業者が本件商標権者の一人「アルサヤル トレーディング カンパニー エル.エル.シー.」であること及び、本商品が日本で製造されているものであることが分かる。

甲第97号証から本件商標権者が、本件商標を、甲第97号証に示す態様、すなわち甲第81号証の態様で使用することは明らかである。上述のとおり、甲第81号証は、商標法第4条第1項第19号等に該当するとして拒絶理由が通知されていることを勘案すれば、本件商標も同様に判断されるべきものである。

仮に、本件商標の登録が有効なまま存在するとすれば、日本企業である申立人が、中東において永年に渡り努力し築いた著名性へ、第三者が無断でフリーライドすることを日本国自らが許すこととなり、公正なる競業秩序を乱すといわざるを得ない。

また、本件商標が登録商標として存在する以上、日本から本件商標を使用した商品が中東へ輸出されることを止められない可能性があり、健全なる産業の発達に寄与することを目的とした商標法の精神に反するといわざるを得ない。

結局、本件商標が引用商標と非類似であり、また混同を生じさせないとしても、本件商標権者が申立人の業務に係る著名な商品にフリーライドし、本件商標を考案したにも関わらず登録を受け、その商標を使用できるとすれば、公正なる商品流通社会の取引秩序を乱す商標に登録を与えることとなり、健全なる産業の発達に寄与することを目的とした商標法の目的に反するものである。

よって、本件商標は、何れの商品についても、また少なくとも、申立人の業務に係る商品と同一又は類似する「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース」については、商標法第4条第1項第7号に該当し、取り消されるべきものである。

第4 当審の判断

1 引用商標の周知性について

(1)外国における引用商標の周知性

ア ジェトロのドバイ事務所作成の「ドバイの農林水産物・食品小売価格(2012年2月時点)」リストには、「品目・原産国(産地)」、「種類/商品・ブランド名」等の項目があり、その「品目・原産国(産地)」欄中の「炭酸飲料」、「日本」の項の「種類/商品・ブランド名」欄に、「Pokka,Vitaene C」の記載がある(甲82)。

なお、申立人は、引用商標を使用した商品について、1997年から中東諸国へ輸出し、2014年度の輸出・販売量は年間220万ケースであること、また、そのうちの6割がUAE向けであり、UAE内で約22億円の売り上げがあり、エナジードリンク市場で第2位の15.3%のシェアであることを述べているが、その数字の裏付けとなる証拠を何ら提出していない。

イ 農林水産省による「平成19年度農林水産物貿易円滑化推進事業のうち品目別市場実態調査」の「アラブ首長国連邦における清涼飲料の市場実態」に係る報告書中に、「VITAENE C (ポッカコーポレーション) 240ml:4Dh(119.8円)」の記載がある(甲83)。

ウ 申立人の中東における代理店が運営する海外向けウェブサイト(甲84)及びフェイスブック(甲85)に、「Vitaene C」の記載があり、また、商品のラベルに引用商標3が表示されているものが掲載されている。

エ 2015年及び2016年のドバイマラソンのウェブサイトにおいて、オフィシャルサプライヤーとして、引用商標3の表示がある(甲86、甲87)。

オ 申立人は、中東諸国において、2014年及び2015年に引用商標3が表示された商品の車両広告、景品の提供、サンプル配布等を行い(甲88)、その様子が中東のインターネットメディアに取り上げられた(甲91)。

カ 容器のラベルに引用商標3が表示された商品が店舗の陳列棚に並んでいる(甲92)。

キ 以上によれば、遅くとも平成19年(2007年)以降、UAEにおいて、また、2012年以降、ドバイにおいて、引用商標2及び引用商標3を使用した商品「清涼飲料」(以下「申立人商品」という。)が、申立人により販売され、何らかの販売促進活動が行われていることが確認できる。

しかしながら、上記アにおいて申立人が主張する販売実績、シェア等を裏付ける客観的な証拠は提出されておらず、また、上記ウないしオの販売促進活動については、訳文の提出がなく、内容の説明もないことからその詳細は不明であり、また、その他に申立人商品に関する販売促進活動等の実態(方法、回数、内容等、商品カタログや宣伝販促チラシ等の配布部数及び配布地域等)を具体的及び量的に把握し得る証左は何ら提出されていない。さらに、上記カの画像については、その撮影日、撮影場所、撮影者等が不明である。

そうすると、引用商標2及び引用商標3が、UAE及びドバイ等の中東諸国において申立人商品に使用されていたことは認められるものの、上記事実から直ちに申立人商品を表示する商標として外国の需要者の間で広く認識されていたものとはいえず、また、引用商標1については使用の事実も存しないから、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、外国の需要者の間に広く認識されていたものということはできない。

