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Trademark Appeal Case

欧文字造語の称呼類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2016−1820(T2016−1820/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「UNIFI」の欧文字を標準文字で表してなり、第9類「クロマトグラフィー及び質量分析の分野において用いられる理化学装置の制御用コンピュータソフトウェア,データの収集・分析・管理・保存・転送及びデータの状況監視・レポート作成・法規制との適合性を図る理化学装置制御用コンピュータソフトウェア,その他のコンピュータソフトウェア」を指定商品として、平成27年1月27日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定及び当審において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである(以下、これらをまとめて「引用商標」という場合がある。)。

(1)登録第5228470号商標(以下「引用商標1」という。)

・商標の構成:「UniFi」(標準文字)

・登録出願日:平成20年7月11日

・設定登録日:平成21年5月1日

・指定商品:第9類「半導体チップ,半導体素子」

(2)登録第2048810号商標(以下「引用商標2」という。)

・商標の構成:別掲1のとおり

・登録出願日:昭和59年9月25日

・設定登録日:昭和63年5月26日

・更新登録日:平成10年6月23日,平成20年6月3日

・書換登録日:平成21年6月10日

・指定商品:第9類「電子応用機械器具及びその部品」を含む第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品

(3)国際登録第1117863A号商標(以下「引用商標3」という。)

・商標の構成:「Unify」の欧文字

・国際登録日:2011年(平成23年)10月19日

・設定登録日:平成25年11月8日

・指定商品及び指定役務:第9類「Computers; optical, electrotechnical and electronic apparatus and equipment for the integration of voice, image, text, data, multimedia and moving image communications on networks; apparatus for recording, processing, sending, transmission, relaying, storage and output of messages, information and data; communications computers, computer software;」を含む第9類、第35類ないし第38類、第41類及び第42類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務

3 当審の判断

(1)本願商標

本願商標は、前記1のとおり、「UNIFI」の欧文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して「ユニファイ」又は「ユニフィ」の称呼を生ずるものと認められ、また、該文字が特定の意味合いを有しないものであるから、一種の造語として看取されるものであり、これよりは特定の観念を生じないものである。

(2)引用商標

引用商標1は、「UniFi」の欧文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して「ユニファイ」又は「ユニフィ」の称呼を生ずるものと認められ、また、該文字が特定の意味合いを有しないものであるから、一種の造語として看取されるものであり、これよりは特定の観念を生じないものである。

引用商標2は、別掲1のとおり、「Unify」の欧文字を筆記体で書してなり、引用商標3は、「Unify」の欧文字を横書きしてなるところ、引用商標2及び3を構成する「Unify」の文字は、「統一する」等の意味を有する英語として辞書に掲載されているものの、例えば「ウェブリオ株式会社」が運営する「英和辞典・和英辞典 weblio」と称する多数の辞書等による記載を検索可能なウェブサイトにおいて、「Unifyの学習レベル」として「学校レベル:大学以上の水準」「英検:準1級以上合格に覚えておきたい単語」「TOEICスコア:860以上取得に覚えておきたい単語」と記載されていることからしても(http://ejje.weblio.jp/content/unify)、我が国においてその意味が広く一般に知られている語とは認められないから、一種の造語として看取されるものであり、それぞれの構成文字に相応していずれも「ユニファイ」又は「ユニフィ」の称呼を生ずるものである。そして、引用商標2及び3は、いずれも特定の観念を生じないものといえる。

(3)本願商標と引用商標の類否

ア 本願商標と引用商標1の類否

(ア)本願商標と引用商標1とは、上記のとおり、いずれも標準文字をもって表された欧文字であって、その綴りを同一にするものであり、相違する部分は、二文字目の「N」と「n」、三文字目の「I」と「i」及び語尾に位置する「I」と「i」がそれぞれ大文字又は小文字であるかの差異のみであるから、外観上、極めて近似した印象を与えるものである。

また、本願商標と引用商標1とは、いずれも「ユニファイ」又は「ユニフィ」の称呼を生じるものであるから、その称呼を同一にするものであり、さらに、両者は特定の観念を生じるものではなく、観念上、区別することができない。

してみれば、本願商標と引用商標1とは、外観において近似し、称呼を共通にする商標であって、観念において区別できるものではないから、互いに紛れるおそれのある類似の商標である。

