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Trademark Appeal Case

不使用取消と使用商標の同一性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2017−300324(T2017−300324/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。
審判費用は,請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4907227号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲に示すとおりの構成よりなり,平成17年3月15日に登録出願,同年10月7日に登録査定され,第21類「歯ブラシ」を指定商品として,同年11月11日に設定登録されたものである。

本件審判の請求の登録日は,平成29年5月30日である。

2 請求人の主張

請求人は,商標法第50条第1項の規定により,本件商標の登録を取り消す,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

本件商標は,請求人の調査によれば,その指定商品について,本件商標の商標権者によって,継続して3年以上日本国内において使用されておらず,通常使用権及び専用使用権のいずれも設定登録がなされていないことから,通常使用権者又は専用使用権者が,その指定商品についての使用をしていることも考えられないため,その登録は,商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

なお,請求人は,被請求人の答弁に対し,何ら弁駁するところがない。

3 被請求人の主張

被請求人は,結論同旨の審決を求め,平成29年6月現在,製造販売中である製品に使用している旨を述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証を提出した。

4 当審の判断

(1)証拠によれば,以下の事実が認められる。

ア 乙第1号証は,ホワイトエッセンス E−023歯ブラシのカタログであり,左上部には「ホワイトエッセンス E−023 歯ブラシ」及び「White Essence(R) E−023」(「(R)」は欧文字「R」を円で囲い,小さく表されている。以下同じ。)の記載が,右上には「歯科医院用歯ブラシ」の記載が,右下部には「JAPAN HOUSEHOLD PRODUCTS CO.,LTD.」,「ジャパンハウスホールドプロダックス株式会社」及び「〒170−0011 東京都豊島区池袋本町1−6−3」の記載がある。

イ 上記アのカタログには,赤色,白色及び青色の歯ブラシ及び青色を基調としたその包装箱の写真が複数掲載されており,それら写真から,その歯ブラシのグリップ部分には「White Essence(R) E−023」の文字が,その包装箱の中央部には「White Essence」の文字が顕著に表されていることが確認できる。

ウ 乙第2号証は,鈴与健康保険組合が被保険者に発行する家庭用常備薬の補助斡旋用紙であり,右上部には「平成28年10月」の日付の記載が,及び最下段には「お問合せ先」として「白石薬品株式会社 東京支社 東京物流センター」の記載があり,「斡旋品リスト兼控え」として列挙された多数の商品の中に,項番99として,青色を基調とした包装箱の商品写真とともに,その上部に「歯科医院で推奨されるスタンダードタイプの歯科医院用歯ブラシ」の文字,その下部に「J・H・P」,「1本」,「JHPホワイトエッセンス歯ブラシ E−023 ふつう」,「参考価格 346円」及び「120円」の文字の記載がある。

(2)以上の事実を総合勘案すれば,以下のとおり判断することができる。

ア 使用者,使用標章及び使用商品について

本件商標権者であるジャパンハウスホールドプロダックス株式会社は,そのカタログ(乙1)に,同社の製品として,「White Essence(R) E−023」の商標(以下「本件使用商標1」という。)を付した商品「歯ブラシ」,及び「White Essence」の商標(以下「本件使用商標2」という。)を包装に付した商品「歯ブラシ」を掲載したことが認められる。

イ 本件商標と本件使用商標1及び2の同一性について

(ア)本件商標について

本件商標は,別掲に示すとおり,「ホワイトエッセンス」の片仮名及び「WHITE ESSENCE」の欧文字を上下二段に表してなるところ,「white」(ホワイト)の語は「白。白色。」の意味を有し,「essence」(エッセンス)の語は「物事の本質。植物体から抽出した芳香性の精油。」の意味を有する英語であり,両語を結合して熟語や成語となるものでもないため,それぞれの文字部分から「ホワイトエッセンス」の称呼を生じるが,特定の観念は生じない。

