sokuhyo

Trademark Appeal Case

平滑基板の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第1958号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「平滑基板」の文字を書してなり、第9類「プリント配線板,プリント配線基板,プリント回路板,プリント回路基板,印刷配線板,印刷配線基板,印刷回路板,印刷回路基板」を指定商品として平成9年6月3日登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当する旨認定・判断して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)本願商標は、前記のとおり「平滑基板」の文字よりなるところ、その構成中の「平滑」の文字は、「たいらでなめらかなこと」を意味し、また、「基板」の文字は、「電子部品を組み込むプリント板。また、集積回路を配線するシリコンの結晶板。」を意味するものである(広辞苑第5版)。

(2)ところで、「平滑」若しくは「基板」の文字について、「プリント配線板」等を取り扱う業界の実状をみると、例えば業界新聞等において、以下のように使用されている事実が認められる。

1985年4月4日付日経産業新聞には、「セラミコ、高純度アルミナ基板、低コスト量産を実現―近く本格生産」の見出しの下、「ベンチャー企業のセラミコは、純度99・85%という高純度アルミナ基板の低コスト量産化にメドをつけ、近く本格生産に入る。現在量産されているアルミナ基板は純度96―97%程度で、高純度のものはコスト高であまり生産されていないが、同社は特殊な製法を開発、低コストで量産を可能にした。高純度で割れにくく、基板に配線を印刷する際の歩留まりが向上するほか、熱放射性が良い、表面が平滑で印刷前に改めて研磨しなくてもよいなどのメリットを持つ。・・」との記載がある。

また、1998年7月1日付日刊工業新聞には、「東芝、新しいシリコン酸化技術を開発。原子レベルで平滑な界面」の見出しの下、「東芝は原子状の活性(ラジカル)酸素を利用して原子一層レベルで平滑な界面を持つ新しいシリコン酸化技術を開発した。活性酸素で十ナノメートル厚まで酸化するとシリコン基板にもともとあった二―三原子層程度の荒れまで平滑になる現象を見いだし、この原子レベルで平滑な界面に厚さ三ナノメートルの酸化膜を形成した。・・」との記載がある。

さらに、1999年10月4日付日経産業新聞には、「基板との密着力向上、古河電工、銅箔開発」の見出しの下、「古河電気工業はパソコンやプリンター内部のプリント配線板に使う銅箔(はく)の表面を平滑にした製品「F―WSシリーズ」を開発、九月から量産を始めた。表面を平らにした後に細かな溝を付けることで、銅箔に接着させる樹脂製の基板との接着力が高まるほか、基板上に従来より微細な回路を作ることが可能になるという。・・」との記載がある。

(3)また、同じく「平滑」若しくは「基板」の文字について、業界関連のいわゆるインターネットホームページ情報をみると、例えば以下のように使用されている事実が認められる。

ア、「銅箔張複合セラミック基板」の広告に関し、その特徴の一つとして「9,18ミクロン厚のロープロファイル銅箔との組み合わせにより、平滑な基板が得られます。」の記述が認められる(http://www.tokyoshokai.co.jp/d_cerasi.htm)。

イ、「日経メカニカルON LINE」の記事中に「・・化学機械研磨(CMP)を使って余分な銅を削り、表面を平滑にした基板を作成する。・・」の記述が認められる(http://nmc.nikkebp.co.jp/kiji/t544i.html)。

ウ、「板谷固液界面プロジェクト:最近の研究成果」に関する記事中「4.半導体電極表面の原子分解能解像並びにエッチング過程の観測」の項において「・・次世代の半導体工業で要求される原子的平滑基板面の作成プロセスの基礎を確立した」の記述が認められる(http://village.infoweb.or.jp/ ̄fwga0727/results.htm)。

エ、「第2回半導体パッケージング技術展」における、(株)野田スクリーンの出展製品の紹介記事中「フラットコート法(平滑基板)」の記述が認められる(http://web.reedexpo.co.jp/ic/exhibitorR.html)。

オ、「都立大学(工業化学)」のホームページ中「電気化学(3)単分子膜を用いる金属薄膜の形成」の項において「・・分子レベルでの単分子膜の構造を検討することを目的に単分子膜を平滑基板上に累積したLB膜の原子間力顕微鏡による観察を試みた・・」の記述が認められる(http://www.eng.metro ̄u.ac.jp/eng/anual_1995/arj85.html)。

カ、「社団法人応用物理学会」のホームページ中「高知工科大学工学部電子・光システム工学科」の項において「・・専門分野:超平滑基板研磨・・」の記述が認められる(http://www.jsap.or.jp/kaigo/personnel_200003.html)。

(4)以上、認定の事実を総合すれば、「プリント配線基板」等の商品分野にあっては、その基板上に高密度のマイクロ回路を作成する関係上その表面はたいらでなめらかであることが要求されることから、「平滑」又は「平滑基板(基板)」の文字(語)は、全体として「(プリント板などの)基板の表面がたいらでなめらか」といった意味合いを容易に認識、理解させるものであり、かつ、その意味合いをもって取引上普通に用いられる語と認められる。

そうすると、「平滑基板」の文字を普通に用いられる方法で書してなる本願商標をその指定商品である「プリント配線基板」等に使用しても、これに接する取引者・需要者は、前記事情よりして、該商品の構造、品質を表示したものと理解するにとどまるものであって、それをもって、自他商品の識別標識とは認識し得ないものというべきである。

してみれば、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当するものといわざるを得ないから、これと同旨の理由をもって本願を拒絶した原査定の認定は妥当であって取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。