結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 異議2017−900112(T2017−900112/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第5911115号商標(以下「本件商標」という。)は,「AUTO LOCK」の欧文字を標準文字で表してなり,平成28年5月24日に登録出願,同年11月18日に登録査定され,第21類「ガラス製包装用容器(「ガラス製栓・ガラス製ふた」を除く。),ガラス製栓,ガラス製ふた,鍋類,コーヒー沸かし(電気式のものを除く。),鉄瓶,やかん,食器類,携帯用アイスボックス,米びつ,食品保存用ガラス瓶,水筒,魔法瓶,調理用具,アイスペール,こしょう入れ,砂糖入れ,ざる,塩振り出し容器,しゃもじ,じょうご,ストロー,膳,栓抜,卵立て,タルト取り分け用へら,ナプキンホルダー,ナプキンリング,鍋敷き,はし,はし箱,ひしゃく,ふるい,盆,ようじ,ようじ入れ,清掃用具及び洗濯用具」を指定商品として,同29年1月6日に設定登録されたものである。
(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,本件商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第13号証を提出した。
(2)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について本件商標「AUTO LOCK」は,「オートロック」に通じる欧文字であるところ,「オートロック」の語は「自動的に錠をかける」,「自動的に閉じる」,「自動的に動かなくする」,「自動的に固定する」等の意味合いを表すものとして,鍋類等の調理器具,飲料容器,調理用具を取り扱う業界等において普通に使用されているため,これをその指定商品中,前記意味合いに照応する商品(例えば,蓋を閉めると自動的に固定される鍋類や飲料容器,開閉機能を自動的に固定するトング等)に使用するときは,単に商品の品質を表示するにすぎない。
したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記商品以外の商品に使用するときは,商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるため,商標法第4条第1項第16号に該当する。
当審において,平成29年7月27日付けで,商標権者に対し通知をした取消理由は,商標法第3条第1項第3号に基づくものであり,要旨以下のとおりである。
(1)「AUTO LOCK」(オートロック)の語の使用状況について
申立人の提出に係る証拠及び申立ての理由並びに当審における職権調査(別掲1〜9)によれば,「オートロック」(auto lock)の語は,「自動的に施錠する装置」程の意味を有する和製英語であり,本件商標の登録査定時より前から,商品「圧力鍋,水筒及び魔法瓶」との関係においては,蓋又は中栓を自動的にロック(固定)する機構を指称する語として用いられている事実が認められる。また,商品「トング」との関係においては,わずかな操作でトングの開閉をロック(固定)する機構を有する商品が多数存在しており,それを「オートロック」と指称している商品もある事実が認められる。
(2)本件商標の商標法第3条第1項第3号該当性について
本件商標は,「AUTO LOCK」の文字を標準文字で表してなるところ,上記(1)のとおり,該文字は「自動的に施錠する装置」の意味を有する語であるが,本件指定商品中「圧力鍋,水筒,魔法瓶,トング」との関係においては,蓋,中栓又はトングの開閉を自動的にロック(固定)する機構を指称する語として,本件商標の登録査定時には,それら指定商品を取り扱う業界において使用されている実情があることから,これを上記指定商品に使用するときは,取引者,需要者をして,その商品が単に上記機構を備えた商品であることを認識させるものであって,単に商品の品質(機能)を認識させるものにすぎず,自他商品の識別標識としての機能を有していないものである。
したがって,本件商標は,その指定商品中「圧力鍋,水筒,魔法瓶,トング」については,商標法第3条第1項第3号に該当する。
本件商標権者は,上記3の取消理由に対して,何ら意見を述べていない。
(1)本件商標について
本件商標は,「AUTO LOCK」の欧文字を標準文字で表してなるところ,「auto」(オート)の語は「自動の」の意味を有し,「lock」(ロック)の語は「鍵をかけること。」の意味を有する英語(外来語)としていずれも我が国で親しまれており,これらを結合した「auto lock」(オートロック)の語も「ドアを閉めると自動的に施錠する装置。自動施錠。」の意味を有する和製語として親しまれているため,本件商標からは,「オートロック」すなわち「自動的に施錠する装置」程の意味合いを容易に認識させる(参照:「広辞苑 第6版」2008年1月11日,株式会社岩波書店発行;「コンサイスカタカナ語辞典 第4版」2010年2月10日,株式会社三省堂発行)。
(2)「オートロック」及び「ロック」の語の使用状況について
申立人の提出に係る証拠及び当審における職権調査によれば,以下のアからエに掲げる認定事実のとおり,「オートロック」(auto lock)の語は,本件商標の登録査定時より前から,商品「圧力鍋,水筒及び魔法瓶」との関係においては,蓋又は中栓を自動的にロック(固定)する機構を指称する語として用いられており,また,商品「トング」との関係においては,わずかな操作でトングの開閉をロック(固定)する機構を有する商品が多数存在しており,それを「オートロック」と指称している商品もあることが認められる。