(2)国内における引用商標の周知性

申立人は、引用商標3を使用して、清涼飲料を1993年から販売し、1999年に引用商標2を使用したパッケージデザインへリニューアルし、年間50万ケース以上を継続的に販売している旨主張し、その証拠として甲第5号証ないし甲第79号証を提出している。当該甲各号証の飲料商品ガイド及び飲料商品カタログには申立人商品が掲載され、引用商標1とともに、甲第5号証ないし甲第9号証及び甲第26号証ないし甲第45号証には引用商標3が、甲第10号証ないし甲第24号証及び甲第46号証ないし甲第79号証には引用商標2と類似する「VitaeneC」の文字が表示されている。

しかしながら、これらは、同種の多くの商品と共に掲載されているものであって、特に、他の商品と比較して申立人商品を印象づける掲載方法がされているというものではない。また、申立人が主張する年間販売数を裏付ける証拠も提出されていない。

そして、他に申立人商品に関する宣伝広告等の実態(方法、回数、内容等商品カタログ等の配布部数及び配布地域)を具体的及び量的に把握し得る証左は提出されておらず、申立人商品の我が国における清涼飲料のシェアも明らかではない。

してみれば、遅くとも平成1993年以降、我が国において、引用商標1とともに、引用商標3又は引用商標2と類似する「VitaeneC」の文字を付した申立人商品が申立人により販売されているということはできるものの、これらの甲各号証によっては、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者の間に広く認識されていたものということはできない。

2 商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 本件商標

本件商標は、前記第1のとおり、「suma c vitamen」の欧文字を標準文字で表してなるところ、「suma」、「c」、「vitamen」の各語の間に一字程度の間隔を有しているとしても、各語は同じ書体及び大きさで外観上まとまりよく一体的に表されており、また、これより生じると認められる「スマシービタメン」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。

そして、「suma」及び「vitamen」の各文字は、辞書に掲載されていない語であるから、本件商標は、全体として特定の意味を有しない一種の造語からなるというのが相当である。

してみれば、本件商標は、その構成文字全体に相応して「スマシービタメン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

なお、申立人は、本件商標は中央に品番記号や、本件商品との関係では「ビタミンC」を表す記号として好んで使用される「C」の文字を有してなることから、前半の「suma」と後半の「vitamen」に分離して認識されるものである旨主張するが、上記のとおり、本件商標は、構成文字全体が一連一体のものとして把握され、特定の意味合いを有しない一種の造語を表したものとして理解されるというべきものである。

イ 引用商標

前記第2のとおり、引用商標1は、「ビタエネC」の文字を横書きしてなり、引用商標2は、「VITAENE C」の欧文字を横書きしてなり、引用商標3は、「VITAENE」の欧文字を籠字風に書し、その背後に赤色で大きく「C」の文字を配した構成からなるところ、各構成中の「ビタエネ」及び「VITAENE」の文字は、英語の辞書には掲載されていないから、特定の意味を有しない一種の造語として理解されるとみるのが相当である。

してみると、引用商標は、それぞれ「ビタエネシー」又は「ビタエネ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

ウ 本件商標と引用商標との類否について

本件商標と引用商標とは、それぞれ、上記ア及びイのとおりの構成からなるから、外観上明らかに区別できるものである。

また、本件商標から生じる「スマシービタメン」の称呼と引用商標から生じる「ビタエネシー」又は「ビタエネ」の称呼とを比較すると、両者は、構成音、構成音数において顕著な差異を有するものであるから、両称呼は明確に聴別し得るものである。

さらに、観念においては、本件商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、相紛れるおそれはない。

してみると、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても、相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。

エ 小括

以上のとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であって、別異の商標というべきものであるから、その指定商品が引用商標の指定商品と同一又は類似のものであるとしても、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当しない。

3 商標法第4条第1項第15号該当性について

上記1のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間で広く認識されていたものとはいえないものであり、上記2のとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であって、別異の商標というべきである。

そうすると、本件商標は、これをその指定商品に使用しても、需要者において、申立人や申立人商標を連想、想起するということはできず、よって、その商品が申立人あるいは申立人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある商標とはいえない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

4 商標法第4条第1項第19号該当性について

上記1のとおり、引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国及び外国の需要者の間に広く認識されていたものとはいえないものであり、さらに、上記2のとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であって、別異の商標というべきである。

さらに、申立人が提出した証拠をみても、本件商標権者が、不正の目的をもって本件商標の使用をするものと認めるに足る具体的な事実を見いだすことができない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。

5 商標法第4条第1項第7号該当性について

本件商標は、前記第1のとおりの構成からなるものであるところ、それ自体何らきょう激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるものではなく、また、本件商標をその指定商品について使用することが社会公共の利益に反し、又は社会の一般的道徳観念に反するものとすべき事由はなく、さらに、本件商標は、他の法律によって本件商標の使用が禁止されていると認められるものではないから、本件商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標とはいえない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。

なお、上記1のとおり、引用商標は、申立人商品を表示するものとして、我が国及び外国における取引者、需要者の間で広く認識されているとはいえないものであり、また、上記2のとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であって、別異の商標であるから、本件商標が、申立人の業務に係る著名な商品にフリーライドするものであるとする申立人の主張は、その前提において理由がなく、採用することができない。

6 むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。