(イ)本願商標の指定商品は、前記1のとおり、第9類「クロマトグラフィー及び質量分析の分野において用いられる理化学装置の制御用コンピュータソフトウェア,データの収集・分析・管理・保存・転送及びデータの状況監視・レポート作成・法規制との適合性を図る理化学装置制御用コンピュータソフトウェア,その他のコンピュータソフトウェア」であるところ、これらはいずれも「コンピュータソフトウェア」であるから、本願商標の指定商品はすべて「電子計算機用プログラム」の範疇の商品である。

引用商標1の指定商品は、前記2のとおり、第9類「半導体チップ,半導体素子」であるところ、別掲2によれば、引用商標1の指定商品中の「半導体チップ」とは、シリコンウエハの上に「トランジスター」や配線を組み込んだものであり、集積回路(IC)、大規模集積回路(LSI)及びコンピュータの中央処理装置(CPU)等は、該「半導体チップ」に含まれるものである。また、引用商標1の指定商品中の「半導体素子」とは、上記「半導体チップ」をパッケージに入れてリード線を取り出した製品を称するものであり(該製品のことを単に「半導体」と称することもある。)、「半導体素子」に含まれる「ダイオード」や「トランジスター」は、TV、パソコン、携帯電話、BS受信機、各種機器の電源等、多くの機器に使用されている。

そして、「電子計算機用プログラム」、「半導体素子」、「ダイオード」、「トランジスター」並びに「半導体チップ」に含まれる「集積回路」及び「大規模集積回路」は、商標法施行規則第6条別表及び「商品及び役務の区分」に基づく類似商品役務審査基準に例示されているものであり、いずれも「電子応用機械器具及びその部品」の範疇の商品として理解、採択されている。

また、「商品及び役務の区分解説〔国際分類第10版対応〕特許庁商標課編」(発明推進協会発行)によれば、該「電子応用機械器具及びその部品」は、「この概念には、電子の作用を応用したもので、電子の作用をその機械器具の機能の本質的な要素としているものだけが含まれる。」と記載されている。

さらに、別掲3によれば、「コンピュータソフトウェア」と「半導体チップ,半導体素子」に含まれる「ダイオード」「トランジスター」「大規模集積回路(LSI)」等が、同一営業主により製造(開発)されている実情があり、別掲4によれば、「コンピュータソフトウェア」と「半導体チップ」に含まれる「コンピュータの中央処理装置(CPU)」が、同一営業主により販売されている実情がある。

そして、「コンピュータソフトウェア」と「半導体チップ,半導体素子」とはいずれもその機能や用途が様々に異なり多数の種類を有する商品であることから、その需要者の範囲は共に、用途や機能に応じて幅広いものと認められるところ、例えば、別掲5によれば、「半導体チップ」に含まれる「コンピュータの中央処理装置(CPU)」やパーソナルコンピュータのオペレーティングシステム(OS)用の「コンピュータソフトウェア」は、一般の需要者がパーソナルコンピュータを自ら作り上げる際に、いずれも構成要素のひとつとして用いられている実情がある。かかる実情に照らせば、「コンピュータソフトウェア」と「半導体チップ」とは、その需要者の範囲を同じくする場合があるものといえる。

そうすると、本願商標の指定商品「コンピュータソフトウェア」等の「電子計算機用プログラム」と引用商標1の指定商品「半導体チップ,半導体素子」とは、共に、電子の作用を応用したもので、電子の作用をその機械器具の機能の本質的な要素としているものであって、かつ、その生産部門及び販売部門並びに需要者の範囲を同じくすることがあるといえるものであり、これらの取引の実情に照らせば、両者は、類似する商品と判断すべきものである。

したがって、本願商標の指定商品は、引用商標1の指定商品と類似するものである。

なお、請求人は、請求人が本願商標を使用する商品は、理化学装置に搭載されるものであり、その機能又は用途により、むしろ第9類の「理化学機械器具」に属する商品ともいえるから、本願商標の指定商品と引用商標1の指定商品とは非類似である旨主張する。

