Trademark Appeal Case
記述的結合商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第9085号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「マルチモニターシステム」の文字(標準文字)よりなり、第9類に属する商品を指定して平成9年9月29日登録出願、指定商品については、平成11年5月28日付手続補正書により「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),電気通信機械器具,レコード,メトロノーム,オゾン発生器,ロケット,スロットマシン,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,事故防護用手袋,消防艇,消防車,自動車用シガーライ夕ー,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,磁心,抵抗線,電極,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,計算尺,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,家庭用テレビゲームおもちゃ」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとの理由で本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記したとおり、「マルチモニターシステム」の文字よりなるところ、その構成中の「マルチ」の語は、「多数の、多様の」などの意味を表す接頭語であって、「マルチ商法」、「マルチタレント」のように日常語として使用され、また、指定商品を扱う業界においても「マルチアンプ、マルチメディア」(電気通信機械器具関連用語)、「マルチモニター」(コンピュータ用語)のように普通に使用されているのが実情である。
また、「モニター」の語は、「ディスプレイ(文字や図形を表示する装置)のこと」(日経パソコン新語辞典99年版 日経BP社発行)、「機械などが正常な状態に保たれるように監視する装置」(広辞苑)などを意味する技術用語として取引上普通に使用されているところである。
さらに、「システム」の語は「体系、方式、仕組み」などの意味を有する語としてこの種商品に限らず世上一般に極めて親しまれ、常用される語と認められる。
このように、本願商標構成中の「マルチ」、「モニター」、「システム」の各語は、それぞれが本願指定商品との関係で親しまれて使用されている用語であることから、本願商標は、これらの語を結合してなるものと容易に看取されると同時に、その構成全体からは、「多面的に情報を表示(監視)する機械装置」の如き意味合いを容易に認識し、理解されるものと認められる。
このことは、例えばモニター装置に関する以下のインターネットの情報や新聞記事などに照らしても十分理由づけられるものといえる。
1)学校放送設備に関して、「マルチモニターシステムによるスピーディーな映像チェック」「3つの画面を同時に見られるマルチモニター。これは便利だ」との表示(http://pro−mm.jvc−vtb.co.jp/pavoss/av8300.html)。
2)映像表示機器に関して、「当社ではほかに『ジェイアール京都伊勢丹』コンコース内の12面マルチモニターシステム、ビル内テナントを合計29件設計しました。」との表示(http://www.nomurakougei.co.jp/l.project/arc9712/theater.html)。
3)「レストランの客足今ひとつ スキー・ステーション汐留」との見出しのもと「.........魅力を倍加しようと設けられたアミューズメントスペースには、9面マルチモニターが置かれ、ワールドカップの模様や、スキーウエアのショーを映し出している。.........」との記事(1989年12月21日付 朝日新聞東京版)。
4)「指令センターへ、ヘリで現場中継 消防車指示 北九州市消防局/福岡」との見出しのもと「若松区上空を飛ぶヘリコプターによる工場の映像が、51インチモニターが3面並んだマルチ影像装置に浮かび上がった。.........【写真説明】ヘリコプターからの生中継映像を映し出すマルチモニター」との記事(1995年4月6日付 朝日新聞福岡版)。
ところで、本願指定商品は前記したとおりのものであって、その指定商品中「測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電気磁気測定器,電気通信機械器具」などの商品には、測定したデータ・制御中の情報・その場の音声や映像情報などを離れた場所で受け取ったり、監視したりする機能を有する機械器具が存在するところである。
してみれば、本願商標「マルチモニターシステム」をその指定商品中の多面的モニター機構を備えた商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、前記各事情よりして、該商品が多面的に情報を表示(監視)するための機能を有する商品であること、すなわち、その構造、機能又は品質を表示したものと理解するに止まり、それをもって、自他商品の識別標識とは認識しないものといわなければならない。また、これを、前記以外の商品に使用するときには、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるというべきである。
したがって、同旨の理由をもって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第16号に該当するとした原査定の認定・判断は妥当なものであって、これを取り消す限りではない。
よって、結論のとおり審決する。
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