ア 商品「圧力鍋」関連の使用状況
商品「圧力鍋」の機能,構造と関連して,「オートロック式の安全レバーを動かさないとフタが開かない構造になっています。」(甲2),「安心レバー(オートロック機能付き)だから安心。」(甲3),「・・・オートロックなど,優れた機能が自慢です。」(甲4),「特厚オートロック方式SG認定」(甲5),「オートロック方式」(甲6)などのように,圧力鍋の蓋を自動的に固定する機構を指称する語として,「オートロック」の語が取引上用いられている。
イ 商品「水筒,魔法瓶」関連の使用状況
商品「水筒,魔法瓶」の構造,機能と関連して,「閉め忘れても安心のオートロック中栓。中栓が開いたままでも,上蓋を閉めれば自動でロックが掛かって中身が出ません。」(甲7),「二重ロック構造で閉め忘れても安心のオートロック中栓」(甲8),「・・・新構造のオートロック式ボタン構造を搭載した『真空断熱ケータイマグ(JNSシリーズ)』を新たに発売します。フタを閉めると同時に自動的にボタンにロックがかかるので,ロックの閉め忘れにより,気づかずフタが開いてしまうといった誤作動を防止でき安心です。」(甲9),「オートロック式ボタン構造」(甲10),「ふたを閉めれば自動でロックする『オートロック機能』を搭載。」(甲11),「オートロック式のユニットキャップ」(甲12)などのように,水筒又は魔法瓶の中栓を自動的にロック(固定)する機構を指称する語として,「オートロック」の語が取引上普通に用いられている。
ウ 商品「トング」関連の使用状況
商品「トング」の構造又は機能と関連して,「持ち手をロックして,コンパクトに収納可能です。」(別掲3),「片手のみでトングのロックとロック解除ができるとっても便利なトングです!トングの先端を上向きで握るとロックされ,下向きに握ると解除されます。」(別掲4),「広がらずに収納できるロック機能付きです。」(別掲6),「フック用の先端にある丸い部分を押すトングが開き,引くと閉じてロックされるので収納にも便利です。」(別掲8)などのように説明される,わずかな操作でトングの開閉をロック(固定)する機構を有する商品が多数存在している。また,そのような機構を有する商品「トング」について,その包装に「オートロック・・・片手で簡単開閉」の表示をする商品もある(別掲2)。
エ 甲各号証及び別掲1ないし9に掲げる商品又はその販売に関するインターネット記事情報は,商品(商品名や品番等の共通する商品を含む。)の取り扱い開始日や製品レビューの書き込み日等を参照すれば容易に登録査定日(2016年11月18日)前から掲載されていたことが推認できるものがあり,また,それらの日が確認できない甲各号証の情報についても,印刷日は2017年4月24日と登録査定日からわずか約5か月後のものであり,本件商標の登録査定日前の事実とあいまって,上記認定に用いることができると認める。
(3)本件商標の商標法第3条第1項第3号該当性
本件商標「AUTO LOCK」は,上記(1)のとおり,「オートロック」すなわち「自動的に施錠する装置」の意味合いを容易に認識させるところ,上記(2)のとおり,「オートロック」(auto lock)の語は,本件商標の登録査定時より前から,本件指定商品中「圧力鍋,水筒,魔法瓶,トング」との関係においては,蓋,中栓又はトングの開閉を自動的にロック(固定)する機構を指称する語として使用されている実情があるため,本件商標を上記指定商品に使用するときは,取引者,需要者をして,その商品が単に上記オートロック機構を備えた商品であることを認識させるものであって,単に商品の品質(機能)を認識させるにすぎないから,自他商品の識別標識としての機能を有していないものというべきである。
したがって,本件商標は,その指定商品中「圧力鍋,水筒,魔法瓶,トング」については,商標法第3条第1項第3号に該当する。
(4)本件商標の商標法第4条第1項第16号該当性
本件商標「AUTO LOCK」は,上記(1)のとおり,「オートロック」すなわち「自動的に施錠する装置」の意味合いを容易に認識させるものの,本件指定商品中「圧力鍋,水筒,魔法瓶,トング」以外の商品において,商品の品質を表示する語として取引上普通に用いられている実情を見いだすことができないから,本件商標を,その指定商品中「圧力鍋,水筒,魔法瓶,トング」以外の商品に使用するときは,商品の品質を表示するものでもなく,その品質について誤認を生じさせるおそれがあるとまではいえない。
したがって,本件商標は,その指定商品中「圧力鍋,水筒,魔法瓶,トング」以外の商品について,商標法第4条第1項第16号に該当するものではない。
(5)まとめ
以上のとおり,本件商標の登録は,その指定商品中,第21類「圧力鍋,水筒,魔法瓶,トング」については,商標法第3条第1項第3号に違反してされたものであるから,同法第43条の3第2項の規定により,取り消すべきものである。
また,本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については,取り消すべき理由がないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持するものとする。
よって,結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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