しかしながら、本願商標の指定商品がいかなる機能又は用途を有するものであったとしても、「コンピュータソフトウェア」であることに変わりはない上、本願商標の指定商品と引用商標1の指定商品とは、いずれもその機能や用途が様々に異なり多数の種類を有する商品であり、引用商標1の指定商品「半導体チップ,半導体素子」も、本願の指定商品「コンピュータソフトウェア」と同様に、様々な機器に用いられる商品であることは上記したとおりであるから、本願商標の指定商品が理化学装置に搭載されるものであるからといって、本願商標の指定商品と引用商標1の指定商品とが、類似することを否定する根拠となるものではない。

したがって、請求人の上記の主張は、採用できない。

(ウ)以上のとおり、本願商標と引用商標1とは、類似の商標であり、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標1の指定商品と類似するものである。

イ 本願商標と引用商標2及び3の類否

(ア)本願商標と引用商標2及び3とは、その構成が上記のとおりであるから、両者は、いずれも普通に用いられる書体をもって表された欧文字のみからなるものであって、語頭から4文字目までその綴りを同一にするものであり、相違する部分は、語尾に位置する「I」と「y」の文字の差異のみであるから、外観上、互いに近似した印象を与えるものである。

また、本願商標と引用商標2及び3とは、いずれも「ユニファイ」又は「ユニフィ」の称呼を生ずるものであるから、その称呼を同一にするものであり、さらに、両者は特定の観念を生じるものではなく、観念上、区別し得るものでもない。

そうすると、本願商標と引用商標2及び3とは、外観において近似し、称呼を共通にする商標であって、観念において区別できるものではないから、その外観、称呼及び観念によって需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して考察すると、互いに相紛れるおそれのある類似の商標であると判断するのが相当である。

(イ)そして、本願商標の指定商品は、引用商標1の指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品」と、また、引用商標2の指定商品中の第9類「Computers; optical, electrotechnical and electronic apparatus and equipment for the integration of voice, image, text, data, multimedia and moving image communications on networks; apparatus for recording, processing, sending, transmission, relaying, storage and output of messages, information and data; communications computers, computer software;(参考和訳:コンピュータ,ネットワーク上の音声・画像・テキスト・データ・マルチメディア及び動画の統合用の光学式・電気工学式及び電子式機器,メッセージ・情報及びデータの記録用・処理用・送信用・伝送用・中継用・保存用及び出力用の機器,電気通信用コンピュータ,コンピュータソフトウェア)」とそれぞれ同一又は類似するものである。

(ウ)なお、請求人は、本願商標の指定商品に係る需要者又は取引者は、高度なコンピュータ知識を有する者であって英語に対する関心が高いため、引用商標2及び3を構成する「Unify」の語からは「ユニファイ」の称呼しか生じず、また、これよりは特定の観念を生じるものであり、本願商標と引用商標2及び3とは非類似である旨主張する。

しかしながら、本願商標の指定商品「コンピュータソフトウェア」の需要者の範囲が、その機能又は用途に応じて幅広いものであることは請求人も主張しているところであり、また、引用商標2及び3を構成する「Unify」の文字が我が国においてその意味が広く一般に知られている語とは認められないことは上記したとおりであるから、引用商標2及び3は、一種の造語として看取され、このような欧文字で表記されているものは、ローマ字風又は我が国で親しまれた外国語である英語風に読まれるというのが相当であり、いずれも「ユニファイ」又は「ユニフィ」の称呼を生ずるものであって、引用商標から「ユニフィ」の称呼をも生ずることを否定できない。

また、請求人は、他の商標登録例を挙げ、本願商標と引用商標2及び3とは非類似の商標である旨主張する。

しかしながら、請求人の挙げた事例は、本願商標とはその構成が相違するものであるところ、商標の類否の判断は、登録出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断されるものであるから、請求人の挙げた商標登録の例があるからといって、本願商標が登録されるものであるということにはならない。

さらに、請求人は、引用商標1と引用商標2及び3がいずれも商標登録されていることから、本願商標と引用商標2及び3とは非類似の商標である旨主張する。

しかしながら、引用商標1と引用商標2は商標登録査定時において出願人が同一であったという経緯があり、現時点においてこれらが別の権利者に係る商標登録となっている事実があるからといって、本願商標が登録されるものであるということにはならない。

したがって、請求人の上記の主張はいずれも採用できない。

(エ)してみれば、本願商標と引用商標2及び3とは、類似の商標であり、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標2及び3の指定商品と類似するものである。

(4)まとめ

以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品は類似するものといえるから、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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