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Trademark Appeal Case

記述的表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第719号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「自然の最も濃縮されたカルシウム」の文字を横書きしてなり、第5類「薬剤,歯科用材料,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,耳帯,眼帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,乳児用粉乳,乳糖」を指定商品として、平成8年9月26日登録出願され、その後、指定商品について「ビタミン・ミネラルよりなる滋養強壮剤」と補正したものである。

2 原査定の理由

本願商標は、「自然の最も濃縮された」と普通に用いられる方法で表してなるが、当該語よりすれば、需要者に「カルシウムは自然が最も濃縮された物質である」といった品質についての記述的表示と認識されるに止まるとするのが相当であることよりすれば、本願商標を指定商品中「カルシウムを用いた商品」(例えば、「カルシウムを用いた薬剤」)について使用したときは、単に商品の品質について表示したにすぎないものと認める。したがって、商標法第3条第1号第3項に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1号第16項に該当する。として拒絶したものである。

3 請求人の主張

本願商標は、単に商品の品質を記述的表示したものではなく、商品の特長とするところを消費者にアピールすべく表現したスローガンであって、「自然の最も濃縮された」というのは「大自然の恵みが最適の状態に濃縮されている」という意味であり、この語自体は品質とは無関係である。

また、請求人の出願に係る商標「NATURE’S MOST CONCENTRATED FORM OF CALCIUM」よりなる平成8年商標登録願第108331号は、同様の拒絶理由通知があったが、意見書が採用されて登録第4216438号商標となったし、「NATURE’S MOST CONCENTRATED FORM OF CALCIUM」の語よりなる商標が、アメリカ合衆国で登録されており、その現地語に翻訳された商標はアルゼンチン等、11の国等で登録されているものである。

4.当審の判断

本願商標は、指定商品との関係においては、「自然のカルシウムが多量に含まれた薬剤」の意味合いを看取させるものであるところ、日本国内において広く愛用されている漢方薬の中には、天然のカルシウムを処方したものも少なくなく、中でも、「牡蠣(ボレイ)」と呼ばれる牡蠣の貝殻は、天然の炭酸カルシウムを主成分とするものであって、また、同様に、大昔の哺乳類の自然の遺骸(旧象の骨の化石)で、天然の炭酸カルシウムを主成分とするもので積年にわたる自然の濃縮されたカルシウム「竜骨」、主成分はフッ化カルシウムで、強壮剤としても使用される「紫石英」又は「蛍石」とも言い、含水硫酸カルシウムである「石膏」がある(田村豊幸著「カルシウム欠乏症」株式会社芽ばえ社、1988年8月10日第14刷発行、第108頁)。

このような漢方薬である、天然の牡蠣(ボレイ)・竜骨等を濃縮して水分を除去し、飲み易い粉剤・錠剤として配合、処方した製剤、例えば、「柴胡加竜骨牡蛎湯」(日薬連漢方専門委員会編集者「一般用漢方処方の手引き」株式会社薬事時報社、昭和55年5月20日第4版第4刷発行)、「紫根牡蛎湯」(矢数道明著「漢方後世要方解説」医道の日本社、昭和55年3月1日第6版発行)、「桂枝加竜骨牡蛎湯」(矢数道明著「漢方後世要方解説」医道の日本社、昭和55年3月1日第6版発行)、「石膏熟地煎」、「石膏知母湯」、「石膏知母加人参湯」、「石膏知母桂枝湯」(日本漢方協会「実用漢方処方集」株式会社薬事時報社、平成5年11月15日改訂版発行)等が、自然の濃縮されたカルシウムを配合、処方して滋養強壮のための漢方製剤として市場に出回っている実情がある。

そうとすれば、「自然の最も濃縮されたカルシウム」と普通に用いられる方法で表した本願商標を、補正後の指定商品である「ビタミン・ミネラルよりなる滋養強壮剤」に使用しても、本願商標に接する漢方薬に慣れ親しんでいる、わが国における取引者、需要者は、「天然のカルシウムが濃縮されたカルシウム」程度の意味合いを理解し、認識するものと認められ、本願商標は、単に商品の品質を誇称に表示するにすぎないものとみるのが相当であるから、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきである。

また、平成8年商標登録願第108331号は、登録となった旨、諸外国での登録の例を挙げて、登録されるべき旨主張するが、本願商標とはその構成文字、構成態様を異にするので、その主張は採用できない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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