Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第15623号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、後掲(1)に示すとおり「εフリー」の文字を書してなり、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電気磁気測定器,写真機械器具,光学機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,火災報知器,盗難警報器」を指定商品として、平成6年12月6日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原審において、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、その拒絶の理由に引用した登録第2255022号商標(以下、「引用A商標」という。)は、昭和62年8月7日に登録出願、後掲(2)に示すとおり「Free−X」と表してなり、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)、電気材料」を指定商品として、平成2年8月30日に設定登録、その後、同12年3月28日に更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。同じく、登録第2694571号商標(以下、「引用B商標」という。)は、平成3年11月11日登録出願、後掲(3)に示すとおり「フリー」の片仮名文字を書してなり、第10類「理化学機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)光学機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)写真機械器具、映画機械器具、測定機械器具(電子応用機械器具に属するものおよび電気磁気測定器を除く)医療機械器具、これらの部品および附属品(他の類に属するものを除く)写真材料」を指定商品として、同6年9月30日に設定登録されたものである。同じく、登録第4117288号商標(以下、「引用C商標」という。)は、平成6年7月1日登録出願、後掲(4)に示すとおり「FREE」の欧文字と「フリー」の片仮名文字とを上下二段に書してなり、第9類「眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,オゾン発生器,電解槽,遊園地用機械器具,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,火災報知機,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,盗難警報器,保安用ヘルメット,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,計算尺,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,潜水用機械器具,アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,電動式扉自動開閉装置」を指定商品として、同10年2月20日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
本願商標は、その構成後掲(1)に示すとおり「εフリー」の文字を表してなるところ、これを構成する「ε」の文字又は記号と、「フリー」の文字部分は視覚上自ずと分離して看取し得るものであり、また、これら各文字(語)を常に一体のものとして把握しなければならないような意味上の関連性は見出し難く、かつ、その証拠も見出せない。そして、構成中、前半の「ε」の文字又は記号部分は、これを学術的に考察した場合、ギリシア文字の5番目の文字「Ε」(イプシロン)を小文字で表したものと理解し得るとしても、一般的には、英語の発音記号「ε」の如く看取されるほか、それ自体が格別一般に親しまれている事情を見出せないのに対し、同後半の「フリー」の文字部分は、「自由なさま、束縛されないこと又は無料」等の意味合いで一般に親しまれ、馴染まれている平易な外来語と認められる。
かかる場合、本願商標に接する取引者、需要者は、その構成にあって、親しみ易く、馴染み易い「フリー」の文字部分に着目し、該文字又は該文字部分より生ずる称呼、観念をもって簡便に取引に資する場合も決して少なくないとみるのが取引の経験則上相当である。
したがって、本願商標は「フリー」の文字に相応して、単に「フリー」(自由なさま、束縛されないこと又は無料)の称呼、観念も生ずるものといわなければならない。
一方、引用A商標は、その構成後掲(2)に示すとおり、「Free−X」と表してなるところ、一般的に欧文字の1文字ないし2文字は、商品の規格、品番等を表すための記号又は符号として類型的に使用されているものであることからすれば、これに接する取引者、需要者は、構成中後半の「X」の欧文字部分は、前記記号、符号の一類型と容易に理解し、すなわち、それ自体は単独で商品識別の標識としての機能を果たし得ない部分と理解し、以て前半の「Free」の文字部分を自他商品の識別標識と捉え、該文字又は該文字部分より生ずる称呼、観念をもって簡便に取引に資する場合も決して少なくないというのが商取引の経験則上相当である。
したがって、引用A商標からは、「Free」の文字部分に相応して単に「フリー」(自由なさま、束縛されないこと又は無料)の称呼、観念も生ずるものといわなければならない。
また、引用B商標は、その構成後掲(3)に示すとおり、「フリー」の片仮名文字を横書きしてなるものであるから、その構成文字に相応して、「フリー」(自由なさま、束縛されないこと又は無料)の称呼、観念を生ずるものとみるのが自然である。
さらに、引用C商標は、その構成後掲(4)に示すとおり、「FREE」、「フリー」の欧文字及び片仮名文字を二段に書してなるものであるから、その構成文字に相応して、「フリー」(自由なさま、束縛されないこと又は無料)の称呼、観念を生ずるものとみるのが自然である。
してみれば、本願商標と引用A,B,C各商標とは「フリー」(自由なさま、束縛されないこと又は無料)の称呼、観念において互いに紛れ易く、このほか、外観の点を考慮するとしても、なお、両者はその出所について混同を生ずるおそれのある類似の商標といわなければならない。
そして、本願商標は、その指定商品中に、引用各商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むものと認められる。
そうとすれば、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するといわざるを得ないから、この理由をもって本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すべき限りでない。
請求人は、「フリー」を含む商標の登録例及び同人に係る登録商標「放射率フリー」の存在を理由に本願商標の登録適格を主張しているが、それらの事例は商標の具体的構成において本願商標とは事案を異にするものであって、それら事例をもって本件の類否判断の基準とするのは必ずしも適切でなく、また、本件については前記認定を相当とするものであるから、その主張は採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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