(イ)本件使用商標1及び2について

a 本件使用商標1は,「White Essence(R) E−023」の文字を表してなるところ,前半と後半の文字部分の間に配置された「(R)」(欧文字「R」を円で囲い,小さく表されている。)の記号は,「登録商標(registered trademark)《通例,商標の右肩や脚部に付ける》」(「ジーニアス英和辞典 第5版」,大修館書店発行)の意味を有するものであり,自他商品の識別標識としての機能を有さないものである。そのため,本件使用商標1は,その「(R)」の記号により,構成上,前半と後半の文字部分とが視覚上分離して認識されるばかりでなく,当該記号の左側に配置された「White Essence」の文字部分が,自他商品の出所識別標識としての機能を果たし得る商標であることを印象付けられるため,当該文字部分が,商標の同一性を基礎付ける中核的部分ということができる。

そして,本件使用商標1の「White Essence」の文字部分からは,上記(ア)と同様,その構成文字に相応して「ホワイトエッセンス」の称呼を生じるが,特定の観念は生じない。

b 本件使用商標2は,「White Essence」の文字を表してなるところ,上記(ア)と同様,その構成文字に相応して「ホワイトエッセンス」の称呼を生じるが,特定の観念は生じない。

(ウ)本件商標と本件使用商標1及び2の同一性

上記(ア)及び(イ)を踏まえて,本件商標と本件使用商標1及び2を比較すると,本件商標の構成中「WHITE ESSENCE」の欧文字部分と,本件使用商標1及び2の構成中,商標の同一性を基礎付ける中核的部分である「White Essence」の欧文字部分とは,一部書体に大文字と小文字という変更を加えてなるものの,同一のつづりからなるもので,「ホワイトエッセンス」の称呼を共通にするものである。

そして,本件商標の構成中「ホワイトエッセンス」の片仮名部分と,本件使用商標1及び2の構成中「White Essence」の欧文字部分とは,表示する文字種が異なるため外観上の相違はあるものの,「ホワイトエッセンス」の称呼を共通にするものである。

そのため,本件商標と本件使用商標1及び2は,商品の出所識別標識としての機能を果たし得る,商標の同一性を基礎付ける中核的部分の比較において,称呼を共通にするもので,欧文字部分の比較においては,書体のみに変更を加えた同一のつづりからなる商標であることから,両商標は,社会通念上同一の商標と認められる。

(エ)本件使用商標1及び使用商標2の使用時期について

上記(1)ウのとおり,平成28年10月付けの家庭用常備薬の補助斡旋用紙(乙2)において,「JHPホワイトエッセンス歯ブラシ E−023 ふつう」を商品名とする商品「歯ブラシ」が,青色を基調とした包装箱の写真とともに,「歯科医院用歯ブラシ」として,第三者が販売斡旋する商品として掲載されているところ,上記(1)アのとおり,「ホワイトエッセンス E−023歯ブラシ」のカタログ(乙1)にも,青色を基調とした包装箱の写真が掲載されており,商品名中の「ホワイトエッセンス」の文字及び「E−023」の記号も共通し,いずれも「歯科医院用歯ブラシ」と紹介されているなど多くの共通点を有するため,当該補助斡旋用紙と当該カタログに掲載されている両商品は同一のものであると理解できる。

そうすると,上記商品は,遅くとも上記の補助斡旋用紙に表示されている平成28年10月には第三者が販売できる状態にあったものといえるため,本件使用商標1又は2は,本件審判の請求の登録前3年以内(以下「本件要証期間内」という。)には,上記のカタログに示されているとおり,商品「歯ブラシ」又はその包装に付されていたものと推認できる。

(オ)小括

以上によれば,本件商標権者であるジャパンハウスホールドプロダックス株式会社は,本件要証期間内に,本件審判の請求に係る指定商品「歯ブラシ」又はその包装に,本件商標と社会通念上同一と認められる本件使用商標1又は2を付したものと認めることができる。

そして,上記使用行為は,商標法第2条第3項第1号に該当するものと認められる。

(3)まとめ

以上によれば,被請求人は,本件要証期間内に,日本国内において,商標権者が本件審判の請求に係る指定商品「歯ブラシ」について,本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したといえる。

したがって,本件商標の登録は,商標法第50条の規定により,取り消すことができない。

よって,結論のとおり審決する。

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