Trademark Appeal Case
欧文字1字違いの称呼・観念類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2017−9439(T2017−9439/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は,別掲のとおりの構成からなり,第9類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として,平成28年5月20日に登録出願されたものであり,指定商品については,当審における同29年6月28日付け手続補正書により,第9類「電子応用機械器具及びその部品,マウスパッド,コンピュータ用キーボードカバー,電子計算機及びその周辺機器,電子計算機用プログラム,ダウンロード可能な電子計算機用プログラム及び追加データ,ダウンロード可能な携帯電話機用プログラム及び追加データ,電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・メモリーカード・光ディスク・その他の記録媒体」と補正されたものである。
2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録第5425606号商標(以下「引用商標」という。)は,「AZAREA」の欧文字を標準文字で表してなり,平成22年12月1日登録出願,第9類「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・その他の電子応用機械器具」,第35類「コンピュータプログラム・その他の電子応用機械器具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第42類「インターネットなどの通信ネットワークを用いて行なう電子計算機用プログラムの提供,その他の電子計算機用プログラムの提供,コンピュータソフトウェアの設計・作成又は保守に関するコンサルティング,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機の貸与,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明」を指定商品及び指定役務として,同23年7月15日に設定登録され,その商標権は現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は,別掲のとおりの構成からなるところ,その構成中一部が図案化及び薄赤色の彩色がされてはいるものの,「AZALEA」の欧文字が表されたものと無理なく看取されるものである。
そして,「AZALEA」の文字は,「アザレア,ツツジ,サツキなど(アザレア属の植物)」の意味を有する英単語であるところ,そのつづりから「アザレア」と読むことが多いとみるのが自然である。また,その称呼を片仮名で表した「アザレア」の語は,例えば,「広辞苑第六版」(株式会社岩波書店発行)において「〔植〕(1)ツツジ属の旧称。(2)ツツジの園芸品種。中国南部原産のシナノサツキと日本原産のサツキとを交雑したもの。主にベルギーで改良。矮性で花は大形,白・紅色など種々。多くは鉢植にして栽培。セイヨウツツジ。オランダツツジ。」と記載されており,植物の名称として一般に知られているところである。
そうすると,本願商標は,その構成文字に相応して「アザレア」の称呼を生じ,また,植物の名称としての「アザレア」の観念が生じるとみるのが相当である。
(2)引用商標について
引用商標は,前記2のとおり,「AZAREA」の欧文字を標準文字で表してなるところ,該構成文字は,辞書等に記載はなく,一種の造語として認められるものある。そして,該文字はそのつづりから無理なく「アザレア」と読むことが多いとみるのが自然である。
そうすると,引用商標は,その構成文字に相応して「アザレア」の称呼が生じるものであり,また,植物の名称としての「アザレア」に相当する欧文字のつづりが「AZALEA」であって,4文字目が「R」ではなく「L」であるとまで,広く知られているとも認められず,「アザレア」の語が植物の名称として一般に知られていることを考慮すると,外来語として片仮名で親しまれた「アザレア」とその称呼を同一にするものであるから,引用商標から生ずる「アザレア」の称呼から,植物の名称としての「アザレア」を想起し,観念する場合が少なくないものといえる。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標の類否について検討するに,本願商標を構成する「AZALEA」の欧文字と引用商標の「AZAREA」の欧文字とは,6文字中,4文字目を構成する「L」と「R」の差異以外,そのつづりを同一にするものであるから,外観上近似した印象を与えるものである。
また,本願商標と引用商標とは,共に「アザレア」の称呼を生じるものであるから,両者は,称呼を同一にするものである。
そして,本願商標と引用商標とは,共に生ずる「アザレア」の称呼から,植物の名称としての「アザレア」の観念を生ずるものであるから,両者は,観念においても同一であるといえる。
そうすると,本願商標と引用商標とは,外観上,近似した印象を与えるものであり,また,称呼及び観念を同一にするものであるから,両者は互いに紛れるおそれのある類似の商標といわなければならない。
(4)本願商標の指定商品と引用商標に係る指定商品及び指定役務との類否について
本願商標に係る指定商品は,前記1のとおり,「電子応用機械器具及びその部品,マウスパッド,コンピュータ用キーボードカバー,電子計算機及びその周辺機器,電子計算機用プログラム,ダウンロード可能な電子計算機用プログラム及び追加データ,ダウンロード可能な携帯電話機用プログラム及び追加データ,電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・メモリーカード・光ディスク・その他の記録媒体」であるところ,これらの商品は,引用商標に係る指定商品及び指定役務中の「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・その他の電子応用機械器具」(第9類),「コンピュータプログラム・その他の電子応用機械器具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(第35類)及び「インターネットなどの通信ネットワークを用いて行なう電子計算機用プログラムの提供,その他の電子計算機用プログラムの提供」(第42類)と同一又は類似する商品であるといえる。
(5)小括
以上によれば,本願商標は,引用商標と類似する商標であって,その指定商品は,引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似する商品であるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(6)請求人の主張について
本願商標は,「A」,「Z」,「A」,「L」,「E」,「A」の各欧文字を装飾して,その全体を薄赤色で統一した外観からなり,その外観上の顕著な特徴により,引用商標とは明確に区別できる旨主張する。
しかしながら,本願商標は,その構成文字において,「細幅」と「広幅」の部分があり,また薄赤色で配色されているものの,この程度の図案化や彩色は,通常行われている手法であり,さらに「A」の文字の横線部分が図案化されているとしてもその前後の文字から「A」の欧文字を表したものとして容易に理解し得るものであるから,その文字部分は「AZALEA」の文字を横書きしてなるものと直ちに看取,理解されるものであって,称呼等の共通性を凌駕するほどの顕著な特徴を有するものであるということはできない。
したがって,請求人の主張は採用できない。
(7)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することはできない。
よって,結論のとおり審決する
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