Trademark Appeal Case
「ペット」の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第10647号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ペット」及び「PET」の文字を二段に横書きしてなり、第36類「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定著物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,割賦購入あっせん,前払式証票の発行,ガス料金又は電気料金の徴収の代行,株式市況に関する情報の提供,商品市場における先物取引の受託,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供,骨董品の評価,美術品の評価,宝玉の評価,企業の信用に関する調査,慈善のための募金」を指定役務として、平成9年9月22日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶理由の要点
本願商標は、「愛玩動物」の意味合いで用いられている「ペット」及び「PET」の文字を普通に用いられる方法で書してなるから、これをその指定役務中、例えば「愛玩動物用の保険,動物を飼うことが許されている建物の貸与,これらの建物に関する情報の提供」に使用するときは、単に役務の質(内容等)を表示したものと認識されるにすぎないものと認める。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の「保険,建物の貸与,建物又は土地の情報の提供」に使用するときは役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
3 請求人の主張の要点
(1) 「ペット/PET」の語が日本人には「愛玩動物」の意味を有する語として極めて良く親しまれ、かつ知られている語であることは請求人も認めるが、だからといって「ペット/PET」の語から「愛玩動物用の保険,動物を飼うことが許されている建物の貸与,これらの建物に関する情報の提供」迄を想起させるとすることには到底無理がある。
(2) 請求人は、本願商標と同一の商標を種々の役務区分に登録出願したが、多くの類において何ら役務の質(内容等)を表示したものと認識されるとはされず充分に自他役務の識別標識としての機能を具有すると判断されて登録されている。これら登録に係る役務の中には愛玩動物に関する役務が数多く含まれているにもかかわらず審査の過程において「ペット/PET」の語は何ら役務の質(内容等)を表示するものとは判断されていない。
(3) 仮にも「愛玩動物を撮影する機器」等の意を認識させるにもかかわらず「写真機械器具」又は「ビデオカメラ」を含む機器である「電気通信機械器具」を指定商品として「PET」の語が登録されている。同じく「愛玩動物を治療する機器」等の意を認識させるにもかかわらず「医療機械器具」について、「愛玩動物を寒さから守る機器」等の意を認識させるにもかかわらず「電気ストーブ」を含む機器である「電気機械器具」について「PET」の語が登録されている。
これらの点からいっても、本願商標からはあくまで「愛玩動物」を想起させるのであって、この語から愛玩動物から派生した種々の役務まで想起させるとするのは決して妥当ではない。
4 当審の判断
本願商標は、上記のとおり、請求人も認めるように、「愛玩動物」を意味する語として親しまれている「ペット」及び「PET」の文字からなるものである。
ところで、本願の指定役務との関係において「ペット」の語が使用されているかどうかに関し、当審において職権により証拠調べを行ったところ、以下の事実を発見したので、これを請求人に通知し、期間を指定して意見を提出する機会を与えたが請求人からは何ら応答がない。
(1) 集英社発行「imidas’99」1174頁には、「さまざまなペット関連ビジネス」のタイトルの下に、「ペット保険」、「ペットホテル」、「ペット共生住宅」についての記述がされている。
(2) 朝日新聞記事データベースによれば、97.09.09朝刊27頁に、「ペットを飼える県営住宅団地」、「ペット住宅二団地」、「ペット仕様」、「ペット公園」等の用語を用いて記述されている。同じく、99.07.14朝刊18頁に、「ペット保険」、「ペット共済制度」の語が用いられている。同じく、92.12.20朝刊15頁に、「ペット保険」の語が用いられている。
(3) 読売新聞記事データベースによれば、99.11.23大阪読売朝刊28頁に、「犬や猫を飼えるペット住宅」の記述がある。
(4) 毎日新聞記事データベースによれば、97.11.11地方版13頁東京に、「ペット同居型マンション」、「各居室にも空気清浄器や換気扇、ペット用温水シャワーなどがあって..」の記述がある。
(5) 日経新聞記事データベースによれば、99.03.29本誌朝刊16頁に、「ペット関連サービス」の表題の下に「ペット保険」、「ペットを受け入れるホテル・マンション」について記述されている。同じく、99.01.09日経流通11頁、98.10.27日経金融5頁、96.12.20日経産業1頁、96.05.02本誌夕刊5頁に、「ペット保険」の語が用いられている。同じく、89.09.29本誌夕刊18頁に、「ペット用宿泊施設」の語が用いられている。同じく、88.07.28日経流通4頁に、「ペット相互保障協会、互助会式ペット保険」の表題の下に、「ペットを対象にした健康保険類似制度」、「ペット健康(治療)保険証」の語が用いられている。同じく、87.02.20本誌地方面/北海道に、「ペットの生命と健康の生命保険登場」の表題の下に、「ペット保険」の語が用いられている。
(6) 株式会社ベルコスモのインターネットホームページ(http://www.ilc.or.jp/belcosmo/pet/hoken1.htm )には、ペット共済制度について詳細に記載されている。
以上の事実によれば、愛玩動物用の保険、愛玩動物用のホテル、愛玩動物を飼うことが可能な住宅・マンション等が現実に存在し、ペット関連ビジネスとして脚光を浴びており、これらには「ペット保険」、「ペット住宅」、「ペット宿泊施設」のように「ペット」の語が頻繁に用いられていることが認められる。
しかして、本願の指定役務には「生命保険契約の締結の媒介、生命保険の引受け、損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供」等の役務が含まれており、これらには上記愛玩動物用の保険の引受け、愛玩動物対応の建物の管理・貸与、これらに関する情報の提供等が含まれるものと解される。
そうすると、本願商標は、その指定役務中の「愛玩動物用の保険の引受け、愛玩動物用の保険契約の締結の代理、愛玩動物の飼育可能な建物の管理・貸与、その建物に関する情報の提供」等に使用するときは、これに接する取引者、需要者は当該保険が愛玩動物を対象としたものであること、当該建物が愛玩動物対応のものであること等、当該役務の質、内容を端的に表したものと認識するに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものというのが相当である。また、本願商標を上記役務以外の「保険の引受け、保険契約の締結の代理、建物の管理・貸与、建物又は土地の情報の提供」等に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。
なお、請求人は、当庁における登録例を掲げ種々主張しているが、掲げられた登録例は商品に係るものや役務を異にするものであって、本件とは事案を異にするものであり、本件の判断に影響を及ぼすものではない。また、請求人は愛玩動物専用の機器等についての具体的な証左を示すところがない。結局、請求人の主張